1日か2日で集中的に運動をしても減量効果は習慣的な運動と同じ
運動に関するガイドラインでは、中強度の運動を週に150分以上、または高強度の運動を週に75分以上行うことが推奨されている。この運動量を、1日か2日で集中的に行う「週末戦士」でも、得られる減量効果は習慣的な運動の積み重ねでこの基準を満たしている人と同程度であることが新たな研究で明らかになった。Fuwai病院(中国)National Clinical Research Center for Cardiovascular Diseases(国立循環器病研究センター)のLihua Zhang氏らによる研究で、詳細は「Obesity」に2月20日掲載された。
この研究では、米国全国健康栄養調査(NHANES)に2011年から2018年まで参加した20〜59歳の成人9,629人(平均年齢39.0歳、男性51.6%)のデータを用いて、運動パターンと腹部および全身の脂肪蓄積との関連が検討された。運動パターンは質問票への回答に基づき、運動量が週に150分未満の「非活動的運動パターン」、週に150分以上の運動を1回か2回で行う「週末戦士型運動パターン」、週に150分以上の運動を2回以上行う「習慣的運動パターン」の3群に分類された。脂肪の蓄積量は、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA法)と身体測定により評価した。
対象者のうち、772人(8.2%)が「週末戦士型運動パターン」、3,277人(36.9%)が「習慣的運動パターン」、5,580人(54.9%)が「非活動的運動パターン」に分類された。結果に影響を及ぼし得る因子を調整して解析した結果、非活動的運動パターン群に比べて、週末戦士型運動パターン群と習慣的運動パターン群は、DXA法で測定した脂肪蓄積量、腹囲、全脂肪量について、減少率が類似していることが明らかになった。
こうした結果を受けて研究グループは、「これは、日常生活に運動を取り入れるのが難しい人にとって朗報となる結果だ」と話す。また、Zhang氏は、「週末戦士の運動パターンは、ガイドラインで推奨されている運動頻度を満たすのが難しい人に推奨する価値があるだろう」との見方を示す。
さらに同氏は、会社員やバスの運転手など、1日の大半を座って過ごさなければならない人は、このような運動アプローチが有益だと指摘する。そして、「われわれの研究結果は、このような人に健康維持のための別の選択肢を提供する可能性がある」と話している。
この研究には関与していない、米ワイル・コーネル・メディスン包括的体重コントロールセンターのBeverly Tchang氏は、「より広い視点でとらえると、この研究結果は、『どんな活動でも、しないよりはする方が良い』という、身体活動と健康に関して昔から言われていることを再確認するものだ」と述べている。
Tchang氏は、「特筆すべきは、週末戦士のワークアウトは強度が高く持続時間が長いことだ。運動強度が高く、運動時間が長いほど、腹部脂肪の減り方も大きい。ただし、この研究から学び取ってほしいのは、人は自分のライフスタイルに合った方法で運動すればそれで良いということだ」と話している。(HealthDay News 2024年2月20日)
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Abstract/Full Text
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/oby.23986
構成/DIME編集部