コロナ禍以前は1、2月が流行期のピークだったインフルエンザ。だが、今期は9月末から感染者数が急増し、今もなお流行が続いている。さらには外国人観光客が市販薬をまとめ買いするケースも多く、全国的に薬不足の傾向だ。
そこで様々な市販薬の売り上げを調査したところ、全体的に好調だったのは『ロキソニン』や『ガスター10』を擁する第一三共ヘルスケア。中でも『ロキソニン』は頭痛薬だけではなく湿布薬の売り上げも好調で、信頼の高さがうかがえる。
一方で興味深いのは『太田胃散』『正露丸』といった、歴史ある市販薬の堅調ぶり。『太田胃散』が最初に発売されたのは1879年、『正露丸』は1902年。100年以上にわたり日本の健康は、市販薬が下支えになっているのは間違いなさそうだ。
市販薬売り上げトップ10
集計期間:2023年12月20〜12月26日 ビックカメラ・ドットコム調べ
●頭痛薬(鎮静剤)
『ロキソニン』は鎮痛・抗炎症・解熱作用を有する非ステロイド性抗炎症薬の一種。痛み・炎症・発熱の産生を抑え、効果を発揮する。
●胃薬
『太田胃散』を抑えたのは『ガスター10』。『ガスター10』は胃酸分泌の約70%に関与するヒスタミン受容体をブロックする。
●肩こり・腰痛・筋肉痛・関節痛(湿布等)
売り上げ1位の『サロンパス』が発売されたのは1934年。戦前にもかかわらず横文字の商品名が斬新で、湿布薬の先駆け的存在に。
●下痢止め
『正露丸』が発売された1902年は日露戦争開戦直前で、当時は『征露丸』という名前だった。戦争の際は陸海軍にも配付されたという。
取材・文/高山 惠 イラスト/トーマス・オン・デマンド