2024年3月4日の東京株式市場の日経平均株価が終値で4万109円23銭を記録。初の4万円台到達と史上最高値を更新した。同日は一時、4万314円64銭をつけるなど、取引時間中における高値も更新。
この動きを受け、三井住友DSアセットマネジメントから、その影響と今後の市場展開に関するリポートが発表された。
日経平均は取引時間中に4万円台乗せとなったが、週末のメジャーSQを控え乱高下に注意
日経平均株価は3月4日の寄り付きで、心理的な節目である4万円の大台に乗せた。
3月1日の米国市場では、ハイテク株比率の高い米ナスダック総合株価指数が前日に続き最高値を更新し、米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も前日から4.3%上昇するなど、ハイテク株の活況が顕著だった。
この流れを受け、本日の東京市場では値がさの半導体関連株を中心とする買いが日経平均を押し上げる格好となっている。
騰勢の続く日経平均だが、今週は7日に3月物の株価指数先物とオプションの取引最終日、8日に特別清算指数(SQ)の算出を控えるため、やや注意が必要。
今回は先物とオプションの清算が重なる3カ月に1回の「メジャーSQ」で、一般にメジャーSQの週は、先物やオプションの取引主体がSQ直前の限られた時間で取引判断を迫られるため、清算価格を巡る思惑的な売買が膨らみやすく、株価は乱高下しやすくなる。
SQ前のオプションのデルタヘッジなどにより、日経平均は4万円を挟んで上下に振れる展開も
そこで、日経225オプションに目を向けると、3月物コールオプションは3月1日時点で行使価格4万円の建玉(たてぎょく、未決済残高のこと)が、大きく積み上がっていることがわかる(図表1)。
そのため、例えば日経平均が4万円を超えて上昇すると、行使価格4万円のコールオプションの売り手には損失が発生することから、売り手は別途、日経225先物を買って、「デルタヘッジ」を行なうことがある。
先物に買いが膨らみ、先物が現物に対し一時的に割高になると、裁定業者(主に証券会社)による「裁定売り取引の解消」や「裁定買い取引」(いずれも先物を売って同時に現物を買う取引)で、現物である日経平均の上昇が加速する場合がある。
一方、日経平均が40,000円を割り込むと、これらとは逆方向の売買が発生し、日経平均の下落が加速することも起こり得る。
■ただSQ前の変動は一時的で、SQ後に上昇一服となっても年内展望なら4万円は通過点か
しかしながら、メジャーSQを前にした株価の変動は、基本的にはポジション調整に伴う一時的なもの。また、SQは、日経平均株価の「戻り高値」や「押し安値」となる傾向がある。
実際に、直近2年の日経平均株価の推移とメジャーSQの値をみると、2022年は3月が押し安値、6月、9月、12月が戻り高値となり、2023年も6月と9月は戻り高値となった(図表2)。
ただ、2023年3月と12月は戻り高値とはならず、その後の日経平均は大きく上昇している。
今回、3月8日に算出されるメジャーSQが戻り高値となるか否か、SQ後の株価動向が注目されるが、仮に戻り高値となっても、上昇ペースが一服する程度で、株高基調が損なわれる恐れは小さく、年内を展望すれば、日経平均の4万円は通過点となる可能性が高いと考えている。
出典/三井住友DSアセットマネジメント
https://www.smd-am.co.jp/
構成/清水眞希
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