Z世代の間では今、タイムパフォーマンス通称「タイパ」が重要視されていると言われている。これはすなわち「時間対効果」に重きを置く考え方であるが、「タイパの良さ」を求める若年層の多さをあらわす例の一つとして、TikTokやYouTubeショートなどの短尺動画の隆盛とともによく取り上げられるのが、日常的な動画コンテンツの倍速視聴だ。
クロス・マーケティングはこのほど、全国20歳~69歳の男女1100名を対象に「動画の倍速視聴に関する調査(2024年)」を実施し、その結果を発表した。
若年層以外にも広がる「倍速視聴」 まとめて見るときにも、ちょっとした空き時間にも利用
「動画コンテンツの倍速視聴経験」の有無を調べたところ、「経験あり」が47.0%となり、3年前と比べて12.6pt増加した。男女ともに20~30代の視聴経験率は4割強~6割と高水準だが、50~60代でも3~4割を占め、倍速視聴は若年層に限らず各年代にまで浸透していることがうかがえる。
「倍速で視聴している動画コンテンツ」を調べた結果、全体で「ドラマ」が27.1%で最多となり、以下「バラエティ」「YouTuberの企画動画」(ともに22.2%)、「ニュース・報道」(16.6%)、「商品紹介・レビュー」(16.4%)、「映画」(15.7%)と続いた。
「動画コンテンツを倍速で見るシーン」を尋ねたところ、全体では「休日にまとめて」が42.4%で最多となった。以下「平日の夜」(32.9%)、「寝る直前」(31.7%)、「仕事や家事の休憩時間」(27.7%)と続いた。20代は「ランチを食べながら」「順番待ちの時間」「バス・電車内」など、ちょっとした空き時間に倍速で視聴していることがわかった。
「動画コンテンツを倍速で視聴することに対する意識」では、「倍速で見るもの・見ないものを分けている」が最も高いものの、「自由度が上がる」「効率よくたくさん視聴できる」という良い点と、「印象が残りにくく、内容を忘れやすそう」「目や耳が疲れそう」「よく理解できない」という懸念点とほぼ同率となった。
女性20代・30代では「効率よくたくさんの動画を視聴できる」、男性20代では「倍速で見ないと時間を損した気になりそう」「集中して視聴できる」が高く、若い世代では特に時間効率を意識している様子だった。
他方「低倍速で視聴したい動画コンテンツ」としては、「スポーツ」「ダンス」「ピアノ」「メイク」「英語」など習得を目的としたものや、やり方を確認したり、記憶に残したいコンテンツがあげられた。
<調査概要>
調査手法 :インターネットリサーチ(クロス・マーケティング セルフ型アンケートツール「QiQUMO」使用)
調査地域 :全国47都道府県
調査対象 :20~69歳の男女
調査期間 :2024年3月1日(金)~ 3日(日)
有効回答数:本調査1,100サンプル
※調査結果は、端数処理のため構成比が100%にならない場合がある
出典元:株式会社クロス・マーケティング
構成/こじへい