マクアケ代表取締役社長 中山亮太郎さん
大胆な展開が縮こまった思考を正す。マンガはビジネスコーチ
慶應義塾大学卒。2006年にサイバーエージェント入社。海外勤務を経て2013年に現在のマクアケを設立し代表取締役社長に就任。同年、アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」をスタート。
マンガはいつも気づきや学びを与えてくれる
「自分にとってマンガは1日3食の食事と同じように、人生になくてはならない存在です。毎日必ず1冊は読みますから、生きるために必要な4食目ともいえますね」と、あふれ出るマンガ愛を中山さんは表現する。読むタイトルは自身の直感で見つけることもあれば、周囲のマンガ好きからのすすめで手に取ることも。過去を含め、マンガからの学びはビジネスにも活用されているという。
「社員に物事を伝える時、何度『ONE PIECE』に例えたことか(笑)。『僕たちは今、グランドラインに入ったばかりだ』とか『新世界を超えていこう』など、読んでいない人は『えっ?』ってなりますが、言葉がすぐに染み込み、理解してもらいやすいと感じます」
マンガ愛が強いだけに、今回のBEST 5選びは難航。悩んだ末、トップに挙げたのが、スタートアップが1兆ドルを稼ぐことを目指す『トリリオンゲーム』だ。
「主人公・ハルのすべての打ち手や戦略がとにかく大胆なんです。会社がつぶれるかもしれないピンチの時も、ダイナミックな一手で乗り切っていきます。物事はこのぐらいの熱量でやらないと、何一つ成功しないんだろうなと考えさせられる一方、内容や設定がとてもリアルで、僕らもベンチャーですから、読んでいると『ハルには負けてられないな』という気持ちになります。ビジネスのやり方を真似ることはありませんが、読むたびに自分を鼓舞してくれる作品です」
2作目は、禁じられた地動説を、命がけで研究する人間たちを描いた『チ。─地球の運動について─』だ。
「地動説を信じることは神に背く行為であって、発覚したら即処刑されるんです。ところが、住む国も異なり、先に処刑された人と縁もゆかりもない人が地動説に魅入られ、世代を超え、何十年以上にわたって、命を奪われるのを覚悟で、地動説の証明を受け継いでいきます。真実を諦められず、ひたすら信念を貫く人々の姿勢に心が震えました。会社というのは、自分一代で何かを成し遂げるのではなく、100年、200年と続く中で、今、何をなすべきかを考えるいい機会になりました。また権力や私利私欲という壁があってもピュアに考えていくと、人類は真実へ向かい、必ずいい方向に進んでいくということを、もう一回思い出させてくれました」
ストーリーをきれいに描ければ仕事は成功する
マンガを読む際は何かを学び取ろうという気はなく、琴線に触れる言葉や展開の発見が、図らずも仕事のモチベーションアップにつながる。中山さんはそれが楽しいと語り、ビジネスのコーチに例えた。
「ひとつ仕事とマンガに共通点があるとしたらストーリーの大切さです。きれいなストーリーの描けない仕事は総じてうまくいかないので、戦略のストーリーは様々な角度から考えます。両者とも最後はめでたし、めでたしで締めたいですね」
DIME4月号は超実践的なAI活用法をまとめた「AI仕事術」と「ビジネスに効くマンガ」の2大特集
日々進化を続けるAIはいよいよ社会に実装されていくフェーズに入ってきました。また、スマホやPCの“オンデバイス”で搭載され始めるなどスゴいスピードで進化を遂げています。
今月のDIMEはそんなAIの仕事での活用をまとめた特集です。話題のマイクロソフト「Copilot」など今すぐ使えるAIの実践的活用法をシーン別にまとめています。
企画書やプレゼンの構成、メールの返信、プロジェクト管理、データの整理、ブレストなど具体的な使用シーンと活用法を様々な識者に取材し、まとめています。
まさにこれ一冊で自分をアップデートできる一冊です!
実は今回は表紙もAIに作ってもらったり、誌面をAIを活用して作ってみるなど編集部としても実験的な試みを実践しています。
また第2特集ではマクアケ・中山社長、安芸高田市・石丸市長、沢口愛華さん、斎藤佑樹さん、神田伯山さん、モグライダー・芝 大輔さん、映像ディレクター 高橋弘樹さん、ベンチャー投資家・朝倉祐介さん、プロゲーマー翔さん、株式投資家テスタさんなどマンガ好き10名とDIME読者により仕事のモチベーションをアップしてくれる56冊を選出してもらいました。
役立つ情報が満載の4月号、是非お近くの書店などでチェックしてみてください。
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DIME2024年4月号