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解禁前から動き始めたUberとGO、日本版ライドシェアの戦国時代が到来

2024.02.26

日本は「ライドシェア未開拓の地」

筆者の住まい、静岡県静岡市にある温泉施設(葵区の市街地に所在する)のカウンターには、地元タクシー会社直通の電話が設置されている。

これを見ても分かる通り、静岡市では「アプリでタクシーを呼ぶ」行為自体がオーソドックスではない。そして、そうした地域はもちろん静岡市だけではないだろう。

言い換えれば、日本は「未開拓の地」なのだ。

UberとGOのオセロは、まさに日本という名の未開拓地域の覇権を争うものである。

令和の「国人領主」

日本版ライドシェアが解禁される4月に向けて、状況はさらにカオスになっていくだろう。

それは各自治体が独自の取り組みに「○○版ライドシェア」と銘打ったとしても、取り組みに関係のない事業者がその地域でまた別のライドシェアを企画する……ということが既にあるからだ。

例を挙げると、「神奈川版ライドシェア」はそれが神奈川県で実施されている唯一のプロジェクトというわけではなく、神奈川版ライドシェアとは全く違うライドシェアが神奈川県下で計画されている。

日本の戦国時代は、各地域の国人や豪族が一種の地方政権として乱立していた。その中で地域一番の有力者が国人を取りまとめ、少しずつ支配下地域を広げていた。

毛利元就は厳島の戦いで陶晴賢を破るまでは、尼子氏と大内氏の間で揺れ動く国人領主に過ぎなかった。それと同じように、全国各地のライドシェア国人領主がUberとGOの間で決断を迫られている。

尼子、大内を呑み込む「毛利元就」は登場するか

ところで、尼子氏といえば山中鹿之助の尼子復興運動のイメージが強く、故に「落ちぶれた名家」と思われてしまっている。が、尼子経久が存命だった頃(16世紀初頭)の尼子氏は中国地方最強勢力だった。

それに従うことしかできない毛利氏が中国地方の覇者になる、などということは毛利の嫡男ですらなかった元就自身も想像していなかったはずだ。

ライドシェア市場においても、早速ながら「元就候補」が登場している。

今年設立されたばかりのnewmo株式会社はライドシェアへの参入を表明しているが、2月16日にメルカリや12社のベンチャーキャピタルからシードラウンド約15億円の出資を得ることに成功した。

配車アプリ業界の尼子、大内に将来対抗し得る国人領主の筆頭は、今のところこのnewmoではないか。

日本版ライドシェア戦国絵巻は、始まったばかりである。

【参考】

Uber Japan、規制緩和発表後初となる「加賀市版ライドシェア」の導入を支援-PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000130465.html

『軽井沢タクシー供給強化プロジェクト』始動 タクシーアプリ導入に加え長野県内周辺地域からのタクシーの応援派遣、「日本型ライドシェア」の導入など今春より開始予定-PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000231.000030664.html

newmo、シードラウンドで約15億円の資金調達を実施メルカリをはじめ、国内大手VC12社が資本参加-PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000137033.html

取材・文/澤田真一

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