生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なうネオマーケティングは、「テーマパーク」をテーマに、パーセプションに関するインターネットリサーチを実施。結果をグラフにまとめて発表した。
同社のカテゴリーパーセプション調査では、当該カテゴリーのエボークトセット(※)、パーセプションを確認することで現状を俯瞰することができる。
※エボークトセットとは利用や購入時に思い浮かぶブランドのこと
今回はテーマパークの現状を知るために、ネガティブ・ポジティブなイメージ、利用シーン、利用する際に想起するテーマパークのブランドに関する調査が行なわれた。
本稿では同社リリースを元に、その概要をお伝えする。
画像はイメージです
ポジティブイメージについて
テーマパークは「楽しい」「非日常感を味わえる」という好ましいイメージを持たれているので、ここは大きな利点となる。
また、「ドキドキする」「笑い声が溢れている」といった点も、少数派ではあるが、利用者がテーマパークを使う一つの要因になっていると考えられる。
テーマパークは「日常からの解放」が基本的な価値(POP)なので、楽しいだけではなく、ドキドキや笑いに包まれた空間を価値に提案を強化することで、新しい顧客層に訴求できる。
ネガティブイメージについて
「混んでいる」「待ち時間が長い」が利用をためらわせる大きな要因であるが、一部では「子どもが飽きてしまう」「帰りが寂しい」といった点が利用の妨げになっている。
一部の意見ではあるが、「確かに言われてみたら」と潜在しているネガティブの可能性がある。
さらに、「アトラクションの音が大音量で疲れる」という意見も見受けられる。
これらの課題に対しては、「機械的なアトラクションがない」、「子ども“が”楽しめる」「帰り道まで楽しい余韻」を切り口に訴求できると、独自の価値として選ばれる理由づくり及びテーマパークの認識を変えことに繋がるのではないだろうか。
ブランド想起
東京ディズニーランドや、東京ディズニーシー、東京ディズニーリゾートが上位を独占。ユニバーサルスタジオジャパンがそれに拮抗するかたち。
これは圧倒的な世界観の提供による成果だ。
これらのブランドは、テーマパークを超えた、非日常体験型エンターテイメント施設として、「ここに来ればこういう自分になれる」「ここにくれば、こういう体験ができる」という価値を提供できている。
一方で「行きやすさ」がハードルになっているのも事実。
物理的な距離と、費用面による心理的な距離をなくしていくことが、頻度の増加・未顧客の獲得にとって不可欠でもある。
わざわざ行く理由を創っていくことが必要。そのために、ネガティブなパーセプションを変えることもひとつの方法かもしれない。
■調査結果まとめ
テーマパークの市場でブランドの想起率を高めるには、単に楽しい、非日常を味わえるだけでは不十分。同社の調査から得られた結果をもとに、テーマパークに新しい価値を持たせ、消費者の印象を一新する戦略が必要だろう。
成功のカギは次の三点にあると考えられる。
・ポジティブイメージの拡散
テーマパークが圧倒的に「楽しい」、圧倒的「非日常体験」というポジティブなイメージをより多くの人に伝えることで、魅力を広げる。
・ネガティブイメージの解消
「混んでいる」「待ち時間が長い」「子どもが飽きる」「帰りが寂しい」といったネガティブな印象を払拭し、新たなテーマパークの認識を強化することで、消費者の安心を勝ち取る。
・利用シーンの示唆
「ストレス発散」「気分転換」「リフレッシュ」といったテーマパークの利点を強調し、元気になる場所・空間として「具体化」し提案することで、新たな使用価値を提供する。
このように、テーマパークのポジティブな側面を強調し、ネガティブなイメージを解消することで、消費者に新しい視点を提供する。
例えば、「よみうりランド」が従来の遊園地から、イルミネーションに強みを見出し、行く理由をつくって成功したように、消費者に新しい価値を見出してもらうことが大切だ。
みんなが楽しいではなく、対象を絞る。
他のテーマパークより安い、高性能マシーンがあるといった差別化ではなく、ここでしかできないこと、ここでしか得られないこと、ここでしか味わえないことを創り・打ち出していくことでブランド想起につながりやすくなる。
調査概要
調査の方法/株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象/全国の20歳以上69歳以下のテーマパークを利用する人
有効回答数/1000名
調査実施日/2023年12月14日(木)~2023年12月18日(月)
関連情報
https://form.neo-m.jp/download/investigation/4165
構成/清水眞希
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