10位までをチェック!
以下、10位までの順位を列挙すると、2位トヨタ・ルーミー/ダイハツ・トール385mm(240mmのスライド後端位置)、3位ホンダ・フリード340mm、4位ホンダ・フィット320mm(コンパクトハッチバック最大)、5位トヨタ・シエンタ260mm(先代220mm)、6位トヨタ・パッソ/ダイハツ・ブーン210mm、7位日産ノート、ノートオーラ200mm、8位トヨタ・アクア180mm、9位スズキ・スイフト160mm(先代同)、10位ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズ120mm・・・ということになる。以下、トヨタ・ヤリス115mm、マツダ2 105mmだ。
5ナンバーサイズとはいえ、背の高い3列シートミニバン=プチバン(2列シートもある)のフリードやシエンタの後席に余裕があるのも理解しやすいだろう。何しろ3列シートを備えているのだから。
しかし、ボディサイズ、形状に対して車内の空間効率を最大限に突き詰めたパッケージングという意味では、”ハッチバックモデル&リヤヒンジ式ドア”にして後席ニースペースを320mm確保したホンダ・フィット4が特筆に値する。
後席を立てたトールモードなどのアレンジも可能な歴代フィットのシートアレンジ、想像を絶する室内空間を実現するパッケージングの妙は、そう、ホンダ独創のセンタータンクレイアウトがもたらしたものと言っていい。通常、後席下に置く燃料タンクを前席下に薄く収めることで室内高を始めとする室内空間をMAXにすることができる特許技術なのである。
後席に座った際、ほとんどのコンパクトカーはシート下に燃料タンクがあるため、シート下に空間はない。そのため、足が引けず(スライド機構付きの場合は後方スライド時)、足の置き場の自由度が制限されるとともに、立ち上がり性で劣るのだ。が、センタータンクレイアウト採用車であれば、フィットがそうであるように、後席シート下は空洞になっていて、シートスライド位置にかかわらず足が引け、足の置き場に自由度があり、立ち上がりやすくなるというわけだ。結果、後席をなるべく後方にレイアウトすることが可能になる(後席シート下に燃料タンクがあると、後席の位置が決まってしまう)。
ここで取り上げた国産コンパクトカーの中で、あくまで身長172cmの筆者の印象ではあるものの、9位のスズキ・スイフトの後席ニースペース160mmまでなら、まったく不満なく座れるし、後席でのロングドライブも問題ないだろう(もちろん、乗員の身長、体形によるが)。
例えば3ナンバーサイズのVWゴルフⅦの後席ニースペースも同じく160mm。足元が決して広いとは言えないものの、狭くて窮屈・・・とはならないスペースが確保されている。ただし、VWゴルフのように後席フロアにセンタートンネルがあるクルマの3人掛けとなると、中央に座った乗員の足元は窮屈。ソリオ、フィットなどの後席フロアがフラットなクルマのほうが快適に座れることになる。
文/青山尚暉
写真/雪岡直樹 青山尚暉 トヨタ ホンダ