ゼンハイザージャパンは開放型リファレンススタジオヘッドホンの新モデルとして、「HD 490 PRO」を2024年3月21日より発売を開始する。価格はオープン価格。予想実勢価格は約6万6000円(税込)。
また「HD 490 PRO」の付属品に加え、3mケーブルとヘッドバンド用追加パッド、専用ケースが付属する「HD 490 PRO Plus」も同時発売となる。価格はオープン価格で予想実勢価格は約7万7000円(税込)。
共振や歪みの低減と低域のノイズを識別できる正確な低音を生成
オープンメッシュのイヤカップカバーには、共振と歪みを低減するゼンハイザー独自のオープンフレームアーキテクチャを採用。明瞭で高精度なオーディオを実現する。
さらにイヤカップの中核には最先端のネオジム磁石と低周波シリンダーを搭載しており、正確かつ明瞭な低音を生成して低域のノイズを識別することで、細部までクリアで洗練されたミキシングやマスタリングが可能となる。
この件に関してゼンハイザーのプロダクトマネージャーであるガナー・ダークス氏は、次のようにコメントしている。
「これらすべての機能を組み合わせることで、音楽のプロたちがパンニング配置の問題や厄介なローエンド周波数を特定して解決できるようになり、クリアなミキシングと洗練されたマスタリングが保証されます。
HD 490 PROスタジオヘッドホンは、あらゆるディテールの完全なコントロールを提供します」
■エンジニアの経験と人間工学に基づき設計されたデザインで長時間の作業でも快適な装着感
「HD 490 PRO」は、数十年に渡りプロ向けヘッドセットの設計を取り扱うゼンハイザーのエンジニアならでは経験と、人間工学に基づいて設計されている。
軽量であることはもちろん、通気性の良いオープンバックデザインや、均等な圧力で装着時にどんなユーザーの頭の形にもフィットする同社の特許技術を使用したヘッドバンドにより、長時間の使用でも圧迫感が低減され、快適に作業できる。
メガネをかけていても快適な装着感と、密閉性を両立する溝付きのサーカムオーラルイヤパッドにも、同社の特許技術が使用されている。
そしてセットアップや好みに応じて、ヘッドホンケーブルの接続も左右のイヤピースから選択が可能。
特許取得済みのケーブルコイル構造により、ケーブルが机に接触したり、衣服に擦れてもノイズが伝わりにくく、加えてヘッドバンドには、視覚障害者向けに点字で左右の情報も記載されている。
■用途により使い分けられる2種類のイヤパッドが付属
「HD 490 PRO」の開発に先立ち、プロフェッショナル向けヘッドホンについて、同社では過去最大規模の調査を実施。
調査の中でユーザーは、原音を忠実に再現するフラットなリファレンスオーディオを最も重要視することがわかったという。市場のデータを見ると、若干温かみのある音質が好まれている傾向もある。
そこで「HD 490 PRO」には2種類のイヤパッドを付属。使用用途によって使い分けができることで、ユーザーの細やかなニーズに応えている。
まずベロア素材のイヤパッドは、温かみのある音で遠近感を生み出し、ユーザーが音を総合的に判断できるようにする。一方でファブリック素材のイヤパッドは、フラットでニュートラルな音でミキシングに向いており、ミックスの仕上げなど細部の調整でリファレンスサウンドが必要な際に役立つ。
どちらのイヤパッドも洗浄や交換が可能なため、衛生的かつ長期間の使用にも適している。
■イマーシブオーディオ制作ツール「Dear Reality」のソフトウェア「dearVR MIX-SE」搭載
「HD 490 PRO」は、DAWのプラグインとして使用可能なイマーシブオーディオ制作ツール「Dear Reality」のソフトウェア「dearVR MIX-SE」が搭載されている。
「dearVR MIX-SE」は、高精度な仮想ミキシング環境でイマーシブオーディオをはじめとした理想的な音響環境のシミュレーションが可能。スタジオなどの現場においてエンジニアやミュージシャンを最適な位置に配置するだけでなく、様々なシステムでミキシングをバランスよく一貫して変換する際にも効果を発揮する。
■「HD 490 PRO」「HD 490 PRO Plus」の主な仕様
関連情報
https://www.sennheiser.com/ja-jp
構成/清水眞希