日経平均がバブル時の最高値を更新した。株価はまだまだ上がる余地はあるが、万一の金融不安に備えて、金を資産の一部入れるのはいかがだろうか。
安全資産といわれる金
金は、実物資産であるゆえそれ自体に価値があり、株券のように価値がゼロになることはない。また、現在採掘済みの金は約18万トンでプール約4杯分しかなく、地球にまだ採掘されていない金は約5万トンすなわちプール約1杯分で、さらにその大部分は採掘が難しく、限りある資源となっている。
また、金は『安全資産』『有事の金』といわれている。金は、昔から貨幣として使われており、金本位制が採られていたときは、金と交換できる範囲内でのみ貨幣の発行が許され、ただの紙の紙幣の価値を裏付けるものであった。金本位制が廃止された今でも、国が外貨準備としてドルとともに金を保有している。最近では、中国が金を大規模購入している。これは、外貨準備が基軸通貨であるドル、または金で行うことがほとんどだが、中国が米国との対立を深めている現状では、ドル保有を減らし外貨準備を金で行う動きを加速させているからだ。
(参考)GC1 Commodity Quote – CMX 金先物 – Bloomberg Markets
最近の金は、高値圏で推移しているが一段と価格が上がる動きは見せていない。
これは主に、現在の米国金利が高いからだと思われる。金には預金のように金利がつかない。一方、貨幣のドルは預金に置いておくだけで利息が付き、今のような米国金利が高いなかでは、米ドルの方が選好される。逆に米国金利が下がれば、金利が付かなくても金との金利差がなくなり魅力に遜色なくなるため、金が選好される。
金価格に影響を与える要因は主に以下のようなものがある。
金が『安全資産』『有事の金』といわれているように、地政学リスクの高まりや金融不安等が起きると大きく価格が上がる可能性が高い。
最近のような株価が堅調に推移しているなかでは大きく値上がりすることはないが、今後金融不安が起きる可能性や米国が不景気になり金利が下がるのではないかと考えている場合、資産の一部に金を入れておくのはおすすめだ。