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難読漢字「濯ぐ」の正しい読み方と言葉の意味

2024.02.25

日常的に使われている言葉の中には、ひらがな表記であれば問題なく意味が理解できても、漢字表記だと読み方が難しい語句がある。「濯ぐ」は水に関連する言葉だが、複数の意味を持つことをご存知だろうか。

そこで本記事では、「濯ぐ」の読み方や意味、幅広いシーンで使える言い換え表現を解説する。海外製の洋服を購入する機会の多い方は、品質表示タグを確認する際に役立つ英語表現もチェックしてほしい。

「濯ぐ」が持つ意味合い

まずは、「濯ぐ」の読み方や意味、混同されがちな「そそぐ」や「ゆすぐ」との違いを見ていこう。

意味は水をかけて汚れを洗い流すこと

「濯ぐ」の読み方は「すすぐ」。衣類や物などに水をかけて汚れを洗い流すほか、水で穢れを除き去って清めるといった意味を持つ。

常用漢字に種別される「濯」の音読みは「タク」で、水の中で物を揺り動かして洗うことを指す。「濯」の持つ意味から、手や足のほか、機械を用いて衣類などの布地を洗う言葉の「洗濯」が派生された。

また、洗濯機などで目にする機会の多い言葉に「濯ぎ」と「洗い」がある。どちらも水を用いて衣類の汚れを落とすことを目的としているが、言葉の使い方が異なる。水だけで表面の汚れを洗い流す場合は「濯ぎ」と表現する。一方で「洗う」は、洗剤や石鹸などを使い、根本から汚れを落とす際に使用できる。

「そそぐ」や「ゆすぐ」との違いは?

先述した内容から「濯ぐ」は、水をかけて揺り動かすことにより、衣類などの汚れを洗い流すという意味を持つ。しかし、混同されがちな「そそぐ」や「ゆすぐ」とはニュアンスや目的が異なる。

「そそぐ」の漢字表記は「雪ぐ」。新たな名誉を得るために過去の行いを改め、与えられた不名誉や汚名を除き去ることを意味する。「雪ぐ」の語源や成り立ちは諸説あるとされるが、「雪」の部首から言葉の持つ意味が読み取れる。

「雪」は2つの部首から成り立つ漢字で、降雨を表す「雨(あめかんむり)」、掃除用具の「彗(ほうき)」を含む。古来より「洗い清める」という意味で使われていたが、言葉が転じて「心身の不浄を清め、きれいな状態にすること」を指すようになった。

一方「ゆすぐ」は、口内に水を含み、うがいをして汚れを洗い流すほか、溜めた水の中で物を揺り動かして洗うことを指す。漢字で「漱ぐ」「濯ぐ」と表記するが、目的によって用いる漢字が異なる。「漱ぐ」は口腔を洗浄することを目的とする。一方「濯ぐ(ゆすぐ)」は、衣類などの汚れを軽く落とす場合に使われる。

また、「ゆすぐ」は甲州弁、名古屋弁、博多弁に含まれる方言で、方言の場合は共通語の「すすぐ」と同じ意味で使われることが多い。

「濯ぐ」の言い換え表現

次に、「濯ぐ」と似た意味を持つ言い換え表現を3つ紹介する。

洗浄

「洗浄」の読み方は「せんじょう」。薬品などを使って汚れを洗い流すほか、仏教において心身を洗い清める行いを意味する。

医療における「洗浄」は、臓器などに侵入した有機物や血液を除去すること。水や洗浄液を対象物にかけて丁寧に洗い流し、薬物による急性中毒を防ぐほか、消毒効果を高める役割がある。

なお、「洗浄」の同義語として「洗滌」があるが、現在は一貫して「洗浄」と表記するのが正しいとされる。かつて「洗滌」に含まれる「滌」が条の旧字体「條」と似ていることから、音読みで「ジョウ」と誤読されていた。昭和中期、国会審議会により当用漢字にない漢字の使用を避ける旨を審議した際に、文化庁は「洗滌」の誤読を防ぐため、同音の漢字に書きかえた「洗浄」の表記が適切と制定した。

洗い立てる

「洗い立てる」の意味は2つある。物を繰り返し十分に洗うことと、相手の悪事や不品行をあばき出すことを指す。

また、動詞の「洗い立てる」と類似した言葉に「洗いたて」がある。2つの意味を持つ「洗い立てる」と異なり、「洗いたて」は洗濯して間もない状態を意味する。接尾語の「たて」が「直前の動作をしたばかりの様子」を表す。ただし「洗いたて」は、相手の内情や真相を探るのニュアンスを含まない。そのため、人の行いを正す場合は「洗い立てる」を使うのが正しい。

浚う

「浚う」の読み方は「さらう」。井戸や溝などの底に溜まった物を除去するほか、容器の中にある物を残らず取り出すことを意味する。

「浚」の音読みは「シュン」で、水底の土砂を掘って穴を深くする、または水をきれいな状態にする行為を指す。なお、「浚う」を「渫う」と表記する場合があるが、同義語のためどちらも同じ意味として使用できる。

「濯ぐ」を英語で言うと?

最後に、「濯ぐ」と似たニュアンスの英語表現を紹介する。

wash

“wash”は液体の中で物を洗うほか、衣類などを洗濯するといった意味を持つ動詞だ。海外製の洋服を購入した際に“Do not wash”と記載されているケースがあり、直訳すると「水洗いしないでください」だ。衣類の取り扱いを注意喚起する表現のため、正しく洗濯するために覚えておこう。

rinse

“rinse”は名詞と動詞で言葉の持つ意味が異なる。名詞の“rinse”は「リンス液」「濯ぎ」を意味する。一方、動詞は「水などに浸して濯ぐ」「洗い落とす」「口をゆすぐこと」を指す。洗濯においては、衣類に残った汚れを水のみで洗い流すニュアンスで使われる。

vindicate

“vindicate”は相手の無実を証明するほか、汚名を晴らすことを意味する。人の考え方や過去の行いを正す旨を強調するフレーズのため、ややネガティブなニュアンスを含む。慣用句の「汚名を雪ぐ」を英語で表現する場合は“vindication”と表すと良いだろう。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

文/編集部

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