毎年11月にインドのゴアで開催されるイベント“Motoverse 2023(モトバース)”で特別限定モデル「SHOTGUN 650 Motoverse Edition」を華々しくデビューさせたロイヤルエンフィールドは、「SHOTGUN 650」の市販モデルを発表した。
このカスタムシーンにインスパイアされた唯一無二の魅力的な新型「SHOTGUN 650」は、ステンシル・ホワイト、プラズマ・ブルー、グリーン・ドリル、シートメタル・グレーの4カラーを展開。2024年に世界市場で発売する予定となっている。
今回のモーターサイクルについて、アイシャーモーターズ・リミテッドのマネージング・ディレクター兼CEOであるシッダールタ・ラル氏は、次のようにコメントしている。
「SHOTGUN 650は、カスタム・コミュニティーと長年関係を築いてきたロイヤルエンフィールドのDNAを受け継ぎ、ファクトリーカスタム・モーターサイクルとはどのようなものであるべきか? それを未来的な視点から解釈したモデルです。
既存のモデルカテゴリーに分類されることを拒み、フォルムもスピリットも新しく構築しました。人間工学に基づいた車体設計によって、市街地でも、ツイスティなワインディングでも、ストレートな高速道路でも、優れたハンドリングを発揮します。
そんなSHOTGUN 650の発売は、ニッチで新しいカテゴリーのモーターサイクルを、成長するエンスージアストたちに届けようという、我々の挑戦なのです」
定評ある648cc並列2気筒エンジン搭載
世界的に実績のある650ツイン・エンジンを採用したSHOTGUN 650は、ロイヤルエンフィールドのデザインにおける新しいチャプターであり、エキサイティングな未来像でもある。
そのレトロフューチャリスティックなデザインは、ロイヤルエンフィールドがEICMA(ミラノモーターサイクルショー)2021で発表したコンセプトモデル「SG650 CONCEPT」へのオマージュであり、世界中のライダーが“カスタム”というパーソナライゼーションをイメージしやすい、真っ白なキャンバスの役割を果たす。
その新型車の心臓部であるエンジンについて、ロイヤルエンフィールドのCEO B・ゴビンダラジャン氏は、次のように述べている。
「SHOTGUN 650は、私たちのポートフォリオの中でも非常にユニークなモーターサイクルですが、その心臓部には、ロイヤルエンフィールドの純粋なDNAを受け継ぎました。
648cc並列2気筒エンジンは個性的で汎用性の高いプラットフォームであり、どのようなスタイルのモーターサイクルにも適応することができます。
このエンジンは力強い低回転域、そして全域に渡って感じることができる豊かなトルクを備え、魅力的で爽快な走りを実現します」
ロイヤルエンフィールドは、外装類のほとんどを金属製パーツで揃え、それらを加工しやすく、ゆえにカスタマイズの代名詞となった。
歴代モデルはどれもユニークで、豊かで感動的な物語を持ち、こうしたストーリーはカスタムビルダーのイマジネーションを刺激し、その物語はカスタムコミュニティによって語り継がれてきした。
EICMA 2021でロイヤルエンフィールドが発表したコンセプトモデル「SG650 CONCEPT」が、世界のモーターサイクル・コミュニティから大きな反響を得たことで、ロイヤルエンフィールドはその市販バージョンの開発に乗り出すことになった。
SHOTGUN 650の新しい構成パーツとそれによって生まれたキャラクターは、従来のモーターサイクルの分類を覆し、ライダーの個性に合わせて変化させることができる。
特に個性的なのはシート周りで、モジュラー設計により、1人乗り、2人乗り、ケース装着などによるツアラー仕様と、3つの仕様を簡単に切り替えることができ、究極のフレキシビリティを提供する。
スポーティでアグレッシブなライディングを求めるライダーにも、ゆったりとしたライディングを楽しみたいライダーにも、SHOTGUN 650は、その時の気分やライディングスタイルに合わせて変化させられるようになっている。
SHOTGUN 650のデザインと開発の道のりについて、デザインチーフのマーク・ウェルズ氏は、以下のように語った。
「何十年もの間、ロイヤルエンフィールドの各モデルは、お客様によってカスタマイズされてきました。その豊かな創造的文化にインスピレーションを受け、私たちは制限を取り払い、イマジネーションを解き放ったデザイナーたち、そして設計者たちとディスカッションを重ねました。
こうして出来上がったSHOTGUN 650のデザインは、斬新でありながら私たちの伝統を尊重しており、ロイヤルエンフィールドの未来像も表現しています」
世界各地で様々な賞を受賞した650ツインエンジンを中核とするSHOTGUN 650は、2気筒モデルならではの楽しさを満載しているす。人間工学に基づき最適化した、ミッドコントロールと呼ぶライダーに近いステップポジション、795mmの低いシート高、そして自然な位置にあるハンドルは、ライダーに安心感とともに、高いコントロール性を与える。
フロントサスペンションには減衰力機能とスプリング機能を左右のフォークに分けたSHOWA φ43mmSFF-BPを、リアにツインチューブ5段プリロード調整式リアショックユニットを採用。ともにサスペンションの長さもその特性も、専用にチューニングを施した。
またフロント18インチ、リア17インチのチューブレスタイヤを装着したことにくわえ、前後サスペンションを変更したことによるアライメントや車体姿勢の変更などによって、快適性を損なうことなく、高速走行時の安定感を維持しながら、街中やワインディングでもライディングを楽しむことができる。
車体デザインにおいては、レトロフューチャー・デザインと現代的な機能を融合した。ヘッドライトとメーターを備える“ナセル”と呼ばれるライト周りの装飾はロイヤルエンフィールドの象徴的なディテールとなるが、SHOTGUN 650ではそのナセルを現代的に解釈。
フロントフォークを支える上下三つ叉と連携したラインを持つ、宙に浮いたようなデザインのモダンなナセルにLEDヘッドライトをセットし、視認性を向上させている。
また矢印で進行方向を知らせるナビゲーションシステム「Tripperナビゲーション・システム」を搭載。スピードメーターの脇に装備した、小型のデジタルディスプレイがその機能を表示する。
新登場のアプリ内機能「ロイヤルエンフィールド・ウィングマン」も搭載されており、ボタンを押すだけで、アプリと連携した車両の現在地、燃料やエンジンオイルの残量、サービスリマインダーなどの最新情報を入手することができる。さらにUSBポートも装備しており、外出先でもデバイスの充電が可能となっている。
そしてSHOTGUN 650には、31種類の純正アクセサリーを用意した。同モデルの魅力をさらに際立たせるようデザインした、バーエンドミラー、ソロシート、切削加工を施したビレットリムなどバリエーション豊かなパーツを揃えた。またSHOTGUN 650のスピリットを補完するために、スタイリッシュなアパレルもラインナップしている。
そのアパレルラインには、アメリカのメーカーであり、世界有数のストリートベースのモーターサイクル用プロテクションアパレルブランドである「ICON Motorsports」と提携したライディングギアもラインナップ。詳細は後日発表するとしているが、これは2つのブランドによるエキサイティングなグローバル・コラボレーションが始まる。
関連情報:https://www.royalenfield.co.jp/
構成/土屋嘉久