アメリカ・ロサンゼルスは「キャッシュレス決済先進地域」である。
クレジットカードさえあれば生活に困ることはなく、様々な買い物ができる。しかも、今は非接触型決済(日本で言うところのタッチ決済)が普及している。
こうしたこともあるから、現地の市議会議員の間では「行き過ぎたキャッシュレス化」を警戒する声もあるほどだが、ともかく現金を使わなくてもいい環境というのは非常にありがたい。
そんなロサンゼルスの国際空港には無人店舗『Hudson Nonstop』がある。今回、筆者は帰国の便を待ちつつもこの店舗を利用してみた。
商品を手に取ったまま退店
無人店舗は日本でも広がりを見せているが、『Hudson Nonstop』はAmazonの決済システム『Just Walk Out』を取り入れた「レジなし店舗」である。レジという概念自体を省いている。
利用者はまず、入口ゲートでクレカを認識させる。『Hudson Nonstop』はコンビニエンスストアをさらに小さくしたような店舗で、品揃えも飲み物やお菓子、軽食くらいしか置いてない。
それでも世界最先端のキャッシュレス決済システムを手軽に体験するにはちょうどいいボリュームで、ロサンゼルスを訪れた日本人はぜひ一度『Hudson Nonstop』に足を伸ばしていただきたいと筆者はこの場を借りてお勧めしたい。
カメラ、センサー等で客が手に取った商品を認識し、退店と同時に買い物をした分がクレカから決済されるという仕組みだ。入口ゲートでクレカを認識させれば、あとは商品を勝手に持ち出しても構わない。まるで万引きしているような気分だ。
アメリカはやっぱり「クレカの国」
『Hudson Nonstop』は(というより『Just Walk Out』は)Apple Payには非対応、さらにアメリカ国外発行のクレカとは「相性」があるらしく、筆者が一番最初に取り出したクレカは使えなかった。
それでも「レジを通さない買い物」がこれほどスムーズで便利だということを、骨の髄まで体感することができた。
本当に素晴らしい店舗だ! これはぜひ、日本でも普及させないといけない! よし、今すぐこの『Hudson Nonstop』を羽田や成田、いやいや首都圏以外の地方都市津々浦々、何なら筆者の地元の静岡市にも設置しよう……と意気盛んになるのは少し早い。
『Hudson Nonstop』を利用した筆者が強く感じたのは、決済手段がクレカとAmazonが提供するシステムしか用意されていないという点。実際のところ、大半の利用者はクレカを使っているのではないか。
日本で『Hudson Nonstop』と同様の仕組みの店舗を導入するとしたら、クレカの他にも最低限交通系ICカードとPayPayに対応していなければならないだろう。