古墳界の「…じゃないほうだけど愛され古墳」ってどんなカタチ？

2024.03.03

『日本最大』の丸墓山古墳に悲劇が襲う！！

実は2017年に行われた上空からのレーザー測量調査の結果、奈良県奈良市の富雄丸山古墳が直径109mであると報道発表されてしまったのです。その差なんと4m！！

この報道がなされたとき、ぼくたち古墳マニアは丸墓山古墳のことがとても心配で夜は8時間ぐらいしか眠れませんでした。

風の噂によると現地の皆さんの落胆は計り知れず、それでも『日本最大の文字の後ろに『級』を付けようとか、「登れる円墳では日本最大です」と言ってみるなど工夫を余儀なくされているということでした。

ちなみにこの『日本最大』という言葉、実は遺跡においては国内で調査された古墳についての数字が根拠でしかなく、もしかしたら今後他の地域の古墳の調査でもっと大きな数値が出るかもしれないし、古墳の形状や大きさは1500年以上の長い時間の中で崩れたり削られたりといった変化やまだ見つかっていない古墳もあるかもしれない。

だから、これからは日本最大という表現はちょっとぼかしつつ、丸墓山古墳には『関東最大級の登れる円墳』としてずっと頑張ってほしいし、奈良の富雄丸山古墳に至っては、その大きさ以上に発掘調査で見つかった副葬品が国宝級で大注目なので今後の調査結果を見守りたい。

富雄丸山古墳（奈良県奈良市）

地域の小さな愛され円墳たち

先ほどの丸墓山古墳や富雄丸山古墳のようなスケールの大きな円墳とはまた違う、道の片隅にそっと佇む小さな古墳や田んぼの真ん中にポコっと顔を出す古墳、形が崩れても健気に生き残る古墳、山奥や森の中のあちこちでほったらかしにされている野良古墳などフィーチャーしたい円墳はまだまだたくさんありますが、それはまだ別の回でたっぷりと。

最後に全国各地の数ある円墳の中でも「これはずるい！！」と思わず唸る、誠にけしからん愛され円墳の3兄弟をご紹介します。一番左の3号墳だけはちょっと円墳かどうかアヤシイところもありますが、こういう配置で復元するとはバカモン！！（大好きです、もっとお願いします）

峠古墳群（岡山県総社市）

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文／古墳王子
愛知県在住の現役高校生。小学4年生で古墳の魅力に目覚め、西は鹿児島から東は宮城まで延べ2700基以上の古墳を巡りSNSで情報発信中。古墳だけでなく縄文や弥生時代にも目を向け日々各地の博物館に出没し先史古代の珍しい逸品を探しています。
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