セックスレスを解消したい理由は男女とも「夫婦の絆を深めたいから」が最多
調査対象のレス当事者635人のうち、男性の57.2%、女性の32.4%が「夫婦間レスを解消したい」と思っていることが判明。では、これらの人々はなぜ解消したいと思っているのか、その理由を尋ねたところ、理由については男女間で大きな違いはなく、
「夫婦の絆を深めたいから」(男性:56.8%、女性48.0%)
「夫婦はセックスするのが自然だから」(男性:42.6%、女性:31.4%)
「以前のように仲良くなりたいから」(男性:31.2%、女性:34.3%)
などが主要な理由であった。ただし、「性欲を解消したいから」という理由については男女で多少の齟齬がみられる。
年代別にみても大きな違いはなかったが、また40代に大きな男女間の意識の相違があった。全体でも多少の違いがみられた「夫婦はセックスするのが自然だから」という理由についてだ。
40代では男女で40ポイントもの差がついている。男性は半数以上が「夫婦はセックスするのが自然」と考えているのに対し、女性は14%しか回答していない。
男性が「夫婦なんだからセックスすべき」と思っていても女性はそう思っていない現状を示している。男性が不満を募らせる状況もあるだろう。やはり、30代までがレス解消のターニングポイントになりそうだ。
「以前のように仲良くなりたいから」にも大きな男女差が見られる点も、男女間の認識の相違や夫婦関係の冷却化が想像される。
レス当事者に聞いた「性欲の有無」と「性欲解消法」
第3報では、1年以上セックスなしが64.1%、5年以上が37.0%にも上っており夫婦のセックスレスは長期にわたることが判明している。そこで疑問に思うのはセックスレス当事者の性欲だ。
セックスレス当事者はどの程度、性欲を感じているのだろうか。男女それぞれに尋ねたところ男女で明らかな差がみられた。
第4報の通り「セックスレスの最大の原因は女性の性欲減退」になるが、この結果でも裏付けられた。
男性の約85%は「性欲がある」と回答しているのに対し、女性は約44%にとどまる。濃いピンク色の部分を比較すれば、男女の熱量の違いも明らかだ。
一方、男性は50代を含むにもかかわらず約85%が「ある」「少しある」と回答し、しかも約57%が明快に「ある」と回答している。
男性の性欲は強いことがうかがえるが、どう解消しているのか気になるところ。そこで性欲の解消に進む前に、性欲の有無の回答結果について男女別・年代別に比較した。
男性は20代も50代も「性欲あり」の割合がほとんど変わっていなかった(20代:87.6%→50代:81.3%)。また、濃いピンクの部分の割合にも大きな差はない。
一方、女性は40代を超えると大きく性欲が一気に減退し、40代・50代にほぼ変化がないことも特徴の一つ。このような男女間の相違をみると、性欲に関する限り「夫婦がセックスレスになるのは当然の結果」といえるかもしれない。
レス男性の約85%、レス女性の約44%に「性欲がある」ことが判明した。では、彼ら彼女らはその性欲をどのように解消しているのだろうか。
レス男性の性欲解消法は、自慰行為・セルフプレジャー※が約8割で最多という結果に。セックスレス当事者の男性は「家の外」での活動も少ないようだ。
※セルフプレジャーとは「自分を愉しませる行為」で、自慰と同じ意味
「婚外恋愛に関する実態調査(第7報)」によると、婚外恋愛の経験者に夫婦間のセックスレスは少なく、配偶者とそれなりの頻度でセックスしている様子が見て取れた。
そのことから、セックスレス当事者の男性は異性を求める活動が不活発な傾向にある、逆にいえば異性関係が不活発な男性がセックスレスになりやすいといえるかもしれない。
女性の場合、自慰行為・セルフプレジャーは4割強という結果に。女性のセルフプレジャー・ブームが反映されているかもしれない。
ただし男性に比べればまだ割合は少なく、「他の事で発散している」との回答が5割弱で最多となっていた。運動や仕事、趣味、あるいは推し活動などで代償しているということだろうか。
同じく「婚外恋愛に関する実態調査(第7報)」によると、既婚女性のうち婚外恋愛経験者の割合は16.1%。
レス男性と同様にレス女性も、既婚者全体と比較して婚外恋愛・不倫・浮気に進む割合は少ない傾向が見て取れる。
もともと男女関係や性に消極的なタイプの女性が多いのかもしれない。レスによって女性としての自信や意識を失ってしまっているという理由も考えられる。
レス男性は50代になっても7割以上が自慰行為・セルフプレジャーで性欲を発散しているとの結果に。先ほどの「性欲あり」の割合と同様、20代と50代に大きな差はなかった。
男性は年齢にかかわらず性欲があり、自慰行為・セルフプレジャーが最大の解消法になっている実態が判明した。
一方、女性は「自慰行為・セルフプレジャー」が5割を超えるのは20代女性のみで、30代と50代は「他の事で発散」が最多の回答に。
興味深いのは40代でもう一度、「自慰行為・セルフプレジャー」が最多の回答になるところ。また、30代で婚外恋愛・不倫・浮気がやや上昇する点も興味深い。
調査概要
調査タイトル:夫婦のセックスレスに関する実態調査 第5報
調査期間:2023年10月30日~12月18日
調査対象者:20~59歳の既婚男女635人(男性320人、女性315人)
※第1報の回答者4,000人のうち「完全レス」と回答した人の中から無作為に635人を抽出。
調査方法:インターネット(セルフ型アンケートツールFreeasyを利用)
エリア:全国
調査機関:レゾンデートル株式会社
本報告の発表日:2024年2月24日
関連情報
https://healmate.jp/survey/
構成/Ara