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大正製薬から発売された話題の内臓脂肪減少薬「アライ」を服用する時の注意点とは?

2024.03.15

大正製薬は、日本初の内臓脂肪減少薬「アライ」(有効成分:オルリスタット)を2024年4月8日(月)に発売する。

肥満改善の効果が期待できる薬として、オルリスタットは海外ですでに人気の高い薬の一つである。オルリスタットは1997年8月にアルゼンチンで初めて120mgカプセルが医療用医薬品として承認され、その後、欧州や米国を中心に100か国以上で承認されてきた。さらに一般用医薬品としては60mgカプセルが、2007年2月に米国で初めて承認され、その後、欧州を中心に70か国以上で承認されている。

「アライ」は日本では医療用医薬品としての販売を経ずに一般用医薬品として販売される(=ダイレクトOTC)。海外在住時にオルリスタットを服用したことがあるという現役薬剤師にオルリスタット服用の注意点を取材した。

オルリスタットは食事由来の脂肪のうち、約25%を便として排泄する

「アライ」は腹部が太めな方(※)の内臓脂肪および腹囲の減少(生活習慣改善の取り組みを行なっている場合に限る)の効能をもつ日本初の内臓脂肪減少薬だ。

※腹囲(へその高さ)男性85cm以上、女性90cm以上

通常、食事中に含まれる脂肪は、脂肪分解酵素リパーゼによって分解され、吸収されるが、「アライ」の服用によって、有効成分オルリスタットがリパーゼに結合し不活性化することで脂肪の分解を阻害し、脂肪の一部はそのまま便として排出される。なんでも食事由来の脂肪のうち、約25%を便として排泄することが期待できるという。

大正製薬は「アライ」をOTC医薬品として承認取得をするために、海外における十分な使用実績をもとに、日本人を対象にした臨床試験によって有効性・安全性を明らかにすることに14年もの歳月をかけている。

国内の臨床試験の結果は、大正製薬の「アライ」ブランドサイトがで公表されている。

有効性に関しては「内臓脂肪面積変化率」「腹囲変化量」のデータが公表されている。52週の長期投与試験では、なんと内臓脂肪面積は-21.52%、腹囲は-4.73cmという驚きの結果が示されている。

最大の副作用は「油が漏れる」こと

「アライ」の購入には一定の条件(※)を満たしていることが必要となるが、その効果に期待を寄せる人も多い。

※成人(18才以上)で、腹囲(へその高さ)男性85cm以上・女性90cm以上あり、生活習慣改善の取り組み(食事・運動)を行っていること等

海外在住時にオルリスタットを服用したことがあるという銀座薬局代表で現役の薬剤師・長澤育弘さんにオルリスタット服用の注意点について話を聞いた。

「オルリスタットの服用で、私もかなり腹囲を減少させることができました。効果が明確に表れていることの裏返しでもあるのですが、やはり最大の副作用は『油が漏れてくる』ことです。個人的な見解ではありますが、排便をする際に油が漏れるということではなく『気づいたら漏れている』ほどです。例えば、長時間座って仕事をしていて立ち上がったら椅子やパンツ、ズボンが油まみれになっている。おならをしようものなら確実に漏れてしまう。

また、漏れてくる油は便と同様に強烈な臭気があります。つまり、かなり臭いので漏らしてしまうと大惨事になってしまうことですね」

大正製薬の安全性に関する国内臨床試験の結果でも、「油の漏れ」や「便を伴う放屁」といった副作用の報告が多い。「油の漏れ」への対応策はあるのだろうか。

「『漏らすこと』を前提に、便漏れパッドやナプキンを使用するしかありません。替えの下着やズボンも用意しておくに越したことはないでしょう。
また、オルリスタットは食事の油の一部が吸収されずに排出されるため、『脂っこい食事は控える』ことも大事です。食事で摂取する脂質が増えると、その分、漏れてくる油も増えますから。オルリスタットを服用期間中は『油漏れ』との闘いを覚悟してください」

他の副作用に関してはどうなのだろうか。

「薬ですのでアナフィラキシーショックの他、頻度は高くないですがオルリスタットは肝機能障害の報告があります。また、油の体内への吸収を低下させる性質上、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の減少に伴う症状が起こることも可能性としては考えられます。
『アライ』は要指導医薬品ですので、購入には薬剤師との対面による説明を受ける必要があります。服用に不安がある人は、薬剤師さんとしっかり相談して購入するようにしてください」

「アライ」は、人々が自分の健康を自分自身で守るため、もっと前向きに生活習慣の改善に取り組めるようにとの想いを込め開発されている。

食事改善や食事だけではあまり効果が表われなかったという人でも、副作用のリスクも十分に知った上で服用してほしい。

取材・文/峯亮佑

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