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「継続は力なり」は勃起機能にも当てはまる可能性、カロリンスカ研究所報告

2024.02.24

「継続は力なり」は勃起機能にも当てはまる?

「継続は力なり」という諺は、男性の勃起機能にも当てはまる可能性があるようだ。マウスを用いた研究から、定期的に勃起することが勃起機能にとって重要である可能性が示されたのだ。

この研究では、その鍵を握っているのが線維芽細胞と呼ばれる結合組織細胞であることも示唆された。カロリンスカ研究所(スウェーデン)細胞・分子生物学分野のEduardo Guimaraes氏らによるこの研究結果は、「Science」に2024年2月9日掲載された。

研究グループによると、マウスかヒトかにかかわりなく、陰茎の組織で最も豊富なのは線維芽細胞であることは知られているが、その役割は不明であったという。

今回、Guimaraes氏らが、遺伝子ターゲティングと光遺伝学(optogenetics)により陰茎海綿体の線維芽細胞の脱分極を誘導して検討した結果、線維芽細胞が陰茎の血管の収縮や拡張に重要な役割を果たしていることが明らかになった。

また、線維芽細胞はノルアドレナリンの供給量を調節することで陰茎の血管を拡張させて勃起を促していることも示された。

論文の上席著者である同研究所のChristian Göritz氏は、「哺乳類での勃起の基本的なメカニズムは、解剖学的構造や細胞の構成などの点で、種を問わず非常によく似ている」と話す。

ただし、「ヒトの陰茎に骨はないのに対し、ヒト以外のほとんどの哺乳類の陰茎には骨があるという違いはある」と同氏は指摘し、「このことは、効果的な血流調節がヒトの生殖にとってより重要であることを意味する」と説明している。

さらに今回の研究では、マウスの勃起回数が多ければ多いほど、勃起を促す線維芽細胞が陰茎組織内に増加することも明らかになった。

この結果についてGöritz氏は、「さほど驚くような結果ではない。体は、酷使すればそれに順応するものだ。定期的にランニングをしていれば、徐々にランニング中でも楽に呼吸できるようになる。それと同じように、勃起の頻度が増えれば、勃起を可能にする線維芽細胞も増えるということだ」と話す。

逆に、勃起の頻度が減ると、線維芽細胞の数も減るのだという。

このほか、高齢のマウスは陰茎の線維芽細胞の数が少なく、血流も少ない傾向にあることも示された。この結果は、勃起の問題に直面することの多いヒトの高齢男性にも当てはまるのだろうか。

研究グループは、「その可能性はある」と述べる。そして、ジムでのトレーニングが筋力維持に役立つように、定期的な勃起「トレーニング」が勃起障害の予防に役立つのではないかとの考えを示している。

Göritz氏は、「この考えは研究で証明されたわけではないため推測の域を出ない。それでも、定期的に勃起していれば勃起しやすくなるというのは、合理的な解釈だろう」と話している。

研究グループは、この研究結果が、勃起障害に対するより良い治療法の開発に役立つことに期待を示している。研究グループによると、男性の5〜20%が勃起障害に悩まされているという。(HealthDay News 2024年2月9日)

Copyright © 2024 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.science.org/doi/10.1126/science.ade8064

Press Release
https://news.ki.se/fibroblasts-in-the-penis-are-more-important-for-erectile-function-than-previously-thought

構成/DIME編集部

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