【1】1兆ドルを目指すスタートアップの成長に鼓舞される
『トリリオンゲーム』
原作:稲垣理一郎 作画:池上遼一
小学館 既刊8巻
世界一のワガママ男・ハルと、真面目なガクが、1兆ドルを稼ぐことを旗印に、スタートアップから世界長者番付トップ10の事業家にのし上がるまでを描いた作品。主戦場となる業界を変えながら買収や裏工作、駆け引きなどを駆使して次々に奇跡を起こしていく。
【2】命をかけて地動説を証明する者たちの信念に震える
『チ。─地球の運動について─』
魚豊
小学館 全8巻
舞台は15世紀のヨーロッパ。地球が宇宙の中心であるとする天動説が常識だった時代に、神に背く「禁じられた真理」とされた地動説を、命がけで探究する人々が描かれる。異端思想者は次々に残酷な手口で処刑される中、信念を曲げない者たちの情熱が受け継がれていく。
【3】唯一無二の空気感が心地いい
『葬送のフリーレン』
原作:山田鐘人 作画:アベツカサ
小学館 既刊12巻
魔王をともに倒した勇者の死後、1000年以上生きる長寿種エルフの魔法使い・フリーレンと、弟子のフェルンとの冒険の旅を描いたファンタジー。「静けさを感じる独特の空気感が最高です。すでに亡くなった勇者ヒンメルの回想シーンのセリフをはじめ、心に刺さるような、人生や仕事に役立つ名言もたくさん詰まっています」
【4】ストイックな姿が刺激に
『マチネとソワレ』
大須賀めぐみ
小学館 既刊14巻
演劇をテーマに、駆け出し俳優の三ツ谷誠と、兄である天才俳優・御幸が、役者としての演技力で激突。パラレルな世界ではふたりの境遇が逆になるなどの仕掛けでも読者を引きつける。「御幸の、役に入りきる、狂気じみたストイックさを見せていくシーンは圧巻。ここまでやって、やっと本物になれるんだということを教わりました」
【5】規格外のプロジェクトに挑む
『江戸城再建』
黒川清作 監修:三浦正幸
小学館 全3巻
大手デベロッパーのやり手社員が、「皇居東御苑内に江戸城天守閣を再建する」という前代未聞のプロジェクトに挑むストーリー。「フィクションですが、ノンフィクションとして捉えたくなる、ビジネスマンならわかるリアルな困難な壁が多数あります。それをどう乗り切ったか、江戸城はできたのか、ぜひ読んで確認してほしいですね」
取材・文/安藤政弘
※マンガの巻数は2024年2月1日現在のデータです。