日本にも存在する「レジなし店舗」
「レジなし店舗」自体は、既に日本にも存在する。
去年10月、ダイエーがNTTデータの提供するシステムを用いた『CATCH&GO』という店舗をオープンさせた。これは上述の『Hudson Nonstop』と同様、レジを省いた小売店である。入口、出口にそれぞれゲートがあり、入口では専用アプリで表示したQRコードを認識させる仕組み。
この専用アプリは、クレカの他にもPayPayと紐付けすることが可能。決済手段をクレカのみに絞らず、日本人の間で普及している銘柄にも実質対応している点は高く評価すべきだろう。
そして、米『Hudson Nonstop』と日『CATCH&GO』を比較することで、両国のキャッシュレス事情の温度差が多少ながらもはっきりと見えてくる。「キャッシュレス決済の選択肢の豊富さ」ということでは、アメリカよりも日本のほうがむしろレベルが上なのかとも思えてしまう。
最初は「教える係」が必要か
仮に『CATCH&GO』のようなレジなし小売店が全国各地で店舗数を増やしていくとするなら、どのような現象が発生するだろうか。
あくまでも筆者の邪推ではあるが、レジなし店舗の設置からそれが「地元に欠かせない店」になるまでは少なくない時間がかかり、しかもスタッフも用意しなければならないだろう。
なぜレジなし店舗なのにスタッフが必要かというと、「教える係」がいるからだ。JR高輪ゲートウェイ駅が開業した当時、筆者は無人コンビニ『TOUCH TO GO』の取材に赴いたが、やはり初めてここを訪れる人に利用の仕方を教えるスタッフが常駐していた。
そうしたこともあり、日本でのレジなし店舗の普及はいくつかの段階を踏まえながら少しずつ定着させるという方法になるのではないか。
【参考】
CATCH&GO-NTTデータ
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/catchandgo/
取材・文/澤田真一