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110万羽が大量死したケースも!野鳥の生命を脅かす「光害」の実態

2024.03.18

光は必要な場所だけに絞る努力を

私達の生活の中でも光害を無くす方法がある。夜、ブラインドやカーテンを閉めるだけでも、人工光が環境に漏れるのを抑えられる。米シカゴで行われた研究では、居住地の窓から漏れる光を半分に減らせば、鳥の衝突死を60%減らせるという結果が出た。

地球環境やエネルギー問題が注目されている一方で、無駄な光を使い、夜空を明るくさせて野鳥に被害を与えるのは、もはや時代錯誤だろう。安全性や防犯の理由で光を消せない場所以外は、光を消したり、できるだけ自然に近い色の人工灯に代えるべきだろう。

野鳥愛好家が働きかけて、葛西臨海公園の観覧車は渡り鳥のために、海に光を飛ばさないように建設されたという噂があった。施設管理会社によると、建設時に自然環境への影響を抑える形で、設計されたという資料が残されていると言う。ただし、それが野鳥に配慮された設計であったかどうかは不明で、今回の取材では噂の真偽はわからなかった。もし、噂が本当ならば、NYよりもずっと前から、野鳥保護活動を静かに行ってきた東京を、密かに誇りたかった。

環境省、光害対策ガイドライン(2021改訂版)
900517233.pdf (env.go.jp)

S. R. Loss, T. Will, S. S. Loss, P. P. Marra, Bird-building collisions in the United States: Estimates of annual mortality and species vulnerability.(米国における鳥類の建物の衝突:年間死亡率と種の脆弱性の推定値)。Condor 116, 8–23 (2014).

文/柿川鮎子

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