大型商業施設やショッピングセンターの開業が相次いでオープンしている。コロナ禍で打撃を受けた商業施設も多い中、開業する施設はどのような特徴があるのか。コロナ禍以降にオープンしたショッピングセンターとその特徴を紹介する。
ショッピングセンターの定義とは
ショッピングセンターとは、一般社団法人日本ショッピングセンター協会によると、ひとつの単位として計画、開発、所有、管理運営される商業・サービス施設の集合体で、駐車場を備えるものと定義されている。
立地や、規模、構成に応じて、選択の多様性、快適性、娯楽性などを提供するなど、生活者のニーズに応えるコミュニティ施設として、都市の一翼を担うということだ。この定義のもとに、今回は、新たに開業したショッピングセンターをセレクトした。
AIアバター活用で早朝や深夜も接客!「羽田エアポートガーデン」
「羽田エアポートガーデン」のAIを活用したサイネージ。
「羽田エアポートガーデン」は、羽田空港の24時間国際拠点空港化に伴い、多様なニーズに対応するため2023年1月31日に全面開業した。1717室のエアポートホテルを核に、イベントホールや会議室、富士山や飛行機を望む展望温泉などを備え、海外からの観光客を見据えた施設だ。地方都市や観光地などへ向かう大型のバスターミナルも完備している。
日本文化を感じられる名産品や旅行グッズを扱う店舗など、海外からの観光客のみならず、国内旅行客の利便性もアップしている。
空港ならではの最新サービスが、AIを活用した「アバター接客さくらさん」だ。国際線の飛行場直結ということから、多くの外国人観光客が訪れる。日中は、施設内のインフォメーションカウンターで外国語が話せるスタッフが対応しているが、実際に外国人観光客が到着するのは早朝や夜間が多く、十分な案内ができていなかったという。
日本語・英語・中国語・韓国語の4か国語に対応し、国内旅行する日本人観光客も対象になる。羽田エアポートガーデン内でも買い物や食事も楽しめるが、東京の見どころなど、確認してから観光に向かうときに活用できる。
・羽田エアポートガーデン
https://www.shopping-sumitomo-rd.com/haneda/shopping
規格外品やデッドストックで新たな買い物体験を提供「KISARAZU CONCEPT STORE」
ファッションの新たなサイクルを生み出す「KISARAZU CONCEPT STORE」
ファッションを楽しむテーマパークであり、新たな服のサイクルを生み出す実験場でもあるという新感覚の施設が、2023年6月に開設された「KISARAZU CONCEPT STORE」だ。カジュアルウエアやスポーツ、アウトドア、シューズなど様々なジャンルのアイテムが約3千平米の空間に並べられている。
実験場というのは、これまでの流通では消費者に届けられなかった規格外品やデッドストック品などのアイテムに光を当て、新たな買い物体験の提案を行うというところだ。
環境負荷に配慮した新素材やアップサイクル商品、新たなモノづくりの技術紹介など、ファッション業界の未来を考えながら新たなサイクルを生み出す場だ。入場料300円(中学生以下無料)と設定し、社会課題を解決するための取り組みを行っている企業・団体を応援するため、入場料および商品の売上代金の一部を企業や団体に協賛している。
ほかでは見つけることができなかったお気に入りのアイテムに出会え、サーキュラーエコノミーの循環の一員になることができる施設だ。
・KISARAZU CONCEPT STORE
https://kisarazu-concept-store.com/
豊洲ならではの食やくつろぎ時間が楽しめる「豊洲千客万来」
江戸の街並みをイメージした「豊洲千客万来」
2015年から構想をスタートさせたという「千客万来」が、豊洲市場場外に2024年2月1日に開業した。築地市場特有のにぎわいを継承・発展させるとともに豊洲市場ならではの活気やにぎわいを生み出すことを目的としている。
「千客万来」という名前は、多数の客が入れ代わり立ち代わり来て、絶え間がないという意味で、そのような施設になることを願い命名されている。
施設内の出店テナントでは、豊洲市場ならではの新鮮ローカルフードが食べられるだけでなく、日本全国から集まる本格・本物の食にこだわった誰もが楽しめる食体験ができるという。
さらに、絶景展望の温泉や東京湾パノラマ夜景を臨める足湯などもあり、食事のあとものんびりと過ごすことができる。オープン後すぐの週末は、まさに千客万来の賑わいを見せていた。江戸の街並みをイメージした施設で、1日中楽しむことができる。
・豊洲千客万来
https://www.toyosu-senkyakubanrai.jp/