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近頃、YouTubeやTikTokなどのSNSで「ミーム」という言葉を見聞きする機会が増えた人も多いだろう。「ミーム」はSNSやウェブサイト、インターネット掲示板などを通して拡散され、話題になった画像や動画、文章のことだ。
とはいえ、ミームには「ミーム汚染」や「ミーム化」などの言葉もあり、本来の意味がわからない人も少なくないだろう。本記事では、こうした「ミーム」や関連用語の意味をわかりやすく解説する。国内外で有名なミームも紹介するので、トレンドをチェックしてみよう。
ミームとは?
■ミームの意味
ミームとは、SNSやウェブサイト、インターネット掲示板などを通して、面白い画像や動画、文章が拡散されていく文化を指す。また、その拡散されたコンテンツ自体のことを「ミーム」と言うこともある。
■言葉の由来
元来、「ミーム」はイギリスの進化生物学者、リチャード・ドーキンス氏による造語として誕生したとされ、現代におけるミームはインターネットスラングとして使われている。
現状は概念的な言葉であるため、明確な定義や意味を持たずに使われることが多い。
ミームの関連用語
■インターネットミームは「ミーム」と同義
「インターネットミーム」という言葉もあるが、その意味は現代における「ミーム」と同義だ。
異なるユーザーが、同じ画像素材や動画素材などを用いて、インターネット上で面白おかしくコンテンツを作成し拡散されていくものを「インターネットミーム」と呼ぶ。インターネットミームの略称として「ミーム」が使われる。
■ミーム汚染とは
本来の画像や動画、言葉などに対しての認識が無意識のうちに変わってしまうことを、ミーム汚染という。
例えば、あるアニメのワンシーンを切り取って作られたネタ動画が拡散された場合、この拡散によって本来真面目な場面であるはずのワンシーンよりも、ネタ動画の方が頭から離れなくなってしまう現象がミーム汚染だ。
「カラダにピース」「あなたとコンビニ」「やめられない、とまらない」など、キャッチコピーと、企業やブランドのイメージが頭に染み付いた状態もミーム汚染といえる。汚染とはいうものの、ネガティブな意味を持つわけではない。
■ミーム化とは
ミーム化とは、元々ミームでなかったものが、何かのきっかけで拡散され、真似されていく現象のことを指す。
インターネット上に何気なく投稿された画像や動画、言葉や文章が、ユーザーによって素材として扱われ、ネタ要素の強いコンテンツとして拡散される。
日本で有名なミーム画像、ミーム動画一覧
日本で有名なミーム画像やミーム動画の一部を紹介する。
■猫ミーム、猫マニ、猫ニチ
とある実写の猫の画像や動画を切り抜き、背景と字幕を組み合わせて投稿主のエピソードを面白おかしく劇にした動画だ。威嚇している茶トラの猫と、頼りない表情の猫がやり取りしているように見える動画や、白い猫が音楽にあわせてダンスしている動画は、一度見たことがある人も多いだろう。
猫ミーム(猫マニ、猫ニチ)には、高速で舌を動かすヤギや、「はあ?」と言っているように聞こえる白い猫など、同じ素材とはいえコンテンツによって幅広い画像や動画が用いられる。
2024年に入ってから「猫ミーム」と呼ばれる動画ジャンルが急激に伸びている。 一言で説明するのが非常に難しいが、どうやら「猫ミーム」とは猫の素材を使ってユーザー...
■宇宙猫
宇宙を背景に、驚いた表情の猫や何かを考えているような表情の猫を一匹配置したシュールな画像を宇宙猫という。
「理解不能」と伝えたい場面などに用いられることが多く、どの猫の画像を配置するかは作成するユーザーによって異なる。
■5000兆円欲しい!
イラストレーターのケースワベ氏が、X(旧Twitter)に画像を投稿したことがきっかけで話題となったミーム。
美しく迫力あるフォントで綴られた「5000兆円欲しい!」というシンプルな願望が、シュールで面白いと一気に広まった。
海外で有名なミーム画像・ミーム動画一覧
ミームはもともと海外から生まれた言葉であるため、海外にも有名なミームが多く存在する。ここでは海外で有名なミーム画像、ミーム動画も一部紹介しよう。
■DOGE(ドージ)
とある日本のブログに投稿された柴犬「かぼす」の写真。何とも言えないかぼすの表情が、海外の掲示板で話題となった。広く拡散され話題となったかぼすの写真は、やがて暗号通貨「ドージコイン」のモチーフとなり、一時は起業家イーロン・マスク氏のX(旧Twitter)のアイコンにも採用されたことがある。
■Rage Comics(レイジコミックス)
パソコンに搭載されているペイントソフトの黒いペンで殴り書きをしたようなタッチが特徴のウェブコミックだ。荒い線で描かれた喜怒哀楽を表現する顔をコラージュ素材として使用し、短いコミックを作っている。
日常生活での切ない瞬間や人生における不条理、怒りの瞬間を表す内容が多いものの、ユーモラスに表現されていることで、多くのファンを生み出している。
■SPC Foundation(SPC財団)
SPC財団とは、架空の物品や場所を取り扱う架空組織の名称であり、それについての創作物を投稿する海外のコミュニティサイトのこと。
自身が作り上げた創作物を「報告書」と称しコミュニティサイトへ投稿するが、その創作物は奇妙なオブジェクトなど、ホラー要素が強いことも。また、SPC財団にて報告された創作物は、しばしばミームとなるケースも多い。
SPC財団には日本語版のウェブサイトもあるため、興味のある人は覗いてみると良いだろう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部