MediaTekは、2024年2月26日から29日までスペイン・バルセロナで開催中の世界最大級のモバイル技術展示会「MWC Barcelona 2024」に出展。
「MWC Barcelona 2024」のサイトより。https://www.mwcbarcelona.com
NTN、5G RedCap、5G CPEなど次世代製品のハイライトに加え、Dimensity Autoにおける協業、リアルタイム生成AIビデオ拡散とプレ6Gアンビエントコンピューティングの最新事例を紹介する複数の技術デモを行なった。
以下、同社リリースより、その概要をお伝えする。
今回の展示について同社プレジデントの Joe Chen氏は次のように述べている。
「MWCは、エッジにおける生成AI、衛星ブロードバンド、5G RedCap、CPEなどの最新開発を紹介することで、当社の発展をご紹介する絶好の機会となります。また、アンビエントコンピューティングのような新たなカテゴリーにおける革新的な発明を活用することで、6G時代への基礎を築いていきます」
MediaTek第7世代AIプロセッサによるリアルタイム生成AIビデオ拡散
MWC 2024でMediaTekは、フラッグシップ5GモバイルプロセッサであるDimensity 9300を全面的に採用した初のオンデバイス生成AIビデオ拡散を展示。
この主要スマートフォンチップは、安全でパーソナライズされたAIを搭載した世界初のハードウェアベースの生成AIエンジンを内蔵しており、帯域幅の削減、LoRAフュージョンが可能で、MediaTekの前世代AIプロセッサと比較して8倍高速な生成AIパフォーマンスを実現する。
■自動車産業との協業の拡大
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Dimensity Autoは、OpenSynergy Hypervisor技術を駆使した自動車内の仮想化オペレーティングシステムを通じて、安全性を最優先した機能を推し進めている。
さらに、MediaTekとACCESS Twine4Carの統合による、よりリッチなマルチスクリーンエンターテインメントとインタラクティブサービスを展開。
これらの統合の中心となるDimensity Autoのスマートコックピットおよびインフォテインメントプラットフォームは、複数のオペレーティングシステム、ワイヤレス接続フィード、および同時ビデオ再生、さらには高度な3Dグラフィックスと生成AIを扱う非常に高性能な処理をドライバーと同乗者に提供する。
世界初の5G IoTおよびウェアラブル向けRedCap RFSoCプラットフォーム
今回発表されるMediaTek T300プラットフォームにより、IoT設計者は、ウェアラブル、軽量ARデバイス、常時接続IoTモジュールなど、超効率的な接続性と長時間のバッテリー寿命を必要とするアプリケーションにおいて、5G-NRへの移行を行ないやすくなる。
MWC2024でMediaTekは、ARおよびIIoTアプリケーション向けに一貫した低遅延(URLLC)を実現し、重要なトラフィックフローに正確なスケジューリング粒度でサービスを提供することで、旧世代の接続性と比較して伝送遅延を大幅にかつ確実に削減できることを実証した。
低消費電力に関するデモでは、Keysight UXM5Gワイヤレステストプラットフォームを使用して、MediaTekの新しいRedCap RFSoCの性能と機能を紹介している。
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■パフォーマンスとユーザーエクスペリエンスを強化する独創的な新しい5G CPEテクノロジー
MediaTek は、T830 プラットフォームを搭載した 5G CPE デバイス向けの最新機能として、5G NR 帯域の組み合わせに適用可能な 3つの伝送アンテナ(3TX)を使用したアップリンク性能の強化や、従来の設計と比較してネットワークの遅延を大幅に削減。
ユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させる低遅延、低損失、スケーラブルなスループット(L4S)などのデモを、Anritsu MT8000Aテストステーションと共同で行なう。
■世界初の5G先進衛星ブロードバンド、および、プレ6G NTNユーザーエクスペリエンスの基盤
2023年のMediaTek MT6825の成功を引き継ぎ、Rohde & Schwarzと協業して、SMW200Aベクトル信号発生器、R&S FSWシグナルスペクトラムアナライザ、ITRI の対応NR NTNテスト用gNBを使用。
車載端末やより広範なタイプの端末向けに高度なLEO(低軌道)衛星サポートをKuバンド上で行なうことにより、100Mbps以上のデータスループットを実現する次世代5G-Advanced NR-NTN衛星テストチップのライブデモを行い、引き続き衛星通信技術をリードしていく。
これを受けてLEO衛星のフライバイをリアルにエミュレートした世界初のプレ6G衛星ブロードバンドユーザーエクスペリエンスのデモも実施する。
■プライベートでシームレスな仮想パーソナルネットワークと統合アクセラレーションを提供する6Gアンビエントコンピューティング
MediaTek は、アンビエントコンピューティングとコネクティビティの統合を通じたパーソナルネットワークの未来の事例を紹介している。
家庭用IoTデバイスが増加する中、外出先からの管理は通常、サードパーティーのサーバーやサービスを通じて行なわれている。
一方、5Gデバイスと家庭用ルーターを利用するプライベートアンビエント(仮想)ネットワークは、ポート転送やセキュアトンネリングなどの複雑なセットアップの手間を省き、プライバシーの向上、より信頼性の高いカスタマイズ可能なサービス、迅速な対応など、簡素化されたエクスペリエンスをもたらす。
その結果、家庭でのIoT管理タスクが簡素化され、ネットワークストレージのストリーミングが可能になり、単一のデバイスから処理するか、あるいは複数のデバイスに同時に分散して処理するアグリゲーションコンピューティングのタスクが改善される。
構成/清水眞希