第一三共ヘルスケアは、全国47都道府県を対象に「花粉症」が及ぼす影響に関する調査を実施。結果をグラフと図表にまとめて発表した。
全国では半数以上の人が“花粉症持ち”であることが判明
全国47都道府県の4700人を対象に「花粉症を発症した経験」の有無について質問したところ、全体で55.1%が「花粉症を発症した経験がある」と回答し、半数以上が“花粉症持ち”であることがわかった。
また、都道府県別で比較すると、「静岡県」が74.0%で全国花粉症発症率第1位に(図表1)、“花粉症持ち”の人数が最も少なかった都道府県は「沖縄県」(23.0%)となった。
■スギの量が多い「東北地方」の花粉症発症率は約53%、全国平均を下回る
さらに、日本列島を9つのエリアに分類し、地方別の花粉症の発症率と引き起こす要因として最も多いスギの植林面積を比較してみると、植林面積が最も広い(※)「東北地方」の発症率は約53%(52.7%)と、意外にも全国平均(55.1%)を下回る結果となった。
一方、スギの植林面積が「東北地方」の3分の1程度と全国的に見ても狭い「東海地方」や「関東地方」などは花粉症発症率が6割を超え、全国の中でも発症率が高いことが明らかになった(図表2)。
※環境省「花粉症環境保健マニュアル2022」地域別スギ林面積
最も多い花粉症状、第1位は「鼻水・鼻づまり」
実際に花粉症状として最も多い回答は「鼻水・鼻づまり」となり、9割以上(93.2%)が同じ症状を抱えていることがわかった。
また、「くしゃみ」(82.0%)や「目の充血・かゆみ」(66.8%)といった症状も上位に入り、花粉症の代表的な症状であることが判明。
さらに、約5人に1人(19.9%)が「体のだるさ」も感じており、花粉症による影響が、鼻炎や目の炎症だけでなく、体全体の健康状態を左右することが推察できる(図表3)。
■花粉症が「風邪と同等またはそれ以上につらい」と感じている人は約7割
花粉症状は、「鼻水」や「くしゃみ」のイメージが強く、軽いアレルギー反応と思われるケースも多いかもしれない。
しかし、実際に“花粉症持ち”の人を対象に、風邪を基準として花粉症のつらさの度合いについて質問したところ、「風邪と同様のつらさを感じる」(37.2%)、「風邪よりも花粉症の方がつらさを感じる」(29.6%)と回答した人が全体の約7割(66.8%)に達した。
花粉症により、風邪と同等、またはそれ以上の「体調不良」を感じている人が多いことがわかる(図表4)。
花粉症で「仕事や勉強に支障がある」と回答した人は約8割
続いて、花粉症が日常生活に与える影響について調査した。“花粉症持ち”の人に「花粉症による仕事や勉強への影響(支障)」の有無について質問したところ、「ある(とてもある+まあある)」と回答した人が約8割(78.2%)となり、大多数の人が花粉症によって日常生活への支障を感じていることが判明した
(図表5)。
■“花粉症持ち”の4割以上、仕事・勉強のパフォーマンスが通常時の6割以下に低下
「花粉症により仕事や勉強に支障がある(とてもある+まあある)」と回答した人に、通常時と花粉症発症時でのパフォーマンスの違いについて聞いた。
その結果、花粉症によって仕事・勉強へのパフォーマンスが通常時の6割以下に落ち込むと感じている人が、4割以上(43.4%)いることが判明。
花粉症により、大きくパフォーマンスが下がり、勉強や仕事などの日常生活に大きな影響を与えていることがわかる(図表6)。
花粉症によるパフォーマンス低下、要因の第1位は「集中力が低下する」
さらに、花粉症によるパフォーマンスの低下を引き起こす要因として、最も多い回答は「集中力が低下する」(69.1%)だった。
次いで、花粉症状の中でも代表的な「鼻水や咳が気になる」(50.0%)や「鼻水をかむ時間を取られる」(46.9%)といった要因が上がっている(図表7)。
花粉症がもたらす様々な症状が、集中すべきタイミングで障害となり、パフォーマンスの度合いに大きく影響してしまっているようだ。
■半数が花粉症で「会社や学校に行きたくない」と感じた経験あり
つらい症状やそれを要因としたパフォーマンスの低下など、あらゆる影響をもたらす花粉症によって、「会社や学校に行きたくないと感じたことがある(とてもある+まあある)」と回答した人は、半数(50.2%)に達した(図表8)。