借金問題の相談・対応を得意とする弁護士・司法書士・法律事務所を検索できるポータルサイト、「ベンナビ債務整理」を運営するアシロは、同サイトにて20〜69歳の男女3000人を対象とした借金に関するアンケート調査を実施。結果をグラフにまとめて発表した。
4人に1人が借金経験を持ち、6割以上は20代までに借金をした
始めに20〜69歳の男女3000人を対象に、借金をしたことがあるかどうかを聞いたところ、26.0%にあたる780人が借金をしたことがあると回答した。
これを男女別で見ると、女性が251人に対して男性は529人となっており、女性と比較して男性の方が借金をしやすい傾向にあることがわかる。
また、借金をしたことがある780人に対して「はじめて借金をしたのは何歳のときですか?」と質問したところ、「20歳未満」「20歳〜25歳」「26歳〜30歳」と、回答者の割合は合計で65.0%となり、半数以上が20代までに借金をしていたことが判明した。
特に「20歳〜25歳」と回答した方は全体の36.0%と最多であり、給与が少なかったり、生活のため車を購入すべく自動車ローンを組んだりと、必要に迫られて借金をしたケースが考えられる。
■借金の理由1位は「生活費の補填」、半数が貸金業者を利用
※複数選択形式のため回答合計件数が対象者数を超える場合があります。
借金をしたことがある780人に対して「お金を借りた主な理由はなんですか?」と質問したところ、280人が「生活費の補填のため」と回答して、理由の1位となった。
次いで「住宅の購入費のため」が193人、「車の購入費のため」が180人と続き、いずれも必要に迫られた借金であることがわかる。
他方、「ショッピングのため」、「ギャンブルのため」、「その他娯楽費のため」が続き、遊興費としてお金を借りる人も一定数いた。
また「どこからお金を借りましたか?」と質問したところ、「カードローン・消費者金融」が321人、「クレジットカードのキャッシング」が181人となり、回答件数1091件中の46.0%が貸金業者を利用して借金をしていた。
これらの業者は、スマートフォンや専用ATMで、手軽かつ短時間で手続きが可能なため、生活費を補填するための利便性は高い反面、利用状況を細かく確認し、返済計画を立てないと多重債務に陥ってしまう可能性がある。
債務整理の認知度は65.4%、その多くが「任意整理」を検討
借金問題の悩みを解決できるかもしれない「債務整理」手続きについて、知っているかどうかを調査したところ、「自身が債務整理をしたことがある」、「債務整理をしたことはないが、知っているもしくは検討している」と回答した人の合計は65.4%であり、34.6%は制度自体を知らないことがわかった。
また「自身が債務整理をしたことがある」、「債務整理をしたことはないが、知っているもしくは検討している」と回答した人に、債務整理の中でもどの制度を使用したか、またはどの制度の使用を検討しているか質問したところ、66.3%の方が「任意整理」と回答。
各制度にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、自身にとってどの制度が適切かは、弁護士や司法書士といった専門家への相談を検討すべきだろう。
■86.4%が「債務整理をしてよかった」
実際に債務整理をした方に「債務整理をしてよかったですか?」と質問したところ、大多数である86.4%が「よかった」と回答。満足していることがわかる。
以下、債務整理をしてよかった点と、よくなかった点を紹介する。
債務整理をしてよかった点
・メンタルに余裕ができた。(35歳・男性)
・毎月の返済を考えながらの生活をしなくて済むようになった。過払い金が多かったので借金が無くなった。(49歳・女性)
・利子分を示談していただき、総返済額が減った。全ての借金がどれだけ残っているか把握できた。(37歳・男性)
・返すめどがついたこと。月々の支払いが少なくなった。(49歳・女性)
・督促から解放されて、気持ちが楽になった。(57歳・女性)
債務整理をしてよくなかった点
・クレジットカード作成ができない。(51歳・男性)
・手数料が思っていたよりかかってしまった。(20歳・男性)
・費用が掛かり過ぎる。(44歳・男性)
・手間と時間がかかる。(36歳・女性)
・信用履歴への影響や将来の借り入れへの制限がある。(27歳・男性)
調査結果まとめ
借金問題で苦しまないためには、自身の経済状況や返済能力から、無理のない範囲でお金を借りることが重要であり、場合によってはお金の使い方や生活習慣を見直してみることも有効だ。
今回の調査では、半数以上の方が20代以下の若いうちに借金をしており、必ずしも返済が順調というわけではなく、実際に16.5%の方が債務整理をしていたことがわかった。
債務整理をすると数年間はクレジットカードの作成や住宅ローンの借り入れ、賃貸保証会社への加入などが難しくなるが、借金問題を解消して人生の再出発を図るための制度でもある。
返済が滞ることがある場合や、借入金額が返済能力を越えて、返済の見込みが立たない場合は、悩みを1人で抱え込まず、公的機関の窓口や弁護士といった専門家への相談を検討すべきかもしれない。
調査概要
調査対象/20〜69歳の3000人
調査方法/Freeasyを用いたインターネットリサーチ
調査日/22024年2月14日(水)〜2024年2月15日(木)
関連情報
https://saimuseiri-pro.com/columns/survey/462/
構成/清水眞希