■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
毎年2月に開催される「ジャパンキャンピングカーショー」は、各社がこの日を目指して新作を開発する重要なステージ。そして、2024年のトレンドを語るに欠かせない、デュカトベースのバンコンも登場し注目を集めた。
同イベントにはクルマ旅の啓蒙、普及を目的とし、RV協会が著名人を表彰する「キャンピングカーアワード」が開催されるが、そちらを2年連続で受賞したのがNEWS・小山慶一郎さん。その副賞として1年間レンタルされるのもデュカトをベースとしたトイファクトリー「DA VINCI 6.0」だ。
同じくトイファクトリーの「DA VINCI LUSSO 6.0」(1507万円~/展示車両1729万2220円)
ボディカラーやホイール、フェンダー、オーニングの有無、作業灯などによって、デュカトは雰囲気が大きく変わるし、その大空間はレイアウトしがいがある。
そこでデュカトベースのバンコンが、ビルダーによってどんな風に変わるのか見比べてみた。
まさに動く家。「DA VINCI LUSSO 6.0」
まずは「DA VINCI LUSSO 6.0」から。
回転式キャプテンシートを利用したリビング。定番といえば定番のレイアウトだが、外装と同じダイヤモンドキルト柄が施された本革シートはまさにラグジュアリー。
出入り口の脇がキッチンスペース。電子レンジやシンク、2口コンロなどが収まっている。後部ベッドとシートの間には手洗い付きのトイレを配置。動く家だ。
電子レンジはピッタリ収まっており快適なのに生活感を抑えている。
親子旅にうれしいL字ソファの「ゼニア タイプL」
ナッツRV「ゼニア タイプL」(1375万円~/展示車両1435万8860円)
乗車定員5名のWベッド仕様だと就寝定員は2名+子ども1名、フロアベッド仕様だと乗車定員7名で4名+子ども1名の就寝定員。ポップアップなしでも家族利用ができ、おまけにマルチルームも装備している。
もちろんナッツRVならではのエボライト急速走行充電システムを搭載。
わかりづらいが、運転席すぐ後ろにL型サイドソファを採用しておりその長さは約160cm。カウチソファのようにリラックスできる。
出入り口脇のギャレーはドアからはみ出ることがないコンパクトな作り。そうはいっても室内からも車外からも取り出しやすい両開き70L冷蔵庫や電子レンジが標準装備されている。
OPの電動ポップアップルーフが使える「トリノ」
ホワイトハウスキャンパー「トリノ」(1497万円~/展示車両1693万9840円)
キャプテンシートと2列目シート、さらにその後ろにも対面式のサロンを備えたツインダイネット。ギャレーは最後尾に配置されていて、リアゲートからアクセスしやすくなっている。
サロンスペースをベッドにして大人2名の就寝スペースにできるほか、オプションのポップアップルーフを取り入れれば4名就寝が可能となる。
ポップアップルーフは電動で上げ下げはとっても簡単。もともとゆとりの室内空間を誇るデュカトだが、ルーフが上がることでいっそう開放感が生まれる。
別荘感覚で長期滞在できそう。「クルーキャブ テラス」
ホワイトハウスキャンパー「クルーキャブ テラス」(1019万5000円~/展示車両1130万8640円)
パッと見は何の変哲もないデュカト。インテリアもシンプルで、回転式キャプテンシートを使ったダイネット、そして後部にギャレーとベッドを装備したシンプルな作り。サーフボードなど大型の遊び道具を持ち運ぶ大人に便利なゆったりレイアウトで、その分価格は控えめだ。
ところが後部にスライド式フロアボードを内蔵しており、キャンプ場で引き出せばフロアが拡張する。
後ろに1300×2600mm拡張するテラス。展示車両に装着しているオーニングはオーバーランド・ヴィークル・システムズ製で、サイドから後部までぐるり広がりテラスの大部分をカバーする。
別荘感覚で長期滞在するほか、イベントや移動カフェなどビジネスシーンにも活躍しそう。
車外と車内をつなぐスライドテーブルが魅力。「ラウンジ」
RVランド「ラウンジ」(1100万円~/展示車両1127万5000円)
マルチルームはなく、視線の高さに備え付け家具がないスッキリインテリアに徹底したのがRVランドの「ラウンジ」。
両側に並ぶ対面ソファと天然木を貼った壁と天井は名前の示す通り、ラウンジだ。夜はソファを3名就寝のベッドに展開できるという。
おもしろいのは後部にスライド式のテーブルを備えていること。観音開きの後部ドアを開けば、インドアとアウトドアをつなぐとっておきのスペースが生まれるというカラクリだ。
35Lの冷蔵庫、カセットガスも備えており、コーヒーなどちょっとしたおもてなしはお手の物。ワークスペースに徹するのもいいだろう。
ハイエース以上の大空間。デュカトのバンコンは2024年も大注目!
デュカトは全高2500mmを越え、全長もおおよそ5400~6000mm。ハイエース以上の大空間を有しておりレイアウトの自由度が高い。今後もビルダーの知恵と技術を搭載したおもしろい車両が登場しそう。期待したい。
取材・文/大森弘恵