「マンガは人生の教科書」斎藤佑樹さんが選んだひとりの真っすぐな思いがチームを変えると学んだ傑作マンガ

株式会社 斎藤佑樹 代表取締役 斎藤佑樹さん

ひとりの真っすぐな思いがチームを変えると学んだ人生の教科書

1988年群馬県出身。2006年、早稲田実業で夏の甲子園優勝。早稲田大学では東京六大学野球史上6人目となる通算30勝300奪三振を達成。2010年ドラフト1位で北海道日本ファイターズに入団。2021年に現役引退。同年「株式会社斎藤佑樹」を設立。

野球人生を共にした人生のバイブルといえるマンガ

　2021年に引退するまで11年間、プロ野球で活躍した斎藤佑樹さん。野球人生のみならず人としても大きな影響を受けたというのが、野球マンガの『MAJOR』だ。

　プロ野球選手を父に持つ少年・茂野吾郎が、プロ野球選手という大きな夢に向かって突き進む半生を描く。

　吾郎が目標に向かってチームを引っ張る姿は、少年時代から斎藤さんの心を奮い立たせたと言う。

「3歳年上の兄が読んでいて、その影響で小学1年生の頃に読み始めました。まさに茂野吾郎と一緒に野球に夢中になっていった感じですね。反対を押し切ってでもやりたいことをやり続ける一方、能力を過信せずに努力し、仲間と強い相手に挑んでいくところが好きです」

　群馬県出身の斎藤さんが高い志を持って早稲田実業高校へ進み、努力を重ねて高校3年夏に甲子園優勝を果たしたその歩みもまた、吾郎のストーリーと重なる。プロ野球選手時代は、怪我もあって苦しんだ時期が多かった。そんな時も、怪我を乗り越えて投手から打者に転向する吾郎と自らの野球人生を重ね合わせ、野球と真摯に向き合ってきたという。

「北海道日本ハムファイターズでプレーしていた時に、当時監督だった栗山英樹さんに言われ続けたことがあります。『野球のことだけを考えて前向きに、明るくがんばりなさい。がんばっていれば、人は見ているから──』。茂野吾郎がまさにそうなんですよね。野球に対して真っすぐで、その姿勢がいろんな仲間の思いをまとめる、つまりは求心力になっていく。そんな純粋な気持ちが大事なんだと思ったものでした」

©満田拓也／小学館

　現在、『株式会社 斎藤佑樹』の代表取締役として活動する斎藤さんは、「少年野球の専用球場を造りたい」という夢を持つ。

「ひとりでは何もできない。多くの方から助言をいただきながら、実現に向けて前に進みつつあります」

『MAJOR』でも同じようなシーンがある。茂野吾郎が転校した聖秀学院高校には野球部がなかった。ならばと、選手を集めて自らの手で野球部を創設。練習場もなかったが、なんと学校の屋上に裏山の土を運び、ひとりでグラウンドを造り始める。その姿を見た仲間も協力し、見事、専用グラウンドが完成する──。

「吾郎の真っすぐさと、何事にも挑戦しようとするガムシャラさ……。周りができるわけないと思うようなことも絶対に諦めないのがいいですね。『MAJOR』がなかったら、野球人生は大きく変わっていたかもしれない。それほど影響を受けました」

　また、好きなシーンとして吾郎が幼なじみの清水薫にプロポーズするシーンも挙げる。

「日が暮れた公園でブランコに座り、『生涯、茂野吾郎とバッテリーを組んでくれ──』と言うところはこのマンガの名場面。吾郎は本当に真っすぐで純粋なんです」

©満田拓也／小学館

【1】純粋な思いが不可能を可能にする

『MAJOR』

満田 拓也
小学館　全78巻

主人公・本田吾郎（のちに茂野吾郎）があふれる才能と野球への情熱を持ち、野球人生を通してライバルであり親友となる佐藤寿也らとともに、数々の強豪に立ち向かっていく長編野球マンガ。1994～2010年『週刊少年サンデー』にて連載。

【2】決断力と判断力を見習いたい

『名探偵コナン』

青山剛昌
小学館　既刊104巻

1994年より『週刊少年サンデー』にて連載。高校生探偵・工藤新一が、黒ずくめの組織によって少年に。江戸川コナンと名乗って、組織を追いながら数々の難事件を解決していく。「課せられた難題を瞬時に決断し行動できるコナンくんはすごい。マンガながら、その状況でよくぞ決断できるなと感心します。その決断力と判断力にあやかりたいです」

取材・文／佐々木 亨

※マンガの巻数は2024年2月1日現在のデータです。

DIME4月号は超実践的なAI活用法をまとめた「AI仕事術」と「ビジネスに効くマンガ」の2大特集

日々進化を続けるAIはいよいよ社会に実装されていくフェーズに入ってきました。また、スマホやPCの“オンデバイス”で搭載され始めるなどスゴいスピードで進化を遂げています。

今月のDIMEはそんなAIの仕事での活用をまとめた特集です。話題のマイクロソフト「Copilot」など今すぐ使えるAIの実践的活用法をシーン別にまとめています。

企画書やプレゼンの構成、メールの返信、プロジェクト管理、データの整理、ブレストなど具体的な使用シーンと活用法を様々な識者に取材し、まとめています。

まさにこれ一冊で自分をアップデートできる一冊です！

実は今回は表紙もAIに作ってもらったり、誌面をAIを活用して作ってみるなど編集部としても実験的な試みを実践しています。

また第２特集ではマクアケ・中山社長、安芸高田市・石丸市長、沢口愛華さん、斎藤佑樹さん、神田伯山さん、モグライダー・芝 大輔さん、映像ディレクター　高橋弘樹さん、ベンチャー投資家・朝倉祐介さん、プロゲーマー翔さん、株式投資家テスタさんなどマンガ好き10名とDIME読者により仕事のモチベーションをアップしてくれる56冊を選出してもらいました。

役立つ情報が満載の4月号、是非お近くの書店などでチェックしてみてください。

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DIME2024年4月号

特集 1　 企画書　プレゼン　メール　スケジュール管理ほか
「タイパが爆上がりするAI仕事術」

｢インターネット出現以来の産業革命｣、そう言われたChatGPTの登場から1年。生成AIは今なお進化を続けている。さらに昨年末に発表された「Copilot for Microsoft 365」では「Word」「Excel」などビジネスパーソン必須のOfficeアプリにまでAIが実装された。今後、生成AIを使いこなせるかどうかで、仕事の効率は天と地ほどの差が生まれるはずだ。来たる〝AI時代〟で一歩先を行く実践的な活用法をシーン別に細かく解説！

特集 2　作業効率が激変！「AI時代の最新PC 32」

AIプロセッサー「NPU」を搭載し、幅広いビジネスシーンをアシストしてくれる〝AI PC〟が登場し始めた。
今春買い替えるべき最新PCを一挙紹介！

特集 ３　DIME読者とマンガ好き10名が選んだ仕事に効く56冊！
「ビジネスパーソンが読むべきマンガ大賞」

マンガは単なるエンターテインメントではなく、現代のビジネスパーソンにとって新たな教科書ともいえる存在だ。
ドラマチックなストーリーを通じて、職場で直面する様々な課題や、人間関係の機微、成功への道のりのヒントを与えてくれる。

今回の特集ではマクアケ・中山社長、安芸高田市・石丸市長、沢口愛華さん、斎藤佑樹さん、神田伯山さん、モグライダー・芝 大輔さん、映像ディレクター　高橋弘樹さん、ベンチャー投資家・朝倉祐介さん、プロゲーマー翔さん、株式投資家テスタさんなどマンガ好き10名とDIME読者により仕事に効く56冊を選出してもらった！

＜新連載＞　気になるあの人の“働く主義”に迫る「ハタラキズム」　第一回　芳根京子さん

俳優としての10年のキャリアを重ねてきた彼女が抱く〝働くうえでの主義＝ハタラキズム〞とは？

BUSINESS HACKS　警察庁から映画業界へ「異色の経歴を持つCEOが語る〝異世界転職〟できた理由」

TOP LEADER INTERVIEW　株式会社タイミー　代表取締役　小川 嶺氏「世の中の当たり前を疑うことからイノベーションが起きる」

DIME最新号、絶賛発売中！

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DIME2024年4月号