雛人形はいつから飾る?ひな祭り(桃の節句)の豆知識
最後に、雛人形やひな祭り(桃の節句)に関する豆知識をまとめてご紹介します。
Q. 雛人形はいつから飾ったらいい?
A. 一般的に、雛人形は立春(節分の翌日)~2月中旬頃までに飾られることが多い
とはいえ、特に決まっているわけではなく、「絶対にこの日に雛人形を飾らなければならない」ということはありません。
近年は縁起が良いことから、二十四節気(にじゅうしせっき)の雨水(毎年2月19日頃)の日に飾りはじめる人も多いのだとか。五穀豊穣や子孫繁栄、良縁などの縁起を担ぐことができるそうですよ。
ちなみに、「ひな祭りが終わったらすぐに雛人形を片付けないと今期が遅れる」とはよくいわれる迷信です!ただし、地域によっては3月3日の夜に片付けないと「非常識」とされることもあれば、1か月後の旧暦まで飾った後に天気の良いタイミングで片付ける、なんていうこともあるので、気になる人は地域の慣習に倣うのが良いでしょう。
片付けるのにおすすめなのは、湿気の少ない日。湿度が高い雨の日などに片付けてしまうと、湿気まで一緒にしまってしまうことになり、雛人形が痛む原因になります。
Q. 雛人形以外に飾ると縁起が良いものは?
A. 桃・桜・菜の花などのお花、つるし雛(つるし飾り)、名前旗(名前札)、羽子板、ぼんぼり、金屏風など…
●つるし雛(つるし飾り)…ちりめんなどの布で作られた小さな人形をまとめて紐でつるした飾り。モチーフは様々で、犬やうさぎ、花やトウガラシなど縁起を担いだものになっている。
●名前旗(名前札)…近頃は五月人形だけじゃなく、雛飾りとして雛人形にも添える人が多い。ルーツは戦国時代ののぼり旗。
●羽子板…魔除けや無病息災の縁起物として正月や節句に飾る風習がある。
●ぼんぼり…江戸時代の婚礼の儀(結婚式)で灯具として使われていたことから。
●金屏風…結婚式や披露宴でもお馴染み。「これからの人生が明るく照らされるように」などの意味がこめられている。
Q. ひな祭り(桃の節句)を祝う食べものといえば?
A. ちらし寿司、はまぐりの吸い物、菱餅、ひなあられ、白酒(甘酒)、桜餅など…
ひな祭り(桃の節句)のお祝いの席では、女の子の健やかな成長を願った縁起物が用意されることが多いです。
●ちらし寿司…えび(腰が曲がるまで健康で長生き)、レンコン(先の見通しが良い)、錦糸卵(金銀財宝を表す)、さやえんどう(まめまめしく働く)など縁起食材が多数使われているため。ひな祭りでは桃色の桜でんぶをふりかけてさらに華やかにすることが多い。
●はまぐりの吸い物…はまぐりはもともと対になっている貝殻同士でないとぴったりと合わさることができないことから、夫婦円満の象徴。
●菱餅…ひな祭りの代表的な食べ物。桃色=魔除け、白=子孫繁栄・長寿、緑=健康の願いがこめられている。雛飾りのお供えとしても定番。
●ひなあられ…ひな祭りの代表的なお菓子。外出先で菱餅を食べようとして作られたのがはじまりとされている。
●桜餅…ひな祭りの伝統的な食べ物ではないが、桜色が桃の節句や春を連想させることから食べられるようになった。
●白酒(甘酒)…もともと「桃花酒(とうかしゅ)」を飲む風習が変化したもの。中国発祥の白い濁り酒で、アルコールを含むため子供は飲めない。子供用に代用品として甘酒が用意されることが多い。雛飾りのお供えとしても定番。
ライフスタイルとインテリアに合わせてひな祭りを楽しもう
昭和生まれの筆者の実家では、毎年七段の雛人形を飾る習慣がありました。しかし子供が大きくなるにつれ出し入れの面倒さが勝るようになり、飾られる機会は徐々に減り、ついにはなくなってしまいました。
今は共働きが多く、とにかく多忙な家庭が多いので、インテリアアイテム感覚で気軽に飾れるモダン雛人形はおすすめです。扱いやすい素材を選べば、子供にお手伝いしてもらいながら飾ったりしまったりができるのも良いですね。
飾り方など一般的な風習はありますが、もともと地域やご家庭によって異なる部分も多いもの。あまり構えることはないと個人的には思います。
デザインや素材の幅が広がった今どきのモダン雛を飾って、自由にひな祭りを楽しんでみてはいかがでしょうか?
文/黒岩ヨシコ
編集/inox.