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生成AIを業務に活用したことがある営業担当者はどれくらいいる?

2024.03.01

多くの企業にとって必要不可欠な法人営業。顧客のニーズを把握した上で商材やサービスを販売し、自社に利益をもたらす彼・彼女らは、日々どのように仕事と向き合っているのだろうか?また、近年目覚ましい進化を遂げる「生成AI」を活用している営業担当者の割合とは。

CRM(顧客関係管理)プラットフォームを提供するHubSpot Japanはこのほど、第5回「日本の営業に関する意識・実態調査2024」を実施し、その結果を発表した。

HubSpotは2019年から「日本企業の売上を支える営業組織の現状と課題を明らかにし、日本の営業組織の次のステップを考察する」ことを目的に、法人営業に関する実態と意識の調査結果を発表している。

毎年の調査では「好ましい営業手法(対面かリモートか)」や「信頼の重要性」、「メンタルヘルスへの注目」等、様々な観点でその年なりの傾向が観測される結果となった。

2023年2月に発表した第4回調査(以下「前回調査」)から今回の調査にかけては、新型コロナウイルスの5類移行により行動制限がなくなったほか、今後のビジネス慣習や働き方に大きな変化をもたらす可能性がある生成AIが台頭した期間だ。

本調査は継続して日本の営業組織の状況を定点観測することや、2019年からの4年間で日本の営業組織に起きた変化を時系列データとして整理し、直近のトレンドおよび今後数年間の営業組織のあり方についての示唆を明らかにすることを目的として実施したものだ。

営業担当者が顧客とのやりとりに使っている時間は業務時間の54%

営業担当者に「1日の業務時間を100%とした場合に費やした時間の割合」を質問したところ、「顧客との商談、電話、メールなどコミュニケーション」や「顧客との商談の準備または終了後のフォローアップ」などの、顧客とのやりとりに使っている時間は業務時間の54%という結果になった。

同時に、「理想とする業務の時間配分(割合)」を尋ねたところ、社内報告業務や見積書作成などの業務を減らし、「1日にあと25分」顧客とのやりとりに使う時間を増やしたいと考えていることがわかった。

また営業に関する業務の中で「時間があったらやりたいこと・今よりも時間を割きたい業務」を選択式で集計したところ、1位「顧客との商談(35.3%)」、2位「商談後のフォローアップ(31.4%)」、3位「営業戦略の振り返り・戦略再検討(30%)」といった、顧客とのやり取りに関するものが上位となった。

理想とする営業スタイルについて、「訪問営業の方がリモート営業より好ましい」と答えた営業組織(売り手)は53.3%で2020年以来初めて微減傾向に

「訪問型営業とリモート営業のどちらが好ましいか」を売り手と買い手それぞれに尋ねる設問について、過去4回の調査結果と合わせて回答の変遷を辿ったところ、2020年以降初めての傾向が見られた。

売り手側は毎年、「訪問営業の方が好ましい」と考える人が最多だったが、今回の調査では前回の調査結果(58.3%)から5ポイント減の53.3%となり、設問方法を統一した2020年以降初めての微減という結果になった。

一方買い手側は、「どちらでもよい(状況に応じて柔軟に対応してほしい)」が過去最高水準(38.8%)となり、前回の調査と結果に大きな変化はなかった。

「訪問営業が好ましい」と回答した売り手側に選択した理由(複数回答可)を尋ねたところ、1位は「訪問することで商談の相手から信頼を得られると思うから」が61%となり、前々回調査(55.8%)、前回(57.8%)に続いて過去最高水準となった。「訪問型営業の方が成約率が高いと思うから」等を含む2位以降の理由と差が開いてきている傾向が見られ、顧客との信頼構築の重要性が増してきていると考えられる。

また買い手に対し「営業担当者に自社を訪問してほしいと考えるとき、その理由は?」と尋ねたところ、「営業担当者の顔を見ると安心感がある(44.1%)」「顔を見ずの商談には誠意を感じない(39.2%)」を理由として挙げた割合が前回調査に比べて増加した。

さらに「信頼」につながる売り手の行動を買い手に聞いたところ、1位は「営業担当者が自社の要望を的確に実行してくれる (54.4%)」という結果になった。

一方で「ビデオ会議や電話で説明を受けるには複雑すぎる商材だと感じる(26.6%)」と回答した割合は年々減少傾向にあり、買い手側としては営業活動を訪問ではなく、ビデオ会議という手法で受けることに慣れてきているということがうかがえる。

営業組織における意思決定では「データ重視派(44.5%)」と「感覚重視派(55.5%)」がほぼ半々

売り手に対して、自身が所属する営業組織が営業活動の進め方や評価、意思決定において「データ」と「人間の感覚」どちらを重視するか尋ねたところ、「データを重視する」が44.5%、「人間の感覚を重視する」が55.5%となり、データと人間の感覚でほぼ二分される結果となった。

また同じ設問について、従業員規模別の回答をまとめたところ、従業員規模が大きくなるほど「データを重視する」を選択する傾向が高くなることがわかった。

さらに、売り手に対して顧客管理の方法について尋ねたところ、顧客データや営業活動を記録できる「CRM(顧客関係管理)」ソフトウェアの導入率は全体では36.2%と前回調査時と同水準となった。

従業員規模別にみると、従業員数1,001名以上規模の営業組織では導入率が47.4%にのぼっており、「従業員規模が大きくなると意思決定でデータが重視される」という傾向には、CRMのようにデータを蓄積・管理するインフラを組織として保有しているかという点も影響していると考えられる。

CRM管理ツール別にみると「クラウド型のCRM」の導入率は毎年増加していることがわかり、今回調査では26.4%という結果になった。

一方で、「パソコンにインストールするタイプの表計算ソフト(Microsoft Excelなど)」も21%となり、引き続き根強い管理方法として認知されていることがわかった。

売り手に対して、自身が所属する営業組織で「データを活用するうえで困っていることとしてあてはまるもの」(複数選択可)を尋ねたところ、79%の回答者が「何らか困りごとがある」と回答し、具体的には「データ活用できる人材がいない・少ない」(28.6%)、「営業部署内のデータが適切に管理されていない」(28.1%)、「他部署とのデータ連携が進んでいない」(24.4%)などの課題が上位に挙がった。

生成AIを業務に活用したことがある営業担当者は21%。営業組織における生成AIの利活用が顧客との関係性向上の鍵になる可能性も

売り手である営業責任者・営業担当者に対し、生成AIの認知および営業活動における生成AIの活用有無について尋ねたところ、営業組織での認知率は78.8%。さらに業務に活用したことがある人は21.1%という結果になった。

回答者内訳としては、営業責任者が30.1%、営業担当者は12%と2倍以上の差があり、現場よりもマネジメント層での利用が進んでいることもわかった。

また生成AIの活用目的や活用理由(利用したことがない人は、活用する場面を想像して回答)を聞いたところ、1位は「業務効率を上げるため(50.1%)」、2位は「仕事の質を上げるため(34.4%)」となり、いわゆる「大量生産」的な生成AIの使い方ではなく「質」を重視している人も多い傾向が見られた。

また売り手・買い手の双方に、営業担当者がメールや資料の作成に生成AIを活用することに対する考えを尋ねたところ、売り手・買い手ともにもっとも多かった回答は「生成AIの積極的な活用には肯定できないが、部分的な活用には肯定的である」(売り手:36.4%、買い手:32%)という結果となった。

今回調査の段階ではその他の選択肢も含めて、売り手と買い手に大きな意識ギャップは見られないという結果になった。

営業組織での生成AIの活用に対して「売り手に良い影響をもたらす」と答えた売り手は52.4%

売り手と買い手に「営業活動の中で生成AIを活用することが、自分の立場(売り手または買い手)に良い影響をもたらすか悪い影響をもたらすか」を尋ねたところ、「売り手に良い影響をもたらす」と答えた売り手が52.4%だったのに対し、「買い手に良い影響をもたらす」と答えた買い手は33.4%に留まった。

また「売り手に悪い影響をもたらす」と答えた売り手は10.6%、「買い手に悪い影響をもたらす」と答えた買い手は14.8%という結果になった。

「生成AIの活用が売り手に良い影響をもたらす」と答えた売り手にそう考える理由を自由記述形式で尋ねテキスト分析したところ、回答には以下の傾向が見られた。

・人間の能力の限界を超えることができる
・生成AIが導き出す回答によって営業担当者が色々なことを考えるきっかけになる
・作業効率が上がり顧客とのコミュニケーションに時間を割ける
・定型的な業務から開放され提案の質が高まる

一方で「生成AIの活用が売り手に悪い影響をもたらす」と答えた売り手に対しても同様の分析をしたところ、回答には以下の傾向が見られた。

・営業が自ら考えることをしなくなる
・AIが作成したものが正しいかわからない。真偽を見分ける能力のない社員が増える
・人間対人間のやり取りが不可欠だと思うから
・各社の提案内容が似通ってしまう
・機械では信頼は得られない
・個人の能力が低下する
・企業情報漏洩のリスクがある

<『HubSpot年次調査:日本の営業に関する意識・実態調査2024』実施概要>
※本調査において「営業」は「法人営業」を指す
※調査結果は、単数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合がある
調査企画・実施 HubSpot Japan株式会社
調査委託先 株式会社マクロミル
調査対象 1. ビジネスシーンにおける「売り手」計1,545名
(経営者・役員515名、法人営業組織の責任者515名、法人営業担当者515名)
※ 売り手側は個人事業に近い企業や大企業の回答を省くため従業員数51名~5,000名に絞って調査
2. ビジネスシーンで商品やサービスの「買い手」となる経営者/役員/会社員計515名
調査方法 オンライン上でのアンケート調査
実施期間 2023年11月24日~2023年11月27日
調査地域 日本全国

出典元:HubSpot Japan株式会社

構成/こじへい

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