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捕獲器に猫が入ったらスマホに通知!猫のまち・かほく市と保護団体が取り組む、野良猫たちの命を救う官民合同対策

2024.02.19

かほく市が野良猫不妊・去勢手術の助成に踏み切ったのは市内からの相談がきっかけ

松本 もう一点、「猫のまち」かほく市では、昨年から野良猫の不妊・去勢手術費の一部助成をスタートしたとのことですが、この制度を設けた目的と、具体的な助成の内訳を教えてください。

東さん 助成制度を設ける前から市には野良猫に関する苦情・相談が多数寄せられていました。助成制度開始前は、市民の方々がボランティアで野良猫に対する不妊・去勢手術を行い、地域猫活動を進めていました。

このようなボランティアの活動を支援し、市内における野良猫問題の解決を図るため、市として野良猫の不妊・去勢手術費を助成することとしました。

助成額は雄6,000円/頭、雌10,000円/頭となります。

保護された野良猫を家族に迎える選択肢もある!気がかりな野良猫を見つけたら私たちができること

松本 交通事故、喧嘩や虐待による負傷、感染症に寄生虫と、野良猫の生活はとにかく苛酷で、屋外で暮らす猫の寿命は、飼育下の猫よりもかなり短い傾向にあります。

最後に「猫のまち」かほく市の立場から、気になる野良猫を保護しようか悩んでいる、未来の飼い主さんに向けて、その背中を押すような言葉はありますか?

東さん ボランティア団体では、保護された猫の里親探しもしています。新しい家族に迎えてくださる方は、ボランティア団体にご相談をお願いします。

野良猫は不妊・去勢手術を行わずに放っておくとあっという間に数が増えてしまいます。

不幸な猫を増やさないためにも、気になる野良猫がいたら、まずはお住まいの町会区やボランティア団体、市にご相談ください。

それぞれが協力し合いできることを行うことで、望まれない命の誕生を防ぎましょう。

かほく市のような取り組みが広がれば、人と猫との関係性はもっと良好になるはず!

ということで、今回はかほく市の生涯学習課の四柳智恵さんと防災環境対策課の東賢一さんにお話を伺った次第である。

「猫のまち」として、これ以上野良猫が増えて、結果的に満足な食事も、住環境も得られず、栄養状態も悪い中、長生きできないといった個体を少しでも減らすため、現状出来ることをしっかりとやっている自治体という印象を受けた。

既に野良猫問題については積極的な動きを見せる市町村もある。

筆者も野良猫の避妊・去勢手術の一部負担を行う市はいくつか知っている。

ただ、かほく市のように地元で活動する保護猫団体との協力や、地元企業と協力してものづくりをする自治体というのは、まだ珍しいはずだ。

現状では、法人団体が積極的に保護活動、地域猫活動を行っているものの、行政からの手助けも欲しいと漏らす声を聞くこともある。

とにかく、かほく市の取り組みの認知度が高まり、多くの人が野良猫の「可愛い」という側面以外も多角的に知るきっかけになってくれると嬉しい。

本記事がその足掛かりとなれれば、と強く思う。

野良猫というのは、決して悪者にすべき存在ではない。

元々今私たちの知る猫とはイエネコという種であり、厳密には外来種。

本来であれば日本の屋外にはいなかったものが、何百年もかけてすっかり定住して今に至る。

とは言え、猫にとっても日本の気候風土は決してラクに乗り切れるものではない。

夏の暑さで死んでしまう個体。寒さに耐えかねて冬に凍死してしまった個体。どちらも見たことがある。

外の暮らしが気楽に思えるのは、ほとんど人間側の勝手な思い込みでしかない。

猫にとっては、ペットとして適正管理飼育されてこそ、ようやく食と住の不安がなくなるのだ。

一朝一夕に結果が出るわけではないのかもしれないが、かほく市で行われている、官民合同の野良猫対策は、不幸な命を無駄に増やさないように、まさに蛇口の元栓を締めに掛かっている行為と考えてもいいはずだ。

文/松本ミゾレ

【取材協力】
かほく市

【参考】
かほく猫の会 Instagram
かほく猫の会 のらch YouTube
IT-CATSかほく推進協議会

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