パナソニック コネクトは、業界初(※1)となる設置現場に応じたAI追加学習を可能とするAIアプリケーションを搭載したi-PROのハイエンドAIネットワークカメラ「Xシリーズ」9機種の取扱いを開始すると発表した。
ラインナップは、屋外用ボックスカメラ、屋内用ドームカメラ、屋外用ドームカメラのそれぞれ解像度2MP、5MP、8MPモデル各3機種の計9機種。2MP、8MPモデルは2024年2月、5MPモデルは2024年4月から販売する。価格はいずれもオープン。
AI追加学習により現場で検知対象の追加や精度向上が可能に
従来のAIアプリケーションは、人物、車、二輪車など、既に学習済みの対象物のみ検知が可能で、昨今被害が増加しているクマやイノシシなどの動物、工場におけるフォークリフトといった特殊車両など学習されていない対象物は検知することができなかった。これらを検知するにためには新たなアプリケーション開発が必要となるほか、様々な顧客の現場環境によって、検知したい対象物と類似した物体の誤検知(誤報)や、検知対象物が検知されない(失報)など、精度にも課題が残されていた。
新開発のAI現場学習アプリケーションでは、顧客の現場で追加学習を行なうことで、検知対象の追加や検知精度の改善などのAI動体検知アプリケーション(WV-XAE200WUX)の性能向上が可能。これにより、従来と比べて信頼性の高い解析データの取得や誤報・失報を抑えることが可能となり、野生動物による被害や工場内での接触事故の未然防止、無駄な現場巡回業務の削減などを実現する。なお、このAI現場学習アプリケーションは、今回登場する新「Xシリーズ」で初めて搭載する。
新しい「Xシリーズ」では、基本性能や筐体デザインはそのままに、AI性能を大幅強化しており、現行モデル比で4倍のAI性能、3倍CPU性能を実現し、最大9つのAIアプリケーションの搭載、最大5つ(2MP、5MPモデルの場合。8MPモデルの場合は最大4つ)のAIアプリケーションの同時使用が可能。これにより、切り替えの手間なく必要なAIアプリケーションを1台のカメラで運用できる。また、アプリ領域を大幅拡張(RAM 450 MB、ROM 6 GB)したことにより、高負荷の画像解析をカメラ単体で実現する。
さらに、AI現場学習アプリケーションにより顧客の現場でのAI機能強化が可能。誤検知情報や失報情報を顧客の現場で追加学習し、検知精度改善を実現するほか、今まで標準で識別できた人・車・二輪車以外にも、例えば製造業ではフォークリフトといった特殊車両など、検知したい対象を現場で追加学習させることが可能だ。
加えて、50m照射のIR-LEDと光学3.1倍ズーム(8MPモデルは2.0倍)、および、AIプロセッサーがもたらす画質自動最適化により、夜間でも対象物を明確に撮像できる。
このほか、データの改ざんやなりすましを防ぐサイバーセキュリティー性能も装備。第3者機関発行の電子証明書(Global Sign)のプリインストール、FIPS 140-2 Level 3に認定されたハードウェアの搭載に加えて、カメラの乗っ取りを防ぐセキュアブートをi-PRO製カメラとして初めて搭載し、セキュア性能が高い映像監視システムを提供する。
※セキュリティカメラ搭載AIアプリケーションで学習する方式において。2023年10月時点、i-PRO調べ。
■製品ラインナップ
※モデルごとの仕様の詳細は、上記表内のQRコードから、もしくは下記URLよりi-PRO WEBサイトにて確認できる。
https://i-pro.com/products_and_solutions/ja/surveillance/products/network-camera
関連情報
https://connect.panasonic.com/jp-ja/
構成/立原尚子