電動キックボードで危ない経験をした人は全体の38%!
電動キックボードの利用に対して、事故のリスクを懸念している人が多い傾向だったが、実際に危ない経験をした人はいるのだろうか。
結果としては、電動キックボードで危ない経験をした人は全体の38%にのぼった。上記アンケートで「ある」と回答した人のエピソードは以下の通りだ。
「狭い道や通行量の多い道で背後から結構なスピードで接近・追い越しされることがあり、直前まで全然気がつかなかったため非常に驚いて脇に飛びのいたことがあり、ちょっと怖いなと感じた。(40代女性)」
「車の運転をしている時に、猛スピードで左折してきて危うくぶつかりかけた。(30代女性)」
「歩道を走っている電動キックボードでは、歩行者と接触しそうになっていたり、車道の側を走っている方は、バイクや車の邪魔になっていたり。(30代女性)」
「車を運転していて交差点の右折待ちで電動キックボードの方が横断していたのですが、自分の中であの動きは想定外だったので(速度や大人が乗っていたこと等)見慣れるまでは危ないなと思いました。(50代女性)」
歩行者側・自動車等の運転側のどちらにおいても、電動キックボードによる危険な行動を体感した人がいた。
猛スピードで走行していたり、左折・右折時の巻き込み事故の危険性があったりと、今回のアンケートでも多くのエピソードが挙げられたが、その事故の種類は自転車と比較できる部分が多々ある。
しかし、自転車と電動キックボードの大きな違いは、「見慣れていない」ことなのではないだろうか。
実際に、回答いただいた方の中には、電動キックボードの危険性として想定外な動きを挙げている人もいた。
自転車は乗車経験がある人も多く、ある程度挙動や動きが予測できる部分があるが、電動キックボードは現在導入が進んでいる段階で、挙動や動きを把握している人は相対的に少ないと言えるだろう。
そのため、免許が不要で交通ルールが一般的に浸透しているとは言い難い電動キックボードは、「予測しづらい乗り物」でもあるため、事故のリスクは今後さらに高まっていく可能性がある。
現在の電動キックボードの利用に関する率直な意見を紹介!
2023年7月1日より運転が可能となった電動キックボードだが、利用者による交通違反は先月1,879件と、法改正から半年間で4倍以上となっている現状がある。
一方で、利便性などは高く評価されており、利用方法次第では今後広く普及する可能性も秘めていると言えるだろう。
では、電動キックボードの現状に関してアンケートを回答した人は、改めてどのように感じているのだろうか。
「電動キックボード自体が悪だとは思いません。それを言ったら、自転車や原付だって悪でしょう。結局は電動キックボードも道具なので、使う人のマナー、モラルが問題なのだと思います。(30代男性)」
「利用者が増えれば相対的に交通違反も増えるので、このデータだけではなんとも言えません。普及に関してはキックボード自体の安全性を 強化した方がいいと思います。(30代男性)」
「免許が不要なので、若い人は利用しやすいのだと思う。自重しながら乗れれば問題はないと思うが、なかなかそうもいかないと思うので、『普及』と『規制』の両輪で考えていくのが良いと思う。(50代女性)」
「電動キックボードの交通ルールを守った利用がきちんとされているとは全く思えず、急速な利用者増にルールの周知とマナーの徹底が追い付いていないため、同じ公道をシェアする者として不安に思う。(40代男性)」
「免許は不要だけど交通規則にのっとって乗らなければいけないというのは、車やバイクの免許を持っていて普段から利用している人でなければ難しいのではないかと思います。便利だから乗るという人のほうが多いと思うので、販売店で購入する際には利用者が講習を受ける等の指導は必要になるのではないでしょうか。(50代女性)」
「まだ電動キックボード自体があまり知られていないように思うので、事故が増えているのも交通違反になる行動を知らないからだと思います。もっと知識を広げるのが大切かと思います。(20代女性)」
多くの人は利便性の高い電動キックボードの普及に関して、批判的ではなかった。
しかし、電動キックボードそのものの認知度や普及が足りていないのが現状であり、利用者のマナーやモラルの向上に努めていく必要があると感じているようだ。
交通違反増加に対して92%の人が「早急に対応すべき」と回答
交通違反の増加を受けて、なにかしらの対応を早急にすべきという人が全体の92%を占める結果となった。特に「早急に対応すべき」と回答した人は、下記のような意見を挙げていた。
「一部の利用者が交通違反しているために電動キックボードは危険なイメージを持たれてしまうと、ルールを守って利用している人にとってはマイナスでしかありません。交通ルールの徹底を促し、街中での利用が可能な状態を維持して欲しいです(40代男性)」
「このまま何の対応もしなければ、重度の過失や事故が起きる可能性が非常に高い。初動の法整備や規則周知徹底が大切で、今後の安全な運用を左右すると思う。(40代女性)」
「電動キックボードは誰でも乗れて、遊び感覚も強いため気が緩みやすいと思う。自転車と大して変わらないもの、スピードが出て危険なものという意識を持たせてから利用できるようしっかりと取り締まるべきである。(20代女性)」
「普通の電動ではないキックボード、電動ではない自転車感覚で利用してる人が多いだろうからバイクと同じ扱いになることをニュースやCMや広報で大々的に知らせて浸透させる必要があると思う(40代男性)」
また、「様子を見るべき」と回答した人の回答理由は以下の通り。
「解禁したそばから取り締まるようだと、せっかくこのような流行の乗り物に対しても寛容な態度を示したのにスタンスを疑われるから。それなりに世論がやめさせるような方向に傾いてからでよいのではないかと思います。(60代男性)」
「件数自体は増えてきているが、法で規制するにはもう少し様子を見てもいいかなと感じるので。(40代女性)」
「基本的には対応するべきだと思いますが、原因などは焦らず冷静に分析するべきだと思います。(30代男性)」
早急に対応すべきと回答した人のように、何か起こってからでは遅いため法整備やルール周知の徹底が必要という人が大部分を占める一方で、電動キックボードという新しい乗り物について焦らず分析していくことも重要なのではないかという意見もあった。
また、全体的に電動キックボードの普及に関して反対意見を挙げている人よりも、適切な規制を施すことの重要性を説いている人が多い傾向にあった。
今後の電動キックボードは『普及』と『規制』のバランスが課題
電動キックボードは利便性の高い乗り物として認知されており、今後広く普及していく可能性を秘めている。その一方で、交通違反が利用者の増加とともに増えてきており、早急な交通ルールの認知や規制対策が求められている。
しかし、あまりにも厳格な規制であれば電動キックボードの今後の普及は困難になり、反対に不徹底な規制は重大な事故を起こしかねない。
また、規制が今後なされなければ、交通違反の増加に伴い電動キックボードへの世論の反感が高まり、結局電動キックボードの普及の妨げとなってしまうだろう。
このように現在の電動キックボードには、「普及のための規制」が求められており、普及と規制のバランスが非常に重要と言える。
法改正から半年が経過し、交通違反者の増加が表面化し出した現在、電動キックボードの普及につながるような規制対策が必要なのではないだろうか。
<調査概要>
調査期間:2024年02月01日~2024年02月8日
調査機関:クラウドワークス
調査方法:インターネットでのアンケート調査
調査対象:20〜70代以上
有効回答人数:300名
出典元:株式会社ウェブギフト
構成/こじへい