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ChatGPTの普及がGoogleに与える影響は?新たなフェーズに入ったブラウザ戦争の行方

2024.02.23

米国経済テックシリーズ「ブラウザの歴史」

ブラウザとは、インターネットを通じてウェブページを閲覧したり、ウェブサイトとやり取りしたりするためのソフトウェアを指します。その語源は英単語で「閲覧する」の動詞「browse」からきています。

2024年現在、ブラウザの代表格としてはGoogle ChromeやSafariなどがあります。

こうしたブラウザを使用することで、ウェブページの閲覧、検索、ブックマークの管理などが可能になるのです。

またブラウザの変遷はブラウザを開発する企業の成長と共に変化を続けており、常に新たなブラウザが台頭してきました。

そこで今回は米国経済テックシリーズとして「ブラウザの歴史」について解説していきます。

ブラウザの歴史

【ブラウザ黎明期】

1991年8月、イギリスの科学者ティム・バーナーズ・リー氏が最初のウェブブラウザ「WorldWideWeb」とHTMLを発表し、「web」という概念が生まれました。この初期のブラウザは「WWW」という名称で、画像表示はできず、文字だけの文章を閲覧するソフトウェアでした。

1993年3月、NCSA Mosaic(モザイク)が登場し、テキストと画像を両方表示できるようになりました。後に登場するInternet Explorer(以下,IE)やFirefoxなどのブラウザは、このMosaicを参考にして開発されたのです。

つまり、すべての現代ブラウザのルーツとも言える存在が誕生したのは、今から約30年前のことともいえるでしょう。

1994年には、モザイクコミュニケーションズ社がモザイクの後継ソフト「ネットスケープナビゲータ」を発表し、会社名もネットスケープコミュニケーションズに変更されました。

当時、ネットスケープナビゲータは世界シェア9割を超えたともいわれ、現在のグーグルのような圧倒的なシェアを握っていました。

【インターネットエキスプローラーの台頭】

1995年8月、Windows95の登場とともにインターネットエクスプローラ(以下,IE)が誕生しましたが、初代IEはWindows95には標準搭載されず、拡張ソフト集「Microsoft Plus! for Windows 95」に収録されました。

またIE1やIE2は能力が乏しかったものの、Windows95の後のバージョンにIE3が同梱されるようになると、急速にシェアを拡大していきました。

この時期は、ネットスケープとIEが激しくシェア争いをしていた「ブラウザ戦争」として知られています。

各ブラウザは新しい技術を次々と導入し、JavaScriptなどの現在のウェブ技術の基礎を築きました。しかし、当時は標準化が進んでおらず、各ブラウザが独自の技術を投入していたため、表示に差異が出ることがありました。

IEは柔軟に対応していたため、多少の記述ミスがあっても表示される傾向があり、結果的にIEの方が情報量が多く、ユーザーの支持を集めることに成功します。

こうして1998年ごろまで、ネットスケープナビゲータが最も広く使われる主要ブラウザとしてのポジションをキープしていましたが、徐々にWindows95にシェアを奪われていく運命を辿ります。

その後、Windows98とIE4が統合されたことで、IEのシェアが大幅に急増し、2000年頃にはブラウザ戦争において、Windowがシェアを握る形で事実上終結しました。

しかし、こうしてIEが安定したシェアを手に入れたことから、IE6以降は長い間バージョンアップが行われず、新技術が投入されない時期が長く続いていきます。

【インターネットエキスプローラーの低迷】

IEがブラウザの覇者となったあと、各社は競うように従来のIEにはない、新たなブラウザをローンチしようと試みる動きが活発化します。

たとえば2004年に登場したFirefoxはネットスケープの流れを汲んだブラウザであり、IEに次ぐブラウザシェアを握るほどの成長を遂げます。

この時期、IEは6.0までアップデートを繰り返すばかりで、新たな体験を提供できたとはいえず、こうしたIEの長い安定期がユーザーのマンネリ化へとつながっていきました。

とはいえ、当時のIEが盤石であったかといえばそうではなく、たびたびセキュリティの脆弱性が指摘されており、スパイウェアやウィルスが問題になっていきます。

そして、こうしたセキュリティ問題に対処することが新たなビジネスチャンスとなり、次々とブラウザがローンチされていきます。

そのなかでも注目を集めたのがグーグルによる「Google Chrome」でした。

【Google Chromeの時代が到来する】

2008年に登場したGoogle Chromeが、それまで長くブラウザの覇者として君臨していたIEによる一強時代を塗り替えていきます。

グーグルのブラウザは、同社の他のサービスとの親和性や高いユーザビリティから急速にシェアを拡大させることに成功しました。

2010年ごろのブラウザシェアは、IEが60%弱、FireFoxが20%強、Chromeが8%という状況でしたが、2012年になるとChromeがFireFoxを抜き、2014年には遂にIEのシェアを押しのけ、Chromeがブラウザシェア率において首位となったのです。

こうして、2024年現在まで、Google Chromeが覇権を握る時代が続いています。

ちなみに、アップルのSafariも独自のブラウザとして同時期にシェアを伸ばしています。

ところが現在、もはや盤石と思われたグーグルにも危機がやってきています。

それがChatGPTの台頭です。

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