コロナ後の初めての春~夏を迎え、各地の地域イベントが本格的に再開している。国内旅行の目的としてはもちろん、「モノ消費からコト消費へ」とトレンドが変化しているインバウンド需要でも注目されているのが、日本全国の多種多様な地域イベントだ。(一財)地域活性化センターは、全国各地で開催されている、地域の活力を生み出すイベントの中から優れた企画を表彰する「ふるさとイベント大賞」を発表した。
大賞【内閣総理大臣賞】兵庫県洲本市『うみぞら映画祭 in 淡路島』
大賞【内閣総理大臣賞】に選ばれたのは、兵庫県洲本市の『うみぞら映画祭 in 淡路島』。瀬戸内海の海上に巨大なスクリーンを浮かべ、砂浜から映画を楽しむ野外上映イベントで、期間中は花火やナイトマーケット、SUPなどのマリンアクティビティ、テントサウナ&ドラム缶風呂体験、乗馬体験、地元企業のワークショップなど、1日中海辺で楽しめるイベントとなっている。近郊からの日帰り客はもちろん、リゾート地として注目が高まっている淡路島の旅行客にもお勧めのイベントだ。今年は4月27~29日開催予定。
選考委員長のアートディレクター北川フラム氏(2018年文化功労者受賞)は、総評でこう語った。
「その土地の自然や歴史、生活、お祭りなど、その土地の特徴を活かした『ふるさとイベント』は、その土地の人々の共同体を強めるだけでなく、そのイベントを生で体験した人々との生きたネットワークを作ってくれます。日本だけでなく世界の人々との繋がりも作る。今回の能登半島地震では、第19回の最優秀賞を受賞した『奥能登珠洲の秋祭り』の珠洲市も大変な被害を受けましたが、ふるさとイベントを通してその土地に行かれた人たちの感じるリアリティは他人ごとではなく、珠洲への手伝い、寄付、励ましは素晴らしく、その心の寄せ方が一つの希望につながれば良いと思います」
「ふるさとイベント」には、ふるさとを盛り上げようと、地域の人々が文字通り手作りで開催しているものが多いが、その熱意に感動した訪れた人々との「生きたネットワーク」を作り出すパワーがあるのである。単なる「観光」や「買い物」「飲食」などを超えた、生きた人間同士の触れ合いを生み出すことが、新しい日本の魅力になる可能性がある。この春~夏、あなたも「ふるさと」を感じるイベントに出かけてみてはいかがだろう。
優秀賞【地域活性化センター会長表彰】高知県四万十町「四万十川の春を彩る 元祖「こいのぼりの川渡し」」
優秀賞【地域活性化センター会長表彰】を受賞した「四万十川の春を彩る 元祖「こいのぼりの川渡し」」(十川体育会/高知県四万十町)は、今年で50回目。日本最後の清流と言われる”四万十川”で行われる。全国各地に広がった「鯉のぼりの川渡し」の先駆けだ。約500匹の鯉のぼり泳ぐ姿は圧巻。4月中旬から5月中旬に開催。
優秀賞【地域活性化センター会長表彰】兵庫県西脇市「播州織産地博覧会」
優秀賞【地域活性化センター会長表彰】を受賞した「播州織産地博覧会」(播州織産地博覧会実行委員会/兵庫県西脇市)、「 通称 – 播博( ば ん ぱく)-」は、”織物のまちに、織物の名物市を!”を合言葉に、播州織産地の魅力を全国へ発信しようと、市民有志が立ち上がり企画した播州織の生地マルシェを中心とした、正に手作りの「ふるさとイベント」だ。今年は5月26日(日)開催予定。