小学館発行の少女まんが誌『ベッコミ』で、航空業界を舞台にした新連載「ブルーフライト ~グラハン女子物語~」(著者:のの子)がスタートした。
スポットライトが当てられたのは、空港で航空機の誘導、特殊車両を使った手荷物・貨物の搭降載などを行なう職業、グランドハンドリング。通称〝グラハン〟と呼ばれ、航空機の運航に必要な多くの仕事を担う。
なぜ、グラハンを扱う作品が誕生するに至ったのか。『ベッコミ』を発行する小学館と、作品の制作をバックアップするANAによって先日開催された、発表会の様子をお届けする。
会場には整備士、客室乗務員、グラハン、パイロット、旅客係員が登場。作品のイメージを膨らませる役割を担った。
ひとりの少女がグラハンを目指すことから始まるストーリー
物語は主人公ここねの中学時代からスタート。小さな南の島で育ったここねは、飛行機が大好きな少年ひーくんとの出会いを通して、羽田空港のグラハンになる夢を抱く。
家庭の事情などから島での生活に少し息苦しさを感じているここね。そんな葛藤に悩む最中、ひーくんは突然姿を消してしまう。
『ブルーフライト ~グラハン女子物語~』第1話より(©のの子/小学館)
そして10年後、羽田空港のグラハンとなったここね。グラハンとしてまだ一人前とは言えないが、仲間の友利やクールなエリートパイロットの松永との出会いなどを通し、仕事にプライベートにと全力で打ち込み、成長していく姿が描かれる。
小学館×ANAの初コラボでリアルなストーリーが実現
今作で注目すべきは、初となる小学館とANAの協働。また、グラハンが主人公となる作品も小学館では初だという。
ベツコミ編集長の前田未央氏(左)とANAエアポートサービス株式会社代表取締役社長の小山田亜希子氏(右)。
発表会で登壇したベツコミ編集長の前田氏は、「最初はグラハンの仕事について、離陸する際に手を振ってくれる方たちというくらいしか認識がなかった」と正直にコメント。そこで、作品を制作するにあたりANAへ協力を依頼したという。
これを受け、「航空業界にとって、グランドハンドリングは大変重要な役割。そこに焦点を当てた作品はこれまでなかったため、完全協力を行なうことにしました」と話すのは、ANAエアポートサービス株式会社代表取締役社長の小山田氏。
そもそも、グラハンは普段あまり目に触れない仕事。そのため、著者ののの子先生は実際に働くグラハンの仕事を見学するだけでなく、グラハン女子に話を聞く機会を何度も設けて作品を作り上げていったという。この取材から「作品の主人公ここねをはじめ、数々の魅力的なキャラクターと、心を動かすストーリーが生まれています」と前田氏は作品を紹介した。