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能登半島地震で350台の衛星ブロードバンド「スターリンク」をKDDIが無償で提供した理由

2024.02.16

Starlinkが大活躍

房野氏:移動基地局車で復旧させたところが多かったのでしょうか。

KDDIの「車載型無線基地局」イメージ

石川氏:移動基地局車がメインだけれど、今回は圧倒的にStarlinkの数が多いという感じがする。KDDIは、光ケーブルがるながらない既存の基地局へ、直接Starlinkアンテナを取り付けて、それでトラフィックを逃がすということをやっていた。

石野氏:話を聞くと、Starlinkアンテナの軽さが良かったようです。KDDIが社内で使っているものと、個人ユーザー向けに販売しているものと、重さはほとんど変わらないようですね。

法林氏:ポータビリティに優れていることが大きい。

石川氏:移動基地局車には運転する人が必要だし、自動になっている部分もあるけれど設置に時間もかかる。災害時はネットワーク専門の人だけではなくて、別部門から駆り出されてくる人も多いので、当地にあまり詳しくない人が担当することもある。そういう人が移動基地局車での作業をお願いされても難しい。でも、Starlinkだった、ポッと置いて電源オンしたら、あとは勝手につながってくれる。

石野氏:特に免許もいらない。

石川氏:そう。そういう機動力の高さ、運用のしやすさで評価されている。結局ドコモもStarlinkアンテナを導入したそうだし。

石野氏:KDDIの話を聞くと、車道が不通でも、歩いて行けるところまで車から降りてStarlinkを担いで行ったと。そういうところでポータビリティというか持ち運びやすさが重要だった。

石川氏:Starlinkのオプションで、携帯用のリュックもちゃんと付属しますからね。

房野氏:KDDIは500台程度、Starlinkを現地に持っていって避難所と災害対応機関に提供したそうですが、それは災害用にキープしていたのでしょうか。

法林氏:いや、いろんなところからかき集めたんじゃないかな。スターリンクジャパン側が持っている在庫も足したと思う。

石川氏:一旦コストコから引き上げたかもしれせんね。

法林氏:KDDIは、Starlinkを提供しているスペースXと日本のキャリアとして最初に提携した会社。結局、ドコモやソフトバンクも後から追いかけてきた。

石野氏:今回、移動基地局車も全国から投入されていましたね。

法林氏:復旧マップを見ると移動基地局車の数が尋常じゃなかった。

石野氏:船を出すし、基地局車も各社、多いところで100台くらい出している。東日本大震災から10数年経ってここまで災害対策は進歩した。応急復旧の完了まで、結果として2週間くらい時間はかかりましたが、でもずいぶん進化したなと思いました。

楽天モバイルの災害対策

石川氏:3社とも東日本大震災の経験が生きているし、楽天モバイルもちゃんと対応していたと思います。元々、倒れた基地数が2桁と圧倒的に少ないけれど。

法林氏:でもアンテナはちゃんと固定しないとダメ。倒壊したビルの写真を見ると、ビルの目の前に楽天モバイルのアンテナが外れて落ちていた。

房野氏:えっ、倒壊したビルに設置されていたのですか?

石川氏:他の3社は、当該のビルに基地局を置いていなかった。3社は基地局のサイズが大きいので、その荷重に耐えられないビルだったんじゃないかと。楽天モバイルの基地局は軽いから、設置できたっていう言い方もできる。

法林氏:でも外れていた。人災にならなくて良かったと思うよ。

石野氏:実際、外れたのかな。ビルが倒壊しているから、上ごと取れてしまったのかなとも……

石川氏:楽天モバイルの基地局って頭でっかちな形状が多いじゃないですか。結構、バランスを崩して倒れているんじゃないかなって気がするんだよなぁ。

石野氏:楽天モバイルの基地局は数台しか倒れていないとか。まぁ、元々の数が少ないですけれど。能登半島のエリアの多くが、KDDIのローミングで対応していたんだと、改めて驚きました。

法林氏:復旧エリアマップを見たら、本当に楽天モバイルの自社エリアは狭いよね。

石野氏:全然カバーできていない。珠洲市はほぼKDDIのローミング。楽天モバイルの復旧マップは、KDDIのローミングエリアは反映していないから、最初から復旧しているように見えたんですよ。実際はローミングエリアもつながらなかったんですけど、それをは反映していないので。

法林氏:復旧エリアマップの見やすさがね。楽天モバイルのはちょっとわかりにくかった。

楽天モバイルの2024年1月1日発災直前(左)、1月3日午前10 時時点(中央)、1月 15 日午後9時時点(右)の復旧エリアマップ比較

石川氏:マップの仕様は各社統一してほしいですね。

法林氏:そうそう。縮尺もバラバラだった。

石野氏:Rakuten最強プランで人口カバー率をローミングエリアと合算しているんだったら、復旧マップもKDDIの情報をちゃんと反映してほしいですね。

房野氏:副回線サービス(デュアルSIMにより他社の副回線に切り替えて利用可能なサービス)は、災害時に活用されたんでしょうかね。

石川氏:利用されていないだろうし、意味がなかったという言い方をしていたかな。

法林氏:副回線サービスは、今回のような大規模な災害時のためのものではないです。どちらかというと一昨年のKDDIの通信障害のような時のためのもの。災害時、通信回線が不通になる時は、全社がつながらなくなることが多いので。

石野氏:ただし、さっき話したpovoを契約した人のように、KDDIが圧倒的に復旧が早かったエリアもある。ドコモが圧倒的に早かったエリアも当然あると思う。エリアによって復旧の速度が違ったので、1日でも早くスマホを使いたいという人は、2社契約していれば、つながる確率は高くなる。

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