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女性は男性より運動による健康上のメリットが大きい可能性、シダーズ・サイナイ医療センター研究報告

2024.03.02

女性は男性よりも運動によるメリットが大きい

同じくらいの運動を続けている男性と女性を比べた場合に、女性の方がより大きな健康上のメリットを得られていることを示唆するデータが報告された。

米シダーズ・サイナイ医療センター、シュミット心臓研究所のSusan Cheng氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of the American College of Cardiology(JACC)」に2024年2月19日掲載された。

同氏は、「一般的に女性は男性よりも運動量が少ない傾向がある」とした上で、「われわれの研究結果が全ての人、特に女性に対して、運動をより積極的に行うきっかけとなることを願っている」と語っている。

この研究の解析対象は、余暇時間の運動量に関するデータのある米国成人41万2,413人(平均年齢44±17歳、女性55%)。

1997年から2019年にわたる491万1,178人年の追跡で、心血管死1万1,670件を含む全死亡(あらゆる原因による死亡)3万9,935件が発生していた。

年齢、人種/民族、BMI、飲酒・喫煙習慣、高血圧・糖尿病などの慢性疾患、教育歴、収入、婚姻状況、主観的健康観などの影響を調整後、男性・女性いずれも有酸素運動の時間が長いほど死亡リスクは低いという関連が認められた。

ただし、中~高強度運動(MVPA)についてはその時間が週に5時間程度になると、死亡リスク低下のメリットが頭打ちになっていた。

そして、習慣的に運動を行っている場合の全死亡リスクの低下は、男性が15%であるのに対して女性は24%だった。

また、週に110分の高強度運動(VPA)により、男性では全死亡リスクが19%、女性では24%低下していた。

筋力トレーニングと死亡リスクとの関連についても同様の性差が見られ、全死亡リスク低下幅は男性11%、女性19%であり、心血管死リスクの低下幅は同順に11%、30%だった。

女性は男性より少ない運動量で、男性と同等の健康上のメリットを得られることも分かった。例えば男性は、MVPAを週に5時間行うと全死亡リスクが18%低下していたが、女性は週に140分で同程度の全死亡リスク低下が認められた。

VPAに関しても、男性は110分で19%の全死亡リスク低下だが、女性は57分で19%低下していた。

このような性差が生じる理由として研究者らは、男女の解剖学的な違いなどが関与している可能性を指摘している。

一例を挙げると、男性は女性よりも心臓や肺が大きく、除脂肪体重は重くて、速筋線維の割合が多いため、同じ動作を行った場合の体への負荷が異なる。

この違いによって、同程度の運動強度でも、女性は運動中により多くの努力を要していると考えられるという。

なお、本研究では、推奨されている運動量(週にMVPAを150~300分、またはVPAを75~150分)を満たしている人が、男性では43%であり、女性では33%に過ぎないことも明らかになった。

本研究のための資金の一部を助成した米国立心肺血液研究所(NHLBI)のEric Shiroma氏はNHLBI発のリリースの中で、「年齢や健康状態などによって、目標とすべき運動量は異なると考えられる。しかし、どのような運動であってもメリットがないということはない」と述べ、運動の実施を呼びかけている。(HealthDay News 2024年2月19日)

Copyright © 2024 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jacc.2023.12.019

Press Release
https://www.nhlbi.nih.gov/news/2024/women-may-realize-health-benefits-regular-exercise-more-men

構成/DIME編集部

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