「美容男子」という言葉が使われ始めて数年たち、美容に関心の高い男性もさまざまな方向へ進化している。
前回はインナービューティに力を入れている小野さんに話を聞いたが、今回はメイクアップに力を入れているてっぺいさんにリアルな美容ライフについて話を聞いていく。
母親のファンデーションを内緒で使ったのが初メイク
てっぺいさん/22歳 カフェ店員・インフルエンサー Instagram @tetsupei3311
現在22歳のてっぺいさんが美容に興味を持ったのは、中学1年生のころ。肌荒れをしているのが嫌だったが、約9年前になる当時はメンズコスメがまだなく、お母さんのファンデーションをこっそり借りたのが初めだったそうだ。
中学生のときはわからないなりにやっていたが、高校生になると、Instagramなどや韓国人男性のYouTubeなどを見て、自分の肌に合うものを調べて使っていた。
ほかにもアイブロウやアイシャドウを使い、校則でメイクが禁止だったのもあり、気づかれないようにナチュラルメイクをするのが楽しかったという。
とはいえそれでも5~6年前当時は、周囲にはメイクをしている男子生徒はおそらくいなかったという。「女子にはメイクしているのがバレていたけど、男子からはその点ではちょっと浮いていたかも」とてっぺいさんは振り返った。
中学卒業時のてっぺいさん
高校を卒業してから、小野さんのように韓国やメイク好きな友達と繋がることができ、もっと自由にメイクを楽しめるようになったそうだ。
メイクに時間がかかるのも好きだから苦ではない
現在、てっぺいさんが力を入れている美容はメイクアップだ。スキンケアももちろん一通り行っているが、あくまでもメイクの仕上がりを良くするためのスキンケア。
「化粧水つけて、乳液つけて…と普通の肌管理ですね」とてっぺいさんはいう。
肌管理とは、肌のコンディションを保つことをいい、韓国カルチャーから来た「〇〇管理」という言葉は、さまざまなジャンルで使われている。例えばアイドルが表情の細部まで気を使って演じているのを「表情管理ができている」と言ったりする。
てっぺいさんがメイクアップにかける時間は40分程度。いわゆるメンズコスメも、レディースコスメにもこだわらず、新しいメイクや自分のその時期の肌の状態に合うものをかなり探すという。
「韓国人男性のような、卵みたいなツヤ肌に仕上げたいのですが、メンズコスメだと、肌はマット仕上げが多い」とてっぺいさん。
小野さんも「日本人の肌質的にもテカリ肌を改善するためのマット仕上げっていうのが主力なので、それを考えるとメンズの製品では難しい」と続ける。
ファンデーションを塗ってから一度時間を置いて馴染ませるなど、てっぺいさんはメイクの手間を惜しまない。
時間がかかることも「メイクが好きなので、全く苦ではない」とてっぺいさんは言う。
筆者は女性だが、帰宅をしてメイクを落とすのが面倒になることがよくある。そういうことはないですか?と聞いてみると、「落とすのは面倒くさいけど、落とさなかったときのダメージから逆算すると、面倒くさいとか言ってる場合じゃない」とふたり。
ごもっとも。この無駄のなさはZ世代に学ばねばと反省した。