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日本人が1997年の韓国通貨危機から学ぶべきこと

2024.03.21

金融経済アルキ帖「1997年韓国通貨危機の教訓と復活」

今から27年前に発生した韓国通貨危機は金融市場を開放する一方で、固定相場制を維持してことが失敗の原因だといわれています。そこで今回の金融経済アルキ帖は日本の隣国である韓国がどのように通貨危機に陥り、乗り越え、復活したのか。その要因について解説していきます。

韓国通貨危機とは

1997年の韓国通貨危機は、アジア通貨危機の一部として発生した経済危機です。この危機は、韓国の通貨であるウォンの急激な価値下落と、国内の金融システムの不安定化を特徴としています。主な原因としては、過剰な外債依存、経済構造の問題、金融システムの脆弱性、国際的な要因、および政府の対応の遅れが挙げられます。

この危機により、韓国は深刻な経済的困難に直面し、国際通貨基金(IMF)からの緊急融資を受けることになったのです。ちなみにIMFからの支援を受けるために、韓国政府は厳しい構造改革プログラムを実施する結果となりました。

韓国通貨危機の要因は固定相場制の維持にあった

韓国通貨危機が発生した原因は当局による失敗が挙げられます。

たとえば自国を代表するような輸出品がある日を境に暴落して、輸出が急減したとします。

この場合、同時に経常収支と資本収支が悪化するため、結果的に自国通貨がドルと比較すると安くなります。さらに自国が固定相場制を採用していた場合、保有する外貨を売り出して自国通貨を集める必要があります。

なぜ自国通貨を集める必要があるのかというと、固定相場制の下で自国通貨の価値を安定させるためです。そもそも固定相場制とは、自国通貨の交換レートを特定の他国通貨や複数の通貨を一定の割合で組み合わせた通貨バスケットに対して、一定のレベルで固定する為替レート制度のことです。

そのため自国通貨の価値が市場で下落した状態で固定相場制で定められたレートを維持するためには、中央銀行や当局が介入して市場から自国通貨を買い上げる必要があるのです。

これにより自国通貨の供給量が減り、価値が上昇して固定相場を維持することができます。

ただし、この介入には大量の外貨準備金が必要となります。外貨準備金が不足すると、通貨の価値を維持することが困難になり、最終的には通貨危機に陥る可能性があります。そのため、固定相場制を採用している国では、通貨の価値を守るために自国通貨を集めることが重要な役割を果たすことになります。

しかし、自国が保有する外貨が底をついた場合、国は重大な通貨危機に直面します。具体的には、次のような事態が発生する可能性があります。

【為替レートの急激な変動】 外貨準備が不足すると、政府や中央銀行が市場介入を行って自国通貨を支えることが困難になります。その結果、自国通貨の価値が急落し、為替レートが不安定になる可能性があります。

【輸入コストの増加】自国通貨の価値が下落すると、輸入品の価格が上昇します。これにより、国内のインフレ率が上昇し、生活費が増加する可能性があります。

【外資の撤退】 通貨危機が発生すると、投資家が自国通貨を売却して安全な資産に移動することが一般的です。これにより、外資が撤退し、さらに通貨の価値が下がる可能性があります。

【経済の混乱】為替レートの不安定化、輸入コストの増加、外資の撤退などが相互に影響を及ぼし、経済全体が混乱に陥る可能性があります。企業の倒産が増加し、失業率が上昇するなどの経済的な打撃が発生することがあります。

【国際的な支援の要請】 通貨危機が深刻な場合、国際通貨基金(IMF)や他の国際機関からの支援を求めることが一般的です。この支援は、金融支援や経済改革プログラムの形で提供されることがありますが、厳しい条件が課されることもあります。

例えば、1997年のアジア通貨危機では、韓国は外貨準備が枯渇する危機に直面しました。政府はIMFからの緊急融資を受けることで危機を乗り越えましたが、その過程で厳しい経済改革を実施することを余儀なくされたのです。

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