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建設業界従事者1000人に聞いた「建設の2024年問題」で悪化すると思うこと、3位時間給・日給が減る、2位若手入社希望者が減少、1位は?

2024.02.28

2024年4月から、時間外労働の上限規制厳格化(建設の「2024年問題」)が建設産業にも適用される。長年、人手不足と生産性向上に課題を抱える建設産業において、建設の「2024年問題」が意味するものは何なのか?

野原グループはこのほど、情報メディア「BuildApp News」が2024年1月に実施した「建設業界従事者1,000人への独自調査」から、「建設2024年問題の捉え方」に関する結果を発表した。

建設2024年問題の認知

建設2024年問題の認知について「聞いたことがない・知らない」と回答したのは全体の15.7%で、「建設2024年問題」は一定の認知がされていると言えるが、事業規模別では大手企業と中小企業で認知度に大きな差があることがわかった。

従事業務別にみると、施工、専門工事に従事する人の「建設2024年問題」の認知状況が芳しくないことがわかった。

建設2024年問題で悪化すると思うこと(複数回答)

建設2024年問題を「詳しく把握している」または「聞いたことがあるが詳細まで把握していない」と回答した人(n:843)に「建設2024年問題で悪化すると思うこと(複数回答)」を尋ねたところ、企業規模に関わらず、1位は「適正工期の見直しは難しいため、働き方はかえって厳しくなる」であった。

事業規模別にみると、大手企業では、全体・中小企業で3位に上がっていた「臨時的な特別の事情がある場合がある限り、残業は減らず休暇も取れない」に加えて、同率で「時間給・日給が減ることになるためむしろ困る(27.2%)」が3位にランクインしていることに注目したい。

「適正工期の見直しは難しいため、働き方はかえって厳しくなる」との懸念は、経営層(28.9%)よりも管理職(36.7%)・一般職(35.1%)の人が強く、建設現場での施工関連業務の従事者(施工管理、施工、専門工事)では36.0%との結果となった。

これらの結果から、労働時間管理(勤怠管理)や現場に携わる方ほど、工期順守と労働時間の両立の難しさに懸念を感じていることがうかがえる。

従事業務別では、建設現場での施工関連業務の従事者(施工管理、施工、専門工事)において1位、2位は全体と同じ項目がランクイン(比率はいずれも全体よりも多い)、3位「時間給・日給が減ることになるためむしろ困る(27.6%)」となった。

建設工事は、工事発注者と受注者間の契約工期内での建物完成が求められる請負契約である。そして、長い工期設定や工期延長は費用増の傾向となることなどから、これまでは労働時間の制約なしに、突貫工事によって「工期順守による建物完成(契約履行)」にこぎつけていた場合もあると言われている。

このような背景がある建設産業において、2024年4月からは、工期・費用・品質に加え「労働時間の順守」が求められる。これこそが、「時間外労働時間の上限規制」が「建設2024年問題」と言われる理由であり、対応の難しさが伺える。

建設2024年問題で好転すると思うこと(複数回答)

建設2024年問題を「詳しく把握している」または「聞いたことがあるが詳細まで把握していない」と回答した人(n:843)に「建設2024年問題で好転すると思うこと(複数回答)」を尋ねたところ、次表の通りの結果となった。中小企業では、1位に「期待できることはないと感じる(31.8%)」が上がっている点に注目したい。

全体3位の「適正工期の見直しが進む(25.3%)」については、【建設2024年問題で悪化すると思うこと(複数回答)】の1位「適正工期の見直しは難しいため、働き方はかえって厳しくなる(34.3%)」との結果も踏まえると、建設2024年問題が「適正工期の見直し」に及ぼす影響については建設産業内での見方は二極化していると推察できる。

建設2024年問題と人手不足・採用の今後

建設2024年問題の内容を「詳しく知っている」「聞いたことはあるが詳細までは把握していない」と回答した人(n:843)に、「建設2024年問題対応が始まることで、人手不足・人材採用の状況が変化すると思いますか」と尋ねたところ、「人手不足と採用の改善」に期待するのは6.9%と、1割にも満たない結果となった。

事業規模別にみても、中小・大手企業ともに「良くなっていくと思う」との回答は1割にも満たず、大手企業においては「悪くなっていくと思う(49.1%)」が5割近い結果となった。

人手不足が深刻と言われている、建設現場での施工関連業務の従事者(施工管理、施工、専門工事)に注目してみてみたところ、2024年問題による人手不足と採用状況が「悪くなっていくと思う(46.7%)」が全体のそれよりも割合が高い結果であった。

会社業種別に、「悪くなっていくと思う」との回答割合に注目したところ、現場に近い事業内容の会社(サブコン、工務店、専門工事店)ほど、その割合が多くなる傾向にあることがわかった。

また、展示会などのイベントに関わる空間ディスプレイ業界では、建設2024年問題対応が始まることで、人手不足・人材採用の状況が「悪くなっていくと思う」との回答割合が7割に上っている。

人手不足への対策

「建設2024年問題に限らず、人手不足問題に対して所属している会社はどのような対策を講じていますか?(最大3つまで回答可)」と尋ねたところ、1位「若手の採用(32.6%)」、2位「対策は出来ていない(検討もされていない)(31.5%)」、3位「従業員の給与ベースアップ(20.7%)」となった。

結果を総じてみてみると、「人手不足対策」は「採用活動(78%)」が最多であり、「デジタル化(ICT導入・DX化の導入推進)による生産性の向上(14.9%)」は進んでいないことがわかる。

一方で、今後の労働人口不足が確実と言われ、前述の通り、【建設2024年問題と人手不足・採用の今後】について「人手不足と採用の改善」に期待するのは6.9%と1割にも満たない。

このことから、建設産業では、従来同様の「人」に頼りすぎる対策よりも、「デジタル化(ICT導入・DX化の導入推進)による生産性の向上」への移行が求められるのではないか。

<調査実施概要>
調査期間:2024年1月15日~1月22日
調査対象者:全国の建設業界従事者(20~70代)
回答数:1,000人
調査方法:インターネット調査(ゼネラルリサーチ株式会社)

出典元:野原グループ株式会社

構成/こじへい

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