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【パリ五輪選手名鑑】スポーツクライミング代表〝茨城の天才少女〟森 秋彩

2024.02.29

パリ五輪選手名鑑vol.1「茨城の天才少女」

2021年東京五輪で初めて正式競技に採用されたスポーツクライミング。今年行なわれるパリ五輪では、観客に分かりやすいようルールの一部を改定して続投される。

そんなクライミングでメダル獲得への期待が高まっているのが、森秋彩(もり・あい)選手だ。

小学生の頃から「茨城の天才少女」との呼び声高く、わずか12歳にして日本一に輝いた実績もある。その後も国内外の大会で活躍し、2023年のワールドカップでは東京五輪の金メダリストであるヤンヤ・ガンブレットを下し金メダルを獲得している。

実力もさることながら、彼女は国内外問わずファンが多いことでも有名だ。YouTube上の大会アーカイブ動画には様々な言語で森選手を応援するコメントが寄せられ、インスタグラムには熱心なファンによる応援アカウントが作られるほどである。

なぜ彼女の登りはこれほどまでに人々を魅了するのか。今回は近日公開予定の独占インタビュー記事に先駆けて、森秋彩選手の魅力と強さを解説する。

森秋彩とは

2003年9月17日生まれ。茨城県山岳連盟所属。

6歳の頃、父親とショッピングモール内のクライミングジムに訪れたことがきっかけでクライミングを始める。わずか2年後にはイタリアのU-14キッズ競技会「アルコ・ロックジュニア」で総合優勝。これをきっかけに競技の道を志す。

12歳の時にはリードジャパンカップで史上最年少優勝。2019年の世界選手権では日本人女子史上最年少となる15歳で銅メダルを獲得するなど、スポーツクライミング界の数々の記録を塗り替える。
2023年8月にスイスで行なわれた世界選手権ボルダー&リードで銅メダル獲得。3位以内に与えられる五輪出場権を獲得し、同競技の日本人選手では一番乗りとなるパリ五輪内定を決めた。

現在、筑波大学に在学中。

<主な実績>

ここがすごい!森秋彩の魅力3選

①異次元の保持力!絶対に落ちない粘り強さ

自他共に認める森選手の強みの一つが「保持力」。ホールドを持ち続ける力である。

壁に設置されるホールドにはさまざまな種類がある。見るからに指がかかりづらそうな薄くて小さいものや、見ただけではどこを持つのか分からない大きいものなど、保持する難しさもさまざまだ。

しかし森選手にかかればどんなホールドもお手のもの。指先さえかかればまるで吸盤がついているかのように離さない。

「持つ力が強い」と聞けば素人としては、握力はどれほどのものか気になるところ。

ということでインタビュー中、森選手には握力測定に協力してもらった。

★動画はこちら

https://youtube.com/shorts/2IoJR0FZCVE?si=ZDTQsC88RluRz2LK

測定結果は右38.4kg。成人女性の平均が28kg前後であることを考えると十分強いが、「女子で60kg以上ある選手もいるので、自分はそこまで強い方ではない」と森選手は語った。保持力は奥が深い。

左が森選手、右は筆者。身長はほぼ同じだが、森選手の方が全体的に大きく厚い。しっかりした手も保持力の鍵?

②「えっ、そうやるの!?」思わず声に出してしまう個性的な登り

スポーツクライミングに階級やハンデは存在しない。身長が150cmの選手も180cmの選手も同じ課題を登り競う。そのため選手は自分の体格や特性に合った動きを選択する必要がある。

森選手は身長154cm、クライミング選手としては小柄だ。スポーツクライミングにおいてリーチ不足はどちらかと言えば不利に働きやすい。他の選手なら楽に手が届くホールドでも、指先がかからないこともしばしば。

そんな時森選手は、体幹や保持力の強さを活かしたユニークな解決法を魅せてくれる。

昨シーズンで特に印象的だったのは、2023年6月にオーストリアで行われたボルダーワールドカップでのこと。決勝第4課題は体を振って横のホールドに跳び移るダイナミックな課題。世界トップレベルの選手たちが苦しめられた。

この難所を、森選手は他の選手が足場として使っていたホールドを手で保持することにより攻略。身体を上手く折りたたんでホールドにぴったり嵌りこむ華麗なムーブに、現地の観客は大いに沸いた。小柄な彼女ならではの登り方だった。

③五輪切符掴むもポーカーフェイス クールでストイックなキャラクター

2023年8月にスイスで行われたボルダー&リード世界選手権。パリ五輪内定がかかったリード種目で森選手は最高高度をマーク、見事五輪内定を決めた。

その瞬間コーチ陣がガッツポーズで大喜びする一方、森選手の表情に笑顔はない。命綱に吊られながら、惜しくも掴みきれなかったゴールホールドをただじっと見上げた。

森は「落ちた瞬間はまだ自分の順位が分からなかった。降りながらコーチがガッツポーズして嬉しそうにしているのが見えて、『ああ……決まったんだ』って思いました」と当時を振り返った。

地上に降りた森選手は観客に向かってぺこりと一礼をした。普段、あまり感情を表に出さない彼女には珍しく、可愛らしくはにかんで手を振った。このギャップもまた、人気の秘訣なのかもしれない。

競技中は黙々と目の前の壁に向き合う職人さながらのストイックさを見せる

***

パリ五輪のスポーツクライミングは8月5日~10日に行われる予定だ。天才少女が大舞台でどのような登りを魅せてくれるのか、今から活躍が待ち遠しい。

取材・文/キタノ 撮影/洞澤佐智子

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