トドオナダは、4000以上のWEBメディアをモニタリングできるPR効果測定サービス「Qlipper」のデータから、M-1グランプリ2023に出場したコンビに関するウェブニュースを調査。結果をグラフと図表にまとめて発表した。
M-1グランプリ2023決勝出場者の大会後1か月の集計
※各コンビ名を含むウェブニュースを収集
※PV=仮想PV:Qlipperが取得したサイト構造を基に独自エンジンで記事のページビューを予測・算出した数字
※記事ツイート:記事のURLを含むツイートの数
優勝した令和ロマンが各数値1位で、ともに最終決戦に残ったさや香およびヤーレンズが上位に入るなど、審査順位と記事数などの順位に大きな乖離はなかった。
例外はモグライダーで、元の知名度とテレビなどの露出により、審査結果よりも記事数・PV・記事ツイート数の順位が高くなっている。
過去大会との記事数比較
■M-1グランプリ2021・2022・2023決勝出場者の記事・PV総数(大会から1か月)
大会後1か月の出場者の記事数をくらべると、2023年大会は記事の総数が21年および22年大会よりも大きく減っている。ちなみに23年の記事数は22年の71.2%、21年の68.3%だ。
決勝出場者の大会前からの知名度によってニュース数の差は出るものだが、それだけではこの落差の大きさを説明できない。
■M-1グランプリ2021・2022・2023決勝出場者ウェブニュースランキング(大会から1か月)
コンビごとで見ると、23年大会はランキング上位の記事数が過去にくらべて少ないことがわかる。とくに令和ロマンの記事数はウエストランドの69.4%、錦鯉の77.7%に留まっている。
令和ロマンのニュースが少なかった背景
22年・23年大会の記事数上位5組について、推移をくらべてみた(大会から1か月)。
■M-1グランプリ2022・2023 記事数上位5組のニュース数推移
大会当日から翌日にかけては大きな差はないが、23年の3日め以降の落ち込みが顕著だ。また2024年1月1日から4日にかけて記事数の極端な停滞が見られる。
考えられる要因は、主に次の2つ。
1)松本人志さんの性加害報道が芸能ニュースの支配的話題となった
松本人志さんと令和ロマンらのニュース数推移
上記のグラフは、M-1出場者の記事推移に松本人志さんの記事推移を足したものだ。
『週刊文春』が松本さんの性加害報道を始めた12月26日を境に、令和ロマンの記事数が減っていく。その後は両者が入れ替わったままで、令和ロマンのニュースは例年の優勝者ほど伸びていない。
2)2024年始の災害・事故により芸能ニュースが抑制された
2024年1月1日の能登半島地震、2日の羽田空港における衝突事故という社会的影響の大きな事件により、エンタメに関するニュースが配信されにくくなったことが影響した。
れはウエストランドらと令和ロマンらで、年末年始のニュース推移をくらべるとわかる。
12月31日から1月6日の記事推移 23年のウエストランドらと24年の令和ロマンら
ウエストランドの記事は12月31日から1月1日にかけて300から350あり、その後は各日100から200を保っている。
他方で令和ロマンの記事数は12月31日の時点で80ほどで、2日から4日にかけては20から30記事だ。なお、5日に記事数が急増したのは、彼らが漫才の演技指導をした映画『笑いのカイブツ』の公開初日舞台あいさつがあったため。
史上2組めとなるトップバッターでの優勝、優勝者の最少結成年数記録という話題性を有しながらも、令和ロマンのニュース露出は外的要因によって抑制されたことがわかる。
調査概要
調査期間/2021年12月19日〜2022年1月18日、2022年12月18日〜2023年1月17日、2023年12月14日〜2024年1月23日(Qlipperの記事確認日時)
調査機関/自社調査
調査対象/
1) 本文または見出しに下記の「M-1グランプリ2023」決勝戦出場者を含む記事
真空ジェシカ、さや香、令和ロマン、カベポスター、マユリカ、ヤーレンズ、モグライダー、くらげ、ダンビラムーチョ、シシガシラ
2) 本文または見出しに「M-1グランプリ2021」、「M-1グランプリ2022」決勝戦出場者の名前を含む記事
3) 本文または見出しに松本人志さんの名前を含む記事
調査方法:Qlipperが調査期間中に収集した国内主要ニュースサイトのウェブニュースの内、調査対象の記事数、仮想PV数、記事がツイートされた数を集計。
※仮想PV:国内4,000媒体以上のWEBメディアをモニタリングしているQlipperが、取得したサイト構造を基に独自エンジンで記事のページビューを予測・算出している。(特許第7098122号)
関連情報
https://qlipper.jp/
構成/清水眞希