積水ハウスは花粉の飛散が多くなる春の時期に向けて、より快適な住まいの提案を目的に、全国の20~60代の男女を対象とした「花粉に関する調査」を実施。結果をグラフにまとめて発表した。
同社の研究機関である住生活研究所では、暮らしにおける「幸せ」のさらなる追求のために「住めば住むほど幸せ住まい」研究として様々な調査を行なっており、今回は春の時期に向けて、花粉症の症状や対策状況、さらに同時期に飛来する黄砂に関する困りごとや対策などを調査した。
約半数が花粉症の症状あり、関東甲信では2〜4月まで半数以上の人に症状
調査では、全国で花粉症の症状がある人は45.5%であることがわかった。症状がある人の割合は地域によっても差があり、特に多いのは東海(52.0%)、関東甲信(50.4%)で、それぞれ半数を超えた。
最も少ないのは北海道(25.3%)で、九州・沖縄(34.9%)、北陸(35.1%)も少ない結果となった。
あわせてハウスダストや、花粉と同時期に飛来する黄砂についても聴取したところ、ハウスダストは地域を問わず約3割が症状ありと回答。黄砂では、西日本のほうが症状がある人が多く、東海や近畿、中国・四国で2割を超える結果が出た。
ここからは、花粉症の症状がある人を対象に聴取を行なった。
花粉症の症状が出る時期を聞いたところ、多少の地域差はあるものの、全国的に2月(37.6%)から増え始め、3月(70.0%)と4月(72.0%)にピークを迎えることが判明。
その後、5月(45.0%)から減少傾向となり、6月(14.8%)には症状が落ち着く人が多いようだ。地域別では、春の花粉症では関東甲信が他の地域より少し早く、2月(50.5%)に症状が出始める人が多いことがわかる。
また、秋の花粉症は9月から10月がピークだが、症状が出る人は約2割と、春の1/3程度となっている。
■外出時は約7割が花粉対策だが、帰宅時に自宅に花粉を持ち込まない対策の実施率は4割以下
花粉症の対策状況について聞いたところ、外出時は約7割の人が花粉対策をしていることが判明した。
その内容の1位は「マスクの着用」(92.6%)で、ほとんどの人が回答。2位の「花粉のひどい時期には外出を控える」(31.5%)、4位の「花粉の飛散が少ない時間帯に外出する」(19.5%)など、時期や時間によって外出そのものを控える人も一定数以上いることがわかった。
一方、家の中での家事・換気・空気環境における花粉対策を行なっている人は約半数だった。最も多かったのは半数以上が回答した「空気清浄機を使用する」(53.6%)で、「洗濯物は室内干しをする」(43.1%)や「外干しした洗濯物をはたいてから取り込む」(28.6%)など洗濯関連の項目、さらに「掃除の頻度を増やす」(25.0%)、「いつもより念入りに掃除をする」(25.0%)と掃除関連の項目の順に続いている。
帰宅時に自宅に花粉を持ち込まないようにしている人は、37.0%と限られるようだ。内容は「帰宅後すぐに手洗いをする」(73.5%)、「帰宅時に衣類についた花粉をはたく」(71.4%)、「帰宅後すぐにうがいをする」(67.0%)と、手軽に行える対策が上位を占めた。
「帰宅後すぐに目を洗う」「入浴・シャワーをする」など、花粉を洗い流す対策も約3割の人が行っていることがわかる。
一方で半数以上の人は帰宅後の対策ができておらず、せっかく気を付けて外出をしても、家の中に花粉を持ち込んでしまっている人も少なくないようだ。
■外出時の花粉対策は「マスクの着用」「花粉対策メガネ」
花粉対策をしている人に、その中で効果があったと思うものを聞いたところ、外出時の花粉対策では「マスクの着用」(89.5%)や、「花粉対策メガネ」(64.2%)といった対策グッズが上位となった。
その他にも「花粉のひどい時期には外出を控える」(65.5%)が挙がっている。
家事・換気・空気環境では、「花粉フィルター等のついた空調機器の活用」(86.1%)が1位に。2位と3位に挙がった洗濯物関連の対策も、とくに多くの人が効果を感じていることがわかった。
帰宅時の対策は、「帰宅後すぐに目を洗う」(81.7%)、「入浴・シャワーをする」(79.6%)、「帰宅後すぐにうがいをする」(71.0%)など、洗浄効果を感じている人が多いことが判明した。
■花粉予防のためにあったらよい設備は洗濯関連設備が上位に
花粉症の予防のためにあったら良いと思う設備では、「花粉フィルター等の付いた換気装置」(27.0%)が最多で、2位以下は「室内干しスペース」(17.0%)、「サンルーム」(14.2%)など、洗濯関連のものが多く挙がった。
約1割が回答した「玄関収納」は、花粉対策グッズや花粉のついた衣類や持ち物の置き場としても活躍が期待できる。
■黄砂対策は花粉と同様の項目が多数を占める
花粉と同じく春の時期に飛来する黄砂についても、花粉症の人のうち約半数が困っていることがわかった。地域別では近畿と九州が多く、約7割が「困っている」または「やや困っている」と回答している。
困っている人にその内容を聞いたところ、1位に「車に黄砂がつく」(62.9%)、3位に「洗濯物に黄砂がつく」(50.6%)と、黄砂の付着に関するものが挙がったほか、「目が痛くなる・かゆくなる」(51.8%)「喉がイガイガする」(49.8%)、「鼻水が出る」(48.6%)など、アレルギー症状などに関する項目もそれぞれ約半数の人が回答した。
そんな黄砂への対策を聞くと、「マスクの着用」(34.8%)、「洗濯物は室内干しをする」(22.8%)、「帰宅時に衣類についた黄砂をはたく」(16.8%)など、花粉対策と同様の項目が多く挙がっている。
一方で、約4割の人は何も対策ができていないことも明らかに。悩みや対策方法が似ているからこそ、同時期に来る花粉と黄砂対策を同時に行なっていきたい。
調査概要
調査期間/2023年12月22日~25日
集計対象人数/スクリーニング調査5000人、本調査500人
集計対象/全国の20~60代の男女
関連情報
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/research/20240216/
構成/清水眞希