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なぜ〝FE〟スマホで流行っているのか?GalaxyやXperiaに込められたメーカー側の狙い

2024.03.19

50万円のアップル「Vision Pro」って実際どうなの?

房野氏:新端末という意味では、アメリカでアップルの「Vision Pro」が発売されましたね。石川さんも現地に買いに行かれていましたが、いかがですか?

Apple Vision Pro

石野氏:〝富裕層エディション(Fuyuso Edition)〟という意味では、〝3つ目のFE端末〟ですね(笑)

石川氏:現状、Vision Proは、モノ好きな人のみが買っている状態だし、それでいいかなと思っています。

法林氏:なんだそれ(笑)

石川氏:いやいや(笑)多くの人から「買うべきですか?」と聞かれるんですよ。でも、一般のユーザーが買うタイミングではないかなと。初代のiPhoneのようなものだと思います。ただ、試した人の評判は概ね良いのは事実で、満足度は高い。あとは、後継機種が出たら価格が下がるはずなので、それでどうやって普及していくかですね。今後、空間コンピューティングを使ったアプリが増えていくと面白いですし、Vision Proでのゲームなどは新しい体験だなと感じています。まあ、重いので首が痛くなるのが難点ですが。

石野氏:僕はまだ実機を試していませんが、みなさんがSNSなどにアップしているスクリーンショットなどを見ると、解像度は高いし、バーチャルと現実が融合していくのは未来感があっていいなと思います。1つ気になったのは、外側から見た時に目を映し出す機能。みんな福笑いみたいになっているというか、ぼやっと映っているのが気になりました。

Apple Vision Pro

石川氏:まあ、アップルとしてはお試しでやっているはずなので、これから精度が上がっていくと思います。

石野氏:なんであんなにぼやっとしちゃうんですかね。

法林氏:あんまりくっきりするのも、それはそれで気持ち悪くない?

石川氏:そうですね。だからあえてぼんやりさせて、見えている風にしている可能性もあります。

法林氏:VR/ARの進む方向性として、大きな1歩かもしれないけれど、今までチャレンジしてきたHTCやMeta、Galaxyなどの売れ行きはあまり良いとは言えなかった。超えなければならない壁は大きいと思います。Metaが販売している「Meta Quest 3」ですら7万4800円。「PlayStation VR2」はソニーストアで6万3980円とちょっと価格が下がるけど、それでもだいぶ高い

Meta Quest 3

PlayStation VR2

石野氏:価格もそうですけれど、サイズ感が気になる。視界をふさぐように装着するので、ディストピア感があってすごく嫌なんですよね。

法林氏:映像に没入するための形状ではあるけれど、目の前に映像を映すだけならサングラス型の「XREAL Air」とかでもいい。

XREAL Air

石川氏:自分もXREAL Airを使っていて、大画面を見るだけなら十分。ただ、Vision Proだと、目の前のアプリをどけて別のアプリを手前に持ってきて、さらに拡大して……といった具合いに、アプリ間を自由に行き来しやすい。まさにコンピューターと言えるし、使い勝手もいいんです。

法林氏:見るだけではなくて操作ができるという意味では大きい。ただ、そのために50万円を支払うかと思うと、どうだろう。とはいえ、Vision Proがもう少し安い価格に設定できて、もっと売れるんだとしたら、MetaもPS VRも、もっと売れていいような気がするけどね。

石川氏:自分の場合は、Vision Proを購入したことでテレビ出演ができたからまだいいですけど、一般的なユーザーが買ってペイするかと言われちゃうと、ちょっとわからないです。

ただ、すごいなと思ったのは、アップルが動くといろいろなメーカーが参入してくる。アプリ経済圏が移行してくるって、大きいですよ。

石野氏:でも、たとえば飛行機に乗ってVision Proを装着した状態で、機内食を食べていたら、周囲からは完全に「マトリックス」の世界観って感じですよ。

法林氏:なんなら、Vision Pro対応の、ゼリー状の機内食とかがあればいい(笑)

房野氏:一応、Vision Proを着けていても、周囲は見えるんですよね。

石野氏:見えるけれど、ほかの人から見て真っ黒だと不健全なので、目を映してコミュニケーションが取りやすいように工夫しています。だったら、その形じゃないのではとも思います。

法林氏:製品としての完成度は高いかもしれないけれど、自分の生活へ当てはめた時に、MacBookの代わりにVision Proを持ち運ぶのかと言われると、それはないな。普通にパソコンやiPadを持ち運んだ方が、幸せだと思う。

石野氏:あと、家族がいると、自宅でも1人であれを着けて楽しんでいるわけにはいかなくなる。没入感と言うけれど、そこまで没入したいわけではない。

Apple Vision Pro

法林氏:コンテンツ次第でもあるかな。ゲームなのか映画なのか、ビジネス的に使うのかはわからないけれど、日常生活に融合させるのは意外と難しいと思う。

Apple Vision Pro

石川氏:映画好きの人にはいいですよ。

石野氏:そうですね。オーディオルームでVision Proを使うとかはわかるし、オーディオに多く投資してきた人にとっては、Vision Proはそこまで高くないかもしれない。

石川氏:結局、空間コンピューターなので、使い方は人によってバラバラだし、アップルもそういう幅を持たせている。今回は突っ込みどころがない、最高峰の端末を作っているので、今後はもっと機能が限定的な、安いモデルが出てくると思います。

石野氏:今回のモデル名には〝Pro〟がついていますからね。〝Air〟や〝SE〟バージョンが追加で出るかもしれませんね。

……続く!

次回は、KDDI、ローソンの資本業務提携について会議する予定です。ご期待ください。

法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

構成/中馬幹弘
文/佐藤文彦

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