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サイガ保護活動の成功と野生動物たちの漢方薬被害について考える

2024.02.15

日本ではニホンオオカミやニホンカワウソなど7種の野生動物が絶滅している。環境変化によるものや、特定の病気で絶滅するなど、数を減らす理由はいくつかあるが、最も大きな脅威となっているのが人間による乱獲である。

最近はワシントン条約など、世界的に希少動物に対する取引が制限され、経済的理由で乱獲される動物は減っている。しかし、民間療法のための薬や悪霊祓いといった、迷信のための乱獲はなかなか減らせない。1990年に入って、順調に数を増やしていたサイの乱獲数が急に増えた時は、ツノがガンに効くという風評が広まった時期に、一致している。

史上最悪の短期間減少数を記録したサイガ

ウシ科の動物のオオハナレイヨウ、別名サイガはユーラシア大陸全域で、数百万頭が生息していた。しかし、ソ連崩壊前後から密猟により数を減らし、2002年にはレッドリストに載る絶滅危惧種となってしまう。

乱獲の理由の一つが漢方薬としての利用にあり、解熱や悪霊退治にも効くと信じられた。その結果、総頭数の約95%が減少し、哺乳類としては史上最悪の最短減少記録を達成したとも言われている。

カザフスタン政府やサイガ保護同盟などによる保護活動が行われ、現在、少しずつ数を増やし続けている。保護同盟が昨年12月12日に発表した最新の調査によると、現在ユーラシア大陸には190万頭が生息していることが明らかになった。これにより、国際自然保護連合は、レッドリストの分類を野生での絶滅の一つ手前である近絶滅種から次のランクの近危急種に変更している。

政府と保護団体がタッグを組んで活動

中央アジアの寒帯のステップ(大草原)に生息するサイガは、巨大な鼻が特徴のウシ科の動物である。草食動物でオス1~2頭に対してメス数十頭の群れで生息している。

高値で取引されていたため、乱獲され、さらに感染症が蔓延してしたため、数百万頭いたサイガは約5万頭まで数を減らしてしまう。絶滅を危惧したカザフスタン政府やサイガ保護同盟により保護活動が積極的に行われ、2006年、サイガが生息している国と、サイガを薬品として購入してきた国などが共同で捕獲制限に関する覚書を交わした。

さらにカザフスタン政府は密猟を厳しく取り締まり、レンジャーに手厚い資金援助を行った。ガソリン代を支給し、レンジャーの活動をサポートした結果、レベルの高い保護活動が実現した。現在、カザフスタン政府は生息地、約4万8000平方キロメートルを保護地域に指定している。これは九州地方の約1.2倍の広さにも相当する、広大な土地である。

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