ITジャーナリスト富永彩乃と、携帯電話研究家の山根康宏”博士”がモバイルの最新製品をショート動画で解説
今回はサムスンが海外で販売中のフラッグシップスマートフォン「Galaxy S24 Ultra」を紹介する。今までのスマートフォンでは簡単に出来なかった機能をAIが楽々処理する「AIスマホ」と呼ばれる製品だ。
Galaxy S24 Ultraの搭載するチップセットは業界最高性能であるクアルコムのSnapdragon 8 Gen 3。スマートフォンの心臓として高速なCPUやGPUを内蔵しているほか、AI処理を行うNPUの性能も大幅に向上している。このハイスペックなチップセットのおかげでGalaxy S24 Ultraは様々な処理にAIを活用している。中でも通訳機能はAI応用のハイライトだ。外国語の通訳アプリは多く出回っているが、Galaxy S24 Ultraは本体に通訳機能を内蔵している。
しかもスマートフォンの電波が切れていても高度な通訳が可能なのだ。日本語を含む17か国に対応しているので海外旅行に使えるのはもちろん、日本で増えている外国人観光客が困っていたらGalaxy S24 Ultraの通訳機能で助けてあげることもできそうだ。通訳機能は他にも電話で通話中の音声を希望の言語に変換することも可能で、お互いの言語で会話もできる。
AIスマホの日本上陸はいつ?
ビジネスや大学のレポート作成などで便利な文書の要約機能もAI機能をフルに活用している。長い文章の中から重要な部分やキーとなる内容を要約してくれるので、数ページあるレポートや記事も楽に読める。さらに見出しを付けるなど文章の整形や、英語の文章を要約後に日本語翻訳することも可能だ。さらに国際会議など外国人が混ざった会話を録音しておき、あとから話者ごとに段落を分けてテキスト化、そして翻訳もできる。これらの機能はアプリを追加することなく、Galaxy S24 Ultra単体で完結できるのだ。
写真加工も生成AI機能で高度な処理ができる。写真に写り込んでしまった看板など不要なものを消去すると、消した背景の部分を自動的に自然なパターンで塗りつぶしてくれる。猫の写真を写したけど場所を移動したいとかサイズを変えたい時も、生成AIによる画像編集処理で自然な切り抜きや移動ができる。
さらにはグーグル検索もAIで使いやすくなった。SNSのタイムラインの写真を見ながら気になったものがあったり、動画を視聴中に欲しいものが写っていた、あるいはニュースを呼んでいて気になった単語があったときは、指先かGalaxy S24 Ultra内蔵のペンを使ってその部分を丸く囲む。するとその囲んだ部分に対して検索が行われるのだ。画面のスクリーンショットを撮ったり、文字列を指先で選択しなくてもよい。「気になったら囲う」がこれからの時代の新しい検索方法になる。
Galaxy S24 Ultraは2024年1月末から海外で販売中だ。日本での販売はまだ未定だが、前モデルが2023年4月に発売になったことから、同じスケジュールで2024年4月に上陸すると予想されている。日常的にAIが使えるようになると、スマートフォンの利用シーンもさらに広がるだろう。AIスマホの日本上陸を楽しみに待ちたいものだ。
ITジャーナリスト富永彩乃 WEBサイト http://ayanotominaga.com
携帯電話研究家山根康宏WEBサイト http://www.hkyamane.com