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KDDIとトヨタの技術連携によって浮き彫りになった国内の自動車業界と通信業界が抱える課題

2024.03.11

KDDIは、2002年にテレマティクスサービスを提供するなど、トヨタ自動車とはIoTの黎明期からの深い間柄だ。

実際、2019年にはトヨタ自動車のグローバル通信プラットフォームの提供を行い、世界7地域、83か国・地域で、コネクテッドサービスを提供している。

ちなみにトヨタ自動車は、NTTと「Woven City(ウーブンシティ)」というスマートシティ構想で提携を行い、また、ソフトバンクとはモビリティプラットフォームを構築する「MONET」という会社を共同出資して設立している。

そんな中、KDDIとトヨタ自動車が手がけているのは主に3つの分野だ。「安全・安心なモビリティ社会の実現」「グリーンなモビリティ社会の実現」「モビリティ体験価値の拡張」となる。

KDDIとトヨタ自動車はなぜ、安心・安全なクルマ社会に向けて技術連携をするのか……両社が行った「つながるモビリティ社会に向けた取り組み説明会」で確認したい。

交通事故の回避、セキュリティの強化で安全・安心なモビリティ社会を実現

「安全・安心なモビリティ社会の実現」においてKDDIは、同社が持つ人流データとトヨタが持つ車両データ、さらにオープンデータを組み合わせた「危険地点スコアリング」を2024年春にも自治体や企業に提供する予定だ。

KDDIにはauユーザーのスマートフォンから最小50m単位の位置情報とともに、歩行者数や自転車数、年代などのデータを数分間隔で収集している。一方、トヨタでは車両数や平均車速、急減速発生件数、一時停止率などを車両から集めている。

こうしたデータに道路特性や交通事故発生件数などを掛け合わせ、AIによる分析を行うことで、地図上に「高齢者の歩行者が多い」「自転車の交通量が多い」「急ブレーキが多発している」といった危険情報をマッピングできるようになるという。

これらのデータを自治体に販売することで、安全なまちづくりに役立てて欲しいというわけだ。

また、すでに実証実験を行い、効果が認められた取り組みとしては「Vehicle to Bike」がある。

タクシーの日本無線の車両と、デリバリーサービスの出前館で使われている自転車、それぞれにスマートフォンを設置。見通しの悪い交差点などでお互いが近づいている際には、それぞれのスマートフォンに車両もしくは自転車が近づいているというアラートを出すというものだ。

世界的には「セルラーV2X」として、車両同士が直接通信を行い、接近しているので注意すべきとアラートを出す規格があるが、KDDIではスマートフォンを用い、一度、クラウドにデータを上げて、処理するというやり方を実施している。

スマートフォンにアプリがインストールされていれば、キャリアは問わない仕組みとなっているので、将来的に国民すべての車両や自転車に乗る人が利用すると、見通しの悪い交差点での交通事故はかなり減少するかも知れない。

そして今後、ネットワークにつながるクルマが増えていく中、サイバー攻撃などのリスクも無視できなくなっている。

KDDIでは同社のモバイルネットワーク情報とトヨタの車両情報、サーバー情報などを横断的につなげ、基地局のダウンや管理サーバー経由の攻撃、クルマを踏み台にした攻撃などを検知し、従来では把握できなかったクルマへの影響を軽減し、回避対策を実施できるようにしていくという。

クルマのデータを集約する4キャリアと自動車メーカーの座組を求めて

今回、KDDIとトヨタ自動車は、「つながるモビリティ社会に向けた取り組み説明会」の中で、コネクテッド社会への取り組みを改めて発表したが、国内の自動車業界と通信業界を見るとコネクテッドカーが使っている通信回線は「トヨタ系ーKDDI」「日産ーNTTドコモ」「ホンダーソフトバンク」という、謎の棲み分けができてしまっている。

日本国内を走るクルマに提供されるコネクテッドサービスが、今後も3陣営に別れていては、データが分散された状態が続き、有益なデータが集まったとしても活用されないという「宝の持ち腐れ」状態になりかねない。

KDDIの門脇誠経営戦略本部長は「これから検討することになるが、こういった取り組みをKDDIという起点でほかのモビリティのサービスにも広げて行きたい」と語る。

また、トヨタ自動車の情報システム本部 情報通信企画部、木津 雅文 部長も「2社で閉じることなく、いろいろな可能性を含めて今後検討していきたい」としている。

2024年2月20日開催の「つながるモビリティ社会に向けた取り組み説明会」に登壇した、左からKDDI株式会社 技術統括本部 技術戦略本部長 大谷 朋広氏、同社 執行役員 経営戦略本部長 門脇 誠氏、トヨタ自動車株式会社 情報システム本部 情報通信企画部 部長 木津 雅文氏、同社 情報システム本部 情報通信企画部 InfoTech-IS 室長 大西 亮吉氏

将来的に、すべてのクルマのデータがビックデータとして、1か所に集まりつつ、クルマと自転車、バイク、さらには人が持つ、すべてのスマートフォンがつながり、クルマの接近をスマートフォンで知ることができる、そんな安心・安全につながる取り組みを、4キャリアとすべての自動車メーカーが一緒になって取り組める座組が必要になってきそうだ。

取材・文/石川 温

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

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