e-ラーニングに関するサービスの様々なコンテンツを提供するイー・ラーニング研究所は、子どもがいる親を対象に「2024年:新学年の学習についての調査」を実施。結果をグラフにまとめて発表した。
約7割の親が新学年を迎える子どもに対して不安よりも期待を抱いている
「新学年を迎える子どもに対して期待と不安どちらが大きいですか<SA>」という問について、「期待している」(307)が約7割となり、不安を大きく上回る結果となった。
中でも、特に期待されている点としては「新しい学びを得られる点」(243)と「新しい友達ができる点」(207)があげられ、どちらも半数前後の回答を集めた。
一方で、不安に感じている点としては、「学習内容のレベルが高くなる点」(63)と「クラス替えにより友達関係が変化する点」(58)が4割以上の回答で最も多くなり、この他に「現学年での学習内容の理解が不足している点」(45)、「担任の先生が変わる点」(44)にも回答が多数寄せられた。
この結果から、新学期に人間関係や学習内容が新しくなる点に期待を寄せる親が多いものの、クラス替えや担任の先生の変更といった子どもを取り巻く環境の変化や、学習レベルの上昇に不安を抱えている親も一定数いることがわかった。
■半数以上の親が新学期前に子どもにやってほしいと思うのは「生活リズムの見直し」と「学習習慣の確立」
「新学年を迎える前に子どもにやっておいてほしいことはどれですか<MA>」の問では、「生活リズムを整えておく」(286)が6割以上で最も多く、「学習習慣をつけておく」(233)が半数以上で続き、健康面と学習面での習慣づけが重要であると、多くの親が考えていることが判明した。
また、「新学年を迎える際に子どもにチャレンジさせたいことはなんですか<MA>」と聞いたところ、「金融教育を勉強する」(222)が半数以上で最も多く、続いて2位「規則正しい生活習慣を身につける」(213)、3位「新しい友だちをたくさん作る」(191)となった。
昨今の物価高騰による家計の圧迫、投資信託の必要性の高まりを背景に、子どもたちにも金融教育が求められているとはいえ、進級・進学など新しい環境が始まるタイミングで子どもに学ばせたいと考えている親が多いようだ。
■英語でのデジタル教科書導入の認知度は3割程度と低いが、約8割の親が導入に賛成
「2024年度の教育業界での動きとして、英語の授業での「デジタル教科書」導入(※1)がありますが、この取り組みついて知っていますか<SA>」の問について、「いいえ」(303)が約7割となり、多くの親がデジタル教科書の導入について知らないことがわかった。
その一方で、「前問の取り組みについてどう思いますか<SA>」の問では約8割の親が「賛成」(345)と回答。中でも特に良いと考えられている点としては、約8割が「動画や音声を使って学習できる点」(341)と回答しており、リスニングやスピーキングなど音を学ぶ必要のある英語学習にとってデジタル教材は重要であると認識されていることが考えられる。
他にも、半数以上の親が「理解が不足している点を抜き出して重点的に学習しやすい点」(251)、「見たいページをすぐに検索できる点」(247)、「簡単に画面上で自分の意見や発表内容を共有できる点」(230)と回答しており、デジタル教科書による学習効率の向上にも期待値が高いことがわった。
調査概要
調査方法/紙回答
調査地域/全国
調査期間/2024年1月5日(金)~2024年1月30日(火)
調査対象/子どもを持つ親、親族に子どもがいる人 計441人
関連情報
https://e-ll.co.jp/
構成/清水眞希
「理数センスが身につく」「プログラミング脳が育つ」小学生が99×99までの2桁かけ算8100パターンを暗算できるドリルが人気
「VUCA」というビジネス用語がある。変動性、不確実性、複雑性、曖昧性を指す英単語の頭文字をとった造語で、AIなどの社会実装によってビジネス環境が大きく変化していることを示す。この予測困難な社会の到来を見据えて2020年3月、文部科学省は学習指導要領「生きる力」を公示。これを機に、中学受験算数の難化が囁かれるようになった。
中学受験は、受験者数が増加傾向にあるなど、競争激化の渦中にあるもののひとつだ。そして高まる受験熱は、新たなトレンドを生んだ。2ケタ同士のかけ算で使える、暗算ドリルが続々登場しているのだ。そんな数ある暗算ドリルのなかで大きな話題を呼んでいるのが、小学生向けの暗算ドリル『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』だ。
『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』
岩波邦明・著
『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』では、この本で初出となる「あゆみ算」を扱っている。「あゆみ算」とは、最先端のAIを学ぶ現役スタンフォード生でもある岩波邦明医師が独自に考案した画期的な暗算法のこと。東京大学医学部在学中に開発・出版し、累計発行部数66万部のベストセラーを誇る『岩波メソッド ゴースト暗算』から、およそ12年の歳月を経て開発した最新メソッドだ。
最新メソッド「あゆみ算」では、脳のワーキングメモリに着目している。計算する際に頭の中で扱う数字の数を減らすことで、2ケタ×2ケタの暗算を簡便化。筆算よりも速くかつ正確に2ケタ同士のかけ算が暗算できるだけでなく、「最短の工程で暗算できるから、誰でも簡単にマスターできる」「問題を解くたびに情報処理能力(プログラミング脳)がグングン育つ」など、さまざまなメリットがあるという。
どうして岩波医師は新たな暗算メソッドを開発したのか? そのきっかけは、スタンフォード大の大学院コースで最先端のAIを学ぶ中で「AI開発に数学が不可欠」という確信を得たことにあると話す。
スタンフォード大学で医療用AIの開発に挑む
岩波邦明さん/医師・現役スタンフォード生。1987年生まれ。東京大学医学部卒。在学中に暗算法「岩波メソッド ゴースト暗算」を開発。著書は66万部を超えるベストセラーに。
――岩波先生は現在、スタンフォード大学でAIの勉強をしています。医師でありながらAIを学ぶ理由をお聞かせください。
2022年11月、オープンAI社が生成AIのChatGPTを公開し、世界中に衝撃を与えました。私も衝撃を受けたひとりで、大きな衝撃を受けたと同時に、生成AIの世界に興味が湧いたのです。
翌年2月頃からプログラム言語やAIの勉強を始め、現在はスタンフォード生として大学院コースを受講しています。
――最新のAIについて勉強するなかで、気づきがあったそうですね。
はい。生成AIは100%数学でできていると言っても過言ではない。そんな確信を得ました。高校数学の分野でいうと、微分や確率、ベクトルですね。数学が生成AI開発の根幹部を支えているのです。
「数学を勉強しても将来、何の役にも立たない」という言葉をよく聞きますが、数学は世界の最前線を切り開くために必須な知識だと改めて気づきました。
――「生成AIが数学でできている」とはどういうことでしょうか?
例えば、ChatGPTはどうやって回答を導き出すのでしょうか。
「今日の天気は?」という質問に、天気に対応する言葉群から答えを選んでいると考える人は多いと思いますが、実際は違います。
確かに昔はそのようなプログラムだったこともあります。しかし現在の生成AIは、数式によって確率的に最も正しい〝らしい〞ものを選んでいるのです。
開発のステージでは、この回答の精度を向上させるために、微分を用いて数十億、多いときには数千億ものパラメーターを調整しているのです。この調整によって、いわゆるAIの賢さが決まります。
――数式で導き出すということは生成AIに学習させる段階で、数字で学習させるのでしょうか?
そのとおりです。生成AIのひとつであるChatGPTは〝言語〞ではなく言語を〝数字〞に置き換えてデータを蓄積します。そのおかげで生成AIは、それぞれの言語モデルを習得させる必要がなくなります。ChatGPTが英語だけでなく日本語やほかの言語でも高い性
能を発揮できるのは、それが理由のひとつだと考えられます。
――先生はAIを勉強した先に、どのようなビジョンを思い描いているのでしょうか?
医療用の生成AIを開発したいと思っています。例えば、医療画像を生成するAIです。X線写真を学習させた画像生成AIがあれば診療、研究、教育など多分野で活用できるようになるでしょう。自閉症の人たちをサポートする対話型AIの開発も考えています。ジョブインタビュー(就職面接)の練習やアドバイスをしてくれるAIがあれば、自閉症の方々の生活を大きく助けることができるでしょうし、そういった医師という仕事に直結する生成AIの開発ができればと、精進しています。
『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』では、2ケタ同士のかけ算全8100パターンに対応する新しい暗算法「あゆみ算」ほか、6つの暗算法「ラッキーあゆみ算」を収録している。