Amazon .com, Inc.(以下、Amazon)といえば、ネット通販、プライムビデオ、AWSなど、さまざまな事業が社会に浸透しており、生活に欠かせないサービスを展開しています。
そこで今回は、もしも10年前にアマゾンの株を購入していたら、今頃FIREできていたのか?をテーマにビジネスモデルと10年間の株価の変遷について考察していきます。
Amazonのこれまでの歩み
Amazonの歴史は創業者ジェフ・ベゾスの歩みと、インターネットの急速な発展とともに成長を続けてきました。
【1994年】Amazonはジェフ・ベゾスによって設立されました。当初はオンライン書店としてスタートし、書籍の豊富な品揃えと便利な購入方法で人気を博しました。
【1997年】Amazonはナスダックに株式公開(IPO)を行い、公開企業となりました。この時点で、Amazonは既に書籍だけでなく、音楽やビデオなどのカテゴリーも扱うようになっていました。
【2000年代初頭】Amazonは商品カテゴリーの拡大を進め、電子機器、衣類、食品など、さまざまな商品を取り扱うようになりました。また、第三者の販売者がAmazonのプラットフォームを利用して商品を販売できる「マーケットプレイス」を開始しました。
【2002年】Amazonはクラウドコンピューティングサービス「Amazon Web Services (AWS)」を開始しました。AWSは、サーバーやストレージなどのITインフラストラクチャをインターネット経由で提供するサービスで、現在ではアマゾンの重要な収益源の一つとなっています。
【2007年】Amazonは電子書籍リーダー「Kindle」を発売しました。Kindleは電子書籍市場の拡大に大きく貢献し、アマゾンの電子書籍販売における圧倒的な地位を確立しました。
【2010年代】Amazonはさらに事業を拡大し、ストリーミングサービス「Amazon Prime Video」や音楽ストリーミングサービス、スマートスピーカー「Amazon Echo」など、新たなサービスを次々と立ち上げました。また、物理店舗の展開も進め、レジなしコンビニエンスストア「Amazon Go」などをオープンしました。
【2020年代】Amazonは引き続き、テクノロジーとイノベーションを推進し、さまざまな分野でのサービス拡張を図っています。また、環境問題への取り組みや社会貢献活動も強化しています。
このようにインターネット小売業の先駆者としてスタートしたAmazonは、今や世界最大級のテクノロジー企業の総称「マグニフィセントセブン」の一角として、グローバルな影響力を持っているのです。
<Amazonの株価の変遷>
【1997年7月1日】0.077ドル
【2002年1月1日】0.710ドル
【2007年1月1日】1.884ドル
【2010年1月1日】6.27ドル
【2015年1月1日】17.73ドル
【2017年1月1日】41.17ドル
【2020年1月1日】100.44ドル
【2021年1月1日】160.31ドル
【2022年1月1日】149.57ドル
【2023年1月1日】103.13ドル
【2024年1月1日】155.20ドル
Amazonの株価推移を見ると、長期的には著しい成長を遂げています。1997年にはわずか0.077ドルだった株価が、2020年には100ドルを超え、2024年には155.20ドルにまで上昇しています。特に2010年以降の10年間で株価は大きく伸びており、この期間にAmazonのビジネスモデルが確立され、電子商取引やクラウドコンピューティングなどの分野でのリーダーシップを築いたことが反映されています。ただし、2021年から2023年にかけては一時的に株価が下落しており、これはコロナ禍で数年先の利益の「先食い」が起きたからです。
またAmazonもGAFAM同様に成長率は鈍化しており、今後10年先も2010年代と同じような成長曲線を辿る可能性は低いでしょう。
最も利益率が高いのはAWS
Amazon Web Services (AWS) は、Amazon のクラウドプラットフォームであり、世界中の企業や開発者が利用しています。AWS は、サーバー、ストレージ、データベース、ネットワーク、分析、機械学習など、幅広いクラウドベースのサービスを提供しています。
AWSの強みは、柔軟性、スケーラビリティ、コスト効率にあると言われ、利用者は必要なリソースをリアルタイムで追加または削減できます。そのため支払いは使用した分だけとなり、ITコストを削減することができます。近年鈍化していたAWSの成長率が2024年に2年ぶりとなる上昇をみせており、利益の源泉であるAWSの成長がAmazonの成長のカギとなるはずです。