貯金額3000万円の50代割合は?
50代で金融資産保有額を「3000万円以上」と回答した人の割合は10.5%だった(金融資産を保有していない世帯を含める)。金融資産保有額の平均は1199万円、中央値は260万円となっている。
「約10世帯に1世帯」が、3000万円以上の貯金を保有していることがわかる。金融資産保有額の平均も1000万円を超えており、収入が増えたことと子育てが一段落して出費が減ったことから、蓄財ペースが早まったと考えられるだろう。
■50代で貯金額が3000万円を超えたら?
とはいえ、近年は晩婚化や晩産化の影響もあり、50代でも子どもの教育資金を用意しなければならないケースも考えられる。50代で3000万円貯金できたら、家族の年齢や自身がいつまで働くかなどを鑑みつつ、老後に向けた資産活用が求められる。
基本的な資産運用の考え方は、30代・40代と同じだ。当面の生活費と、近い将来に発生すると見込まれる出費を確保したうえで、余剰資金を運用に回すことになる。
ただし、50代は運用期間を十分に確保できない恐れがある点に留意しよう。例えば、30歳の人であれば定年まで30年以上あるが、55歳の人であれば定年まで5年程度(会社によっては10年以上ある)しかない。
定年後再雇用や起業をすれば、60歳以降も働くことは可能だ。65歳になると公的年金が支給される(75歳までの繰り下げ受給・60歳からの繰り上げ受給が可能)ため、「いつまで働くつもりか」「受給できる公的年金はいくらか」などを鑑みて、どの程度のリスクを負って資産運用を行うか決めるとよいだろう。
なお、50代の種類別金融商品保有額を見ると、金融資産保有額のうち株式と投資信託が占める割合は約29%だった(金融資産を保有していない世帯を含む)。
3000万円以上の預貯金を保有している世帯は少ない、30代・40代は10%未満
貯金3000万円以上を保有している世帯は、全年代で見ると10.7%だ。約10世帯に1世帯しか3000万円以上の貯金を保有していない。
既に3000万円の貯金を有している場合は、世間一般からすると「貯金額は多い」と言えるだろう。高い収入を得ている、支出が少ない健全な家計を運営しているなど、さまざまな要因が考えられる。
3000万円の貯金を達成した時、どのようにお金を活用するかは年代によって異なる。家族構成や自身のリスク許容度など、さまざまな要素を勘案する必要がある点は押さえておこう。
文/柴田充輝
厚生労働省、保険業界、不動産業界での勤務を経て独立。FP1級、社会保険労務士、行政書士、宅建士などの資格を保有しており、特に家計の見直しや資産運用のアドバイスのほか、金融メディアで1000記事以上の執筆を手掛けている。